誰かと「つながっておく」価値について

皆様、こんにちは。

札幌で講演してからもうすぐ1ヶ月。北海道旅行の帰りにちょっと体調を崩したのをきっかけに、持病の喘息を悪化させてしまいました。できるだけ人に会わない、しゃべらない暮らしをしていましたが、取材もあるし・・、打ち合わせもあるし・・、講演会もあるし・・、で、切羽詰まってきまして医者に診てもらいました。したがって、昨日からステロイド吸引生活です。(笑) 昔アメリカにいた時も「喘息薬の吸引(あれもステロイド系だったのかしら?)」をしていましたが、そのあとはずっと飲み薬で治っていたので、久しぶりの吸引生活ですね。早く効いて欲しいです。っていうか、ステロイドって筋肉増強剤だと思ってました。これで咳が止まって筋肉までモリモリになったら、南米の山でも登りに行きたいな〜、なんて夢が膨らみますよね。気持ちは前向きに保ちたいものです。

ところで今回、「咳が止まらない」状態になり、だけど医者に行きたくない(面倒・・・)、そのまま市販薬で我慢するも余計に悪化、しぶしぶ医者に行ってステロイド吸引生活開始、という運びになったわけですが、久々に「喘息です」と言われる程度にまで状態を悪化させてしまって思ったのは、「ネットワークが弱っているな」ということです。まだ関西に引っ越してきて日が浅く、知り合いもいないし、街の情報もなくて、どこの医者にかかればいいのかがよく分からないし・・・というまま、手軽に買える市販薬でなんとかしようと思ってしまいました。

去年まで住んでいた上尾市にいた頃は、呼吸器系ではピカイチのかかりつけの医院がありました。もう何年も前のことですが、途上国の大気汚染にやられて2年近く慢性的な咳に苦しんでいた頃に、地元の看護師さんに紹介してもらって行ってみたところ、ピタッと治ったんです。ただ、その医院は築60年ぐらい?の普通の民家の一階を使って、おじいちゃんの先生が細々とやっている医院だったので、外観からは廃業しているようにしか見えませんでした。だから知らなかった頃は、他のこぎれいなクリニックに行っていたんですけど、全く症状が改善しなくて困っていたところへ、「佐川医院さん、試してみた?」と言われて行ってみたのが、その医院でした。呼吸器系の疾患で苦しんでいる人には、オススメの先生です。そして昨日、例えば今住んでいる街で、友達も知り合いもいないという状況で、呼吸器系でいいお医者さんに繋げてもらうには、どんな方法があるんだろう、と思いました。それから、佐川医院さんでもらっていた錠剤と今回もらってきたステロイド吸引の違いについて、意見をもらったり、あるいはこの先症状が改善しない、改善したけれどまた途上国に行くのでちょいと不安もある、というような相談ができるとしたらどんな人だろう、と考えていて思い出したのが、このブログを始めたきっかけでもあった「アジアパシフィック医療改革フォーラム」のメンバーたちと、札幌(旭川でも)で知り合った「CANnet」のメンバーの方々のことでした。

”がん”のよろず相談窓口 『CANnet』の存在を知っておいて損はないと思います。

一般社団法人「CANnet」は、色々な分野で活躍されているプロフェッショナルが集まって、主にがんなどの病気の患者やその家族を多方面からサポートしている団体さんです。札幌の講演会では代表の杉山さんとパネルディスカッションでご一緒させていただいて、そのあと旭川でも団体のスタッフの方々に偶然お会いすることができました。杉山さんは、現役のお医者さんですが、旭川でお会いした方々は、行政書士さん、介護員さん、薬剤師さんなど、それぞれの分野でプロとして仕事をされている方たちです。つまり「CANnet」の場合は、私が「N女の研究」で取り上げたようなフルタイム有給職員とは違い、自分の仕事に加え、団体の活動は無償でされているということです。スッタフには他にも、弁護士さんや司法書士さん、美容師さん、会社勤めをされている方など、いろんな方がいるそうです。そして、代表の杉山さんもそうですが、スタッフには、患者として当事者である、または過去に大きな病気をしたかつての当事者の方も多くいらっしゃるので、そうした経験も踏まえてのサポート(アドバイス)や意見交換ができるという強みもあります。

それでは「CANnet」を知っておくと、どんなメリットがあるのか?私が皆さんとお話しさせてもらって一番強く感じたのは、

つながっている、つないでもらえる安心感、ですね。

「CANnet」には医療に従事しているスタッフも多いですが、団体として治療に関するセカンドオピニオン的なことはしていないそうで、それよりはもっと大きな枠でのサポート、つまりは病気をきっかけに発生する生活のあらゆる悩みに対して相談に乗り、それぞれのケースに合った「解決策」につなぐという活動をされています。病気と一言に言っても、そこには治療のことだけでなく、医療費の問題や精神面での不安、美容に関すること(例えば抗がん剤治療)もあれば、仕事を続けられなくなった時の生活のことや、家族との関係、末期であれば相続のことまで、本当にいろんな問題や悩みが一斉に出てくるわけです。そういう時に、様々な分野のプロであるCANnetのスタッフとつながっている、また必要に応じて別のサービスや機関につないでもらえる、そういう安心感が得られるのはとても大きいと思います。

誰かと「つながっておく」価値について

「N女の研究」の取材中にもつくづく思いましたが、社会にはいろんな「助けの手」があるにも関わらず、その「手」を必要としている人が、適切な「手」につながっていかないという大きな問題があります。行政機関もいろんなサービスを用意しているし、それぞれの専門家や民間団体も、いろんな解決策を持っているのに、ネットワーキングが弱いとそこへたどり着けないんです。だから、その「つなぎ役」に当たっているCANnetの活動は本当に重要だし、なんとかして、より多くの人に知ってもらいたいと思っています。N女の研究の時もそうでしたけど、こういう活動、こういう助け舟が実はあるんですよ〜っていうことを、どうやったらもっともっと多くの人に知ってもらえるかなって、この数年はそればっかり考えてますね。(笑)まあ、それ以外のことも考えてますけど。

それから杉山さんの話で印象深かったのは、活動をすることで杉山さん自身もたくさんのベネフィットを得ているという点です。お医者さんですから、医療のことは詳しいでしょうけど、法律やそれ以外のことは詳しくありません。でも活動を通してなら異業種の人とも広くつながることができますし、「そうか、そういう考え方もできたのか」というような気づき、発想の転換、解決策の発見があるそうです。スタッフ自身が、活動を通して誰かと「つながっておく」ということにも大きな価値があるなぁ、と改めて痛感しました。

さて、前述の通り、このブログもスタートは「医療活動」でした。しかもCANnetと同じ、それぞれに仕事を持つプロフェッショナルが集まって始めた団体、それが「アジアパシフィック医療改革フォーラム」だったんですね。でもあの頃はまだ2005年ごろで、NPOなどもメジャーでなく、法人格とったほうがいいのかな、どうしよう・・なんて言っているうちにしぼんでしまいました。あの当時、フォーラムのことを聞かれた時は、「社会人の活動に参加していて・・」なんていう曖昧な答え方をしていましたからね。どう説明したらいいか分からなくて。(笑)当時一緒に活動していたメンバーも、お医者さん、薬剤師さん、IT技術者、会社経営者など、いろんな分野の人たちで、私だけが唯一何の取り柄もなく参加してるという感じでした(強いていうなら、飲み会専門スタッフ)。でも、せっかく旅に出るんだから、世界各地の医療や衛生状態を会員向けにレポートしてよって言ってもらって、最初はスタッフが作ってくれたメルマガで安希レポが始まり、旅の途中でIT系のスタッフが「ブログもやろう」って作ってくれたのがこのブログでした(だからこのブログを作ったのは私じゃないんです。IDやパスワードも作ってもらったのを使い続けているっていう・・)。そんな風にブログをやって帰国と同時に専業ライターになったわけだから、人のつながりって、すんごいわけですよ。私は医療活動で逆に仕事ゲットしたわけですよ。(笑)ライター教室に行くよりも、医療改革フォーラムで活動した方が「解決」に近かった?みたいな。

少し話がズレましたが、今これだけ情報がたくさんあって、ネットがあれば何でも分かるような気分になっている時代に、でも自分に一番必要なものは「誰かとのつながり」からやってくるんじゃないかな、というのがこのエントリーで言いたかったことです。そして、そんな「つながり」を助けている非営利セクターの活動がもっと広がって(知られて)いってくれることを祈っています。(祈るだけじゃなくて、もうちょっと具体的に、何かしたいなとは思います。知らないなんてもったいないです)

とにもかくにも、講演会までに咳が止まりますよーに。

ではまた、ごきげんよう。
安希

Be the first to like.


1件のコメント

  1. つながる、知る、だけでなく、「つながっておく」「知っておく」というのが安希さんらしい感じがしました。つらい状況になってから始めるのは大変なことですよね。
    お忙しいとは思いますが、どうかご自愛なさってください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。