センシティブにW杯を観戦中です

皆さま、こんばんは。
今日はマケドニアからコソボの首都プリシュティナに移動して来たので、記念にブログを書いています。だんだん日課みたいになってきましたね。夜一人で出歩くのは好きじゃないので、こうして宿で平和にブログを書いているわけです。

ちょうど今、ブラジル対セルビアのサッカーの試合を観戦しながら書いてますが、コソボでセルビア(支配国)の試合を観るのってやっぱり微妙ですね。この感じは、数日前に問題になったスイス対セルビア(コソボ・アルバニアにルーツのあるスイス選手が、ゴール直後にアルバニア国旗の双頭のワシのポーズをとった問題)の試合をアルバニアで観戦していた時もそうでした。

私はこの地域に来るのは初めてだし、コソボ紛争とか、民族浄化とか、多少本で読んだことがあったとはいえ、細かい国家関係や民族・宗教構成はあまり分かっていませんでした。それで、アルバニアにいた時に、スイス対セルビアの試合をスポーツバーで観戦していて、無神経にセルビアを応援してたら(とくに深い意味はなかったんですけど、せっかく今、バルカン半島にいるんだしセルビアでも応援してみようかぐらいの気持ちだったのだけど)、やはり周りから白い目で見られました。確かに・・・そうなるよね・・・。

そして今日、マケドニアからコソボへ国境を越えてきて、バスの窓から最初に目にしたのが「アルバニアの国旗」。そうか〜、やっぱりそうなのか〜。コソボにはコソボの国旗(これを国旗と承認せず、自治区の旗としている国もたくさんあって、これまたややこしいわけですけれど)もあるけれど、目にする旗の半分は「アルバニアの双頭のワシ」です。コソボはアルバニア系住民が9割以上を占めている、というのは、先にググっていたから知ってはいたものの、実際にこの地にきてみて「自国の国旗以上にアルバニア国旗に愛着をもち、アルバニア本国以上にアルバニア国旗にこだわりがある」という印象を受けました。それにコソボの国旗って、なんだかちょっとインパクトがないですよね・・・国旗っぽくないというか、EUの旗みたいな感じで・・・。

さて、今日の試合ですが、ブログを書いている間にブラジルが2-0でセルビアに勝ちました。宿のオーナー(コソボの現地人)は満足そうです。そして先日のスイス対セルビア戦の「問題のパフォーマンス」についても、「25000ユーロの罰金が課されたけれど、コソボ&アルバニア系の人たちが一斉に寄付をして、24時間以内に目標額に達した」と自信たっぷりです。反省や弁解をする様子は全くないですね。^^;

毎晩のサッカーの観戦からも、いろいろと学ぶことがあります。もちろん、スポーツに政治を持ち込むのは本当にナンセンスだと思うけれど・・・。

旅をすることに意味はないです。退屈なこと、虚しくなること、いっぱいあります。自分はこんなところで何をやってるんだろう、って思うことなんてしょっちゅうです。でも、たぶん私は、こういう形でしか世の中のことが学べないタイプの人間なんだろうなぁ、とも思うわけです。

今日の午後は雨がひどかったので、宿にこもっておしゃべりしてました。この地域で目にする「ロマ」について、オーストラリア人のボランティアと話をしました。あらゆる面で社会から孤絶し、暮らしが荒廃してしまった民族を、彼らの在り方を尊重しつつも社会に包摂していくなんてことは果たして可能なのか? という疑問にたいして、彼が自国の「アボリジニ」との関係を類似ケースとして出してきた時に、新しい発見がありました。この何年間か、ずっとぐるぐる考え続けてきたことに、これまでとは少し違う視座が加わったような、そんな感じでした。

旅をすることに意味はないです。たいして行動もしていないし、特別なものを見ているわけでもない。でも、旅をするとすごく考える、というのは確かです。朝から晩まで、人について、暮らしについて、宗教について、歴史について、社会について、思想について、システムについて、権力について、それから未来についても、もう、ありとあらゆることを、ぐるぐる考えますからね。そういう時間が少し持てるというのは、そんなに悪いことではないんじゃないかと。

明日は晴れるといいなぁ。バルカン半島、今年は異常気象で雨ばかり降ってて、寒いです。今日は日中の気温14度でしたから。

ではでは、ごきげんよう〜。
安希

写真は、夕方立ち寄ったお茶屋さんからの一枚。もう、見るからに「トルコ」でしょ?(笑)オスマン帝国の影響力をひしひしと感じる今日この頃。

Be the first to like.