お茶の町から 〜絶景は身体に刻むもの〜

皆さま、こんにちは。
安希@茶畑から久しぶりのレポートです。

京都南部の茶の町「和束」で季節労働者として仕事を始めて1ヶ月が経ちました。今は一番茶の収穫に追われる毎日です。連日30度越えのクッソ暑い炎天下の茶畑に出て、朝から晩まで肉体労働をしています。今日はみんな(労働者たち)の祈りが通じたのか、久しぶりに朝からまとまった雨が降って、仕事休みとなりました。雨が降らない限り、10連勤でも、20連勤でも休みはない、というのが「茶」の大変なところで、今朝五時に「今日は雨やから休もか」と連絡をもらった時は、久々の休みに逆に興奮してしまって、二度寝に失敗してしまったほどでした。(笑)疲れてるけど、寝られず・・・。

仕事中は、毎日いろいろとドラマがありすぎて、毎秒毎秒、渾身の力をふり絞って(筋力が弱いので、私がやるとそういう感じになります・・)肉体労働に励んでいるので、茶畑の美しさを堪能するような余裕はないのですが、ふと顔をあげた瞬間や、軽トラに茶袋を積んで急坂をガタガタ下っている時に、茶畑の美しさにハッと息を飲むことがあります。茶の葉に埋もれて作業をしている時に、新芽に逆光が当たった時なんか、うわ〜って声が出そうになる美しさです。でも、悲しいかな、仕事中でカメラを構えられないので、その景色は眼に焼き付けるだけになっています。そして、やっとまわってきた休日は、必ず雨!(笑)雨が降らない限り休みがなく、雨の日しかカメラを構えられないっていうのが、なかなかもどかしいです。もう少し身体が慣れてきたら、作業の合間の休憩時間に少しシャッターを押したいなとは思っていますが、今は「よし、一服するぞ〜!」って声がかかった瞬間に、その辺の木陰へどさっと崩れ落ちてしばらく動けず・・・という感じなので、貴重な休み時間を使ってまでカメラを首から下げて畑を歩き回りたくないわ、という気分です。ヘタレです。すみません。

こんなヘタレのおばちゃんですが、みんなと同じように雇ってもらって、毎日仕事させてもらってます。茶をやり始めて、一番しんどいのが、「手」ですね。これまでにもスポーツやバックパッカーや登山など、いろいろやってきたのもあって、足腰は今のところ大丈夫ですが、「手」と「指」がね、痛いです。普段あまり筋肉痛を経験しない部位なので気になります。夜中に寝返り打つと、うおっ!って手が痛む・・・、雑巾絞ると、うおっ!って指が痛む、何かを持ち上げようとすると、うおっ!って手首が痛む・・・みたいな感じです。でもね、作業中に20〜30キロの茶袋をポイポイ軽トラの荷台に積んでいる時とかって、そういう痛みを忘れてるんですよ。もう、必死すぎて、痛いこと忘れてます。これまでは知的労働をやってきて、パソコンのやりすぎで腰や首や肩や目が疲れていましたが、肉体労働をすると「手」が疲れるってことがよ〜く分かりました!いつもと違う仕事をすると身体的にもいろんな発見があって面白いです。

そんなわけで、2番茶が終わる7月いっぱい(または8月頭ごろ)までは、和束にいます。誰か遊びにきてくれても雨の日以外は相手できないから、来ない方がいいです。(笑)ずっと畑にいますから。お世話になっている農家さんも、日々、ドラマ満載ですが、みんな基本的に心根がいいというか、ネチネチしたところがなくて、よかったなと思っています。70近い年齢なのに、痛いとかしんどいとか、全然小言言わずに、自動バサミで朝から晩まで茶を刈りまくっているおばちゃん(お母さん)の背中見ていたら、しんどいなんて思うことが罪みたいな気持ちになりますね。鉄人です。尊敬します。それに、わずかな睡眠時間で工場を回している息子さんとかに、「あきちゃん大丈夫か、休めるときに休んどけや」なんて気を使ってもらうと、なんや申し訳なくなります。本当にしんどいのは、私じゃなくて、あなたでしょう!って思いますね。ほんまにタフだなと・・・。

7月の二番茶の頃は、さらに気温も上がって、茶袋も重くなって、畑は戦場みたいになるそうです。(今も戦場みたいな時ありますけど。笑) 農業未経験の私を使ってくれている農家さんの足手まといにならないように、夜はしっかり体のケアをして、なんとか最後までついていきたいと思います。頑張ります!

ところで、こんなにみんな頑張っているのに、今年は茶の値段がひどいことになっているみたいで、そういう噂を耳にすると悲しくなります。茶の取引価格が上がるように祈ってください!(って消費者側に言うのも変ですけど・・・)

また和束に雨が降ったら、時間を見つけてレポートします。地方経済、一次産業、高齢化、人口減少、労働人口問題、などなど、茶畑にいると、いろんな現実が身体に直に刺さってきます。働き方改革とか、AIとか、地方創生とか、外国人労働者とか、大都会で騒いでいるのがアホみたいに思えてきます。ははは。

ではまた。ごきげんよう〜!

安希