『N女の研究』おかげさまで重版かかりました。

皆さま、こんにちは。

安希@4日ぶりに大学院の学習室に戻ってきました。中華圏で迎える初めての旧正月でしたが、アットホームな楽しい経験をさせてもらって、良い思い出になりました。中華圏の旧正月、旧ソ連圏の正月、アメリカのクリスマス、イスラム圏のイードホリデー(断食明け)、現地のご家庭でいろいろなイベントを経験させてもらってきたけれど、それぞれの地域性が出ていて、やっぱり面白いですね。そして美味しい!(笑)招いてくれたご家族には感謝しかありません。

ところで、休暇中に嬉しいことがありました。よく晴れた日の午後、あまりにも外が気持ちよかったので、また大学の裏山に散策に行ったんです。そしたら帰り道で携帯が鳴りまして、版元の担当編集者からの重版のお知らせでした。買ってくださった皆さん、ありがとうございます!

編集者の場合、編集者やっててよかったと思う瞬間はまだ誰も読んでいない最初の原稿が読めること、ってよく言われますけれど(私は、たぶん嘘じゃないかって疑ってるんですけどね。自分だったら読みたくないなぁ、そんな荒れた原稿。誤字脱字もいっぱいありそうだし)、書き手にとって「やっててよかった」って思う瞬間は、たぶん人それぞれだと思います。だいたい、脱稿するとおめでとうございますって言われるんですが、脱稿した瞬間に喜びを感じたことはないです。

喜びを感じる瞬間っていうと、取材が予想外の展開になった時とか、煮詰まってたところへ新しい道筋がスパーンと見えた時とか、そういう時はやっぱりワクワクします。あと、地味に「今日のノルマ」が達成できた日は嬉しいです。作業中の喜びでいうと、これが一番嬉しいかも。9枚書こうと思って9枚書けた日は嬉しいです。じわっときます。だいたい、その日一日幸福感が続きますからね。これ、わかる人にはすんごくよくわかる嬉しさだと思うんですが、分からない人には分からないと思います。(笑)

それと、執筆作業中以外のところで、純粋に「この仕事やっててよかったな」って思う瞬間が3つあります。一番大きいのは読者からのフィードバック(それがなかったら私は書かないと思う。だから日記は長く続いて2日くらいですね。日記つけようと思ったこと、人生で数回ありますけど、自分に向かって書くのは2日くらいが限界でした。)

残り2つのうち、1つは装丁が上がってくる瞬間。これはもう純粋な楽しみです。だって、3年くらいかかってやっと完成した本に付けられる装丁って1つだけですもの。頑張って完成させないとデザインしてもらえないわけなので、一種のご褒美みたいなものですね。しかも自分の作業はもう終わっていて、あとはただ待っていればいいっていう。(笑)編集者は本が完成して見本が届くと感動するらしいですけど、私の感動のピークは「装丁が上がってきた瞬間」なので、デザインをPDFで確認した時点で、制作過程での楽しみは終了となります。

そして3つ目が、「重版のお知らせ」。嬉しいっすよ。とても。飲みたくなりますよ。とても。抱きしめたくなりますよ。誰でもいいから。(笑)

『N女の研究』いろいろなメディア媒体でも取り上げていただいています。
ネットで読める記事だけリンク貼っておきますね。

毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20170117/dde/012/070/006000c

朝日新聞
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2017012900012.html

日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11685780U7A110C1MM8000/

ウートピ
第一回:http://wotopi.jp/archives/48484
第二回:http://wotopi.jp/archives/48794
第三回:http://wotopi.jp/archives/49112

ではまた、ごきげんよう。

安希

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8件のコメント

  1. 安希さんこんばんは。

    編集者さんの喜びは嘘ではないと思いますよ。私がもし編集者で、尊敬する作家さんの原稿を一番に読める立場だったらそうとう興奮すると思いますから(笑)。

    作家さんの喜びポイント、どれも共感してしまいました。一日一日、自分で納得できる文章をかけたことに対する喜びも、自分の本を飾るカバーのデザインに感嘆することも(『N 女の研究』はシンプルで格好いいデザインですよね)、重版については、作家の長嶋有さんがサイン会で、好きな言葉を書いて下さいと言われて、『本当に好きな言葉でいいんですか?』と答え、『いいです』と返したファンの本に堂々と重版、と書いたエピソードを思い出してしまいました(笑)。

    書評はやっぱり星野智幸さんのものが特別ですね、プロフィールを見ると太田直子さんという映画字幕の翻訳者に師事されていた方なのだとか、人生のなかで本当に尊敬できる女性と出会って影響された男性の書く文章は、男尊女卑的な旧世界の男の書く文章とはまるで違うと思うのですよね。

    ではまた。

    1. コメントありがとうございます。

      >人生のなかで本当に尊敬できる女性と出会って影響された男性の書く文章は、男尊女卑的な旧世界の男の書く文章とはまるで違うと思うのですよね。

      そうですね。旧世代の男性が書く文章で、褒めているようで実は女性を見下しているものは数多く存在しますが、星野さんの文章にはそれがありません。読んでいて気分がいいです。

      1. 返信ありがとうございます。

        私は『だから女は』とか『男ってそうだよね』みたいなセクシャリティで区別する言い方がすごく嫌なんですよね(笑)。

        身体が違えば、この世界の見えかたも感じかたも違うし、それを越えて共感する能力がこれからは必要だと思うのです。

        それは性別だけでなく、人種や世代間でも必要な認識だと思います。

        安希さんの本はそれをいつも書いていますよね。

        1. すみません。名前をいれ忘れてました。匿名でなく角石大介のコメントです(笑)。

  2. 日本では、少し前に、TVドラマで「重版出来」というのがありましたよ。
    「校閲ガール」とか。
    やっぱり、紙媒体・・・いいですよね。

    富山賢人、改め、富山謙人としたいと思います。
    今後とも、よろしくです。

  3. 「女性だからできる」
    「男性だったらどうなの?」
    といった、ジェンダーを主題とした本だと受け止めた方が結構いるみたいで、これは中村さんが意図して問題提起したのか、意外な方から反響が来た感じなのか、どちらなのでしょうね。

    1. コメントありがとうございます。

      ジェンダーを主題とするつもりはなかったんですが、NPOにハイスペックな女性が入ってきている背景を探っていくと、ジェンダーの問題にも行き着いて、そこの議論を避けて通ることができなくなったという感じです。

      日本にはジェンダーによる役割分担の意識が根強く残っています。一家の大黒柱としての責任を負わされることが多い男性にとっては、年収の中央値が222万円といわれているNPO業界への転職はハードルが高くなります。一方で、女性にとって働き続けにくい日本の雇用環境が、女性たちのNPOへの転職を後押ししているのは事実だと思います。そういう部分で、本書はジェンダーをテーマにしているとも言えます。

      統計的に見ると、N女とN男の数は、N女が少し多い程度で、ほぼ半々です。どんな男性がNPOで活躍されているのかは、取材していないので私にはわかりませんが、私の年代で周りを見渡した時に、N男よりN女の方がよく目に付いたので、あえて「N女の研究」として取材に踏み切りました。N男の研究もやってみたら面白いと思います。ただ、男性ってあまり本音を語りそうにない印象があるので(構えてくるというか・・・)、取材が面白くならない可能性もあります(笑)。私が女性なので、共感ポイントも分かりにくいと思いますし。

  4. 「もう資本主義が終焉を迎えている。」そう言われ始めたこの時代には、やはり新しい価値観に沿った新しい生き方が生まれてくるのでしょうか。久々に希望の持てる本に出逢って嬉しいです。……で「N男」さんもいるんじゃないかと。探して書いてほしいな。なんて思いました。どこかの国に誕生した大統領をはじめ、きな臭い人々の台頭する中、希望の持てる生き方を模索している男性陣もいるはずと信じたくて。

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