10年経って、変化したこと

皆さま、こんにちは。
安希@5日間ほど旅をして、学生寮に帰ってきました。
香港から電車で中国の深圳に行き、そこから高速鉄道(中国の新幹線)で広州に行き、そこからまた高速鉄道で珠海という街に行って、徒歩でマカオに入り、マカオから高速船で香港に戻りました。

マカオも広州も10年ぶりでした。あの頃はまだ高速鉄道はなかったし、スマホもなかったし、物価も安かった・・・なんて思いながらの旅でしたが、でもやっぱり変化という点で一番強く印象に残ったのは、極めて個人的な感想になりますが、「人」でした。

|変わらないこと:中国語ができないと、やっぱり面倒です

中国を旅してみて、やっぱり英語は通じないなという感じでした。うちの大学院にも中国本土からの学生さんがたくさんいて、彼ら(彼女たち)の英語力はものすごく高いですけれど、やっぱり彼らは特別なんだなと思い知らされました。

中国は人も多いし、街もでかいし、公共機関もたくさんあるしで、もっとシンプルな国(人が少なくて、道も数本しかなくて迷いようがないような場所)と比べると、やっぱり旅行するのは難しかったですね。まあ、地図もガイドブックも辞書もネット回線も何もなしで、下調べゼロのままで、ふらっと旅立ってしまった私が間違ってるんだけど。(笑)前日の夜に、ふと、あっ、明日の朝、中国にご飯食べに行ってみようって思って・・・。それでリュックに下着とカメラだけ入れて電車に乗ってみただけだったんですけど、ふらっと遊びに行くには、中国は街のサイズがでかすぎるな、と気付いたのは、越境して巨大な街がドーン!っと目の前に現れた後だったんです。

行き当たりばったりの旅だと、人に道を尋ねたり、乗り物のことを聞いたり、適当に入った店でオススメの一品を注文したり、いろいろやらなくちゃいけなくなるので、言葉ができないと面倒だなってつくづく思いました。

英語がほとんど通じないという点では、10年前と変わってないんですけど、でも、10年前にこんな適当な旅をしてたら、もっと大変だっただろうなと思うんです。なぜなら今回は、言葉が通じないなりにも、旅ができる土壌ができあがっていたから。

|「没有」言わなくなったな〜。

10年前と明らかに変わったのは、人に話しかけた時に、即座に「メイヨー」って言わなくなったこと。メイヨーっていうのは、「没有」すなわち、「無い」っていう意味ですけど、言われるときの感じは、「門前払い」。今回行ってきた場所が大都市だったから「没有」って言われなかっただけかもしれませんが、10年前は大都市でも、同じ広州でも、どこでも、もう話し始める前から「メイヨー」だった印象があるので(まあ、とりあえず話だけでも聞いて!みたいな感じでしたから)、それを言わなくなったのは、旅をする側としては有り難い変化でした。みんなね、言葉は通じないけど、助けてくれる気があるんです。昔も、すごい親切に助けてくれる人もいましたけど、話しかけると逃げていく人もいっぱいいたし、お店や公共機関の人なんかは、もう最初から「没有」一点張りだったことを考えると、変わったなぁ、ってちょっと感動しました。

|中国は、超スマホ社会

脱「没有」の背景にはいろんな要素があると思うのですが、スマホの普及も大きいのかなと思いました。道に迷って、ここに行きたいんだけどって漢字を書いて示すと、その場で「読み」をスマホに吹き込んで(打ち込まずに、音声で入れるのが主流なのかな?)、さっと地図を出してきて、画面見せながら道順を教えてくれるんですよ。道だけじゃなくて、地下鉄や駅の最寄りの出口なんかも、一瞬で調べて見せてくれるので、本当に助かりました。

最初、そのことに気づくまでは、(10年前の印象もあって)話しかけるのに躊躇してしまっていたというか、相手をすごく選んでいたんですけど、途中から、「聞けば、スマホで解決してくれる」ってわかったので、質問しやすくなりました。漢字が読めない国の人だと使えない手ですけど、ラッキーなことに日本人なら漢字はわかりますからね。一緒に画面見ながら、あ〜なるほど、地下鉄の1号線で長寿駅まで行って出口がBで、人民南路まっすぐ行けばいいのね、わかりました。ありがとう!みたいな。(笑)ありがとうスマホジェネレーション!

スマホのおかげで言葉が壁じゃなくなりました。相手も、英語で話しかけられて、一瞬「えっ?」って顔はするんだけど、それでも立ち止まって漢字のメモに目を通して、外国人に対応しようと頑張ってくれるのは、「スマホで調べられる」っていう安心感があるからかもしれないです。翻訳機を使って会話をしてくれた若者もいたし。スマホで何でも調べられる状況は、個人主義的な傾向を強める可能性もあるけれど(例えば、私が入境と同時に中国のsimを買ってスマホが使えたら、人にわざわざ道なんて尋ねなくても一発で検索できたわけだけど)、同時に、しゃべりかけられて意味がわかんなくても、とりあえずスマホがあればなんとかなるじゃんっていう「コミュニケーションに対する人々の自信」の強化にも一役買ってるのかなと。みんな、対応が落ち着いてますね。(笑)ちょっと待ってね、スマホに聞くから、みたいなね。

|でも、10年経って一番変わったことは・・・

中国を数日ぶらぶらして、小さな発見はたくさんありました。高速鉄道の駅が国際空港みたいだったこと、飲食店でも公共機関でも、言葉が通じないなりに、みんなスマホだったりジェスチャーだったり片言の英語だったりでサービスしてくれたこと、広州の地下鉄の乗り心地が日本の地下鉄よりも快適だったこと(マナーも含めて、洗練されてる印象でした)。ただ高速鉄道に関しては結構田舎っぽいというか、新幹線とはだいぶ違う乗り物だなと思ったこと。(台湾の新幹線は日本の新幹線と同じ感覚で乗りましたけど、中国の高速鉄道は、そういう乗り物ではないと思う。だから、途上国からの高速列車の受注を巡って、中国か日本か、みたいな議論をするのはちょっとおかしいかも。そもそも違う乗り物だから。)あとは、食べ物や人や物価ですね。多少は出会いもあったので、中国の今の就職事情であったり、若者事情であったり、そういう話も少しはしましたし、今回もいろいろ食べて、発見したこと、ありましたよ。

ただね、そういう小さな発見(そして定点観測的な要素)の他に、もう、決定的にわかったことが一つありました。それは、「旅が退屈だ!」っていうことですね。(笑)10年経って、何が一番変わったかって、「私」です。旅に対する私のモチベーション。

10年前みたいな興奮が感じられないことは、もうずっと前から分かっていたんですけど、わずか数日でも面白くないって、よっぽど面白くないんだと思う。(笑)いろいろ見にも行くんだけど、見尽くした感もあるし、だいたい、世界中どこもかしこも同じような開発が進んでて、どんどん似てくるし。広州の地下鉄も、へえ〜とは思うけど、ワクワクするのではなくて、「香港の地下鉄と同じなんだね」って確認して終わっちゃうんです。つまらん・・・。

もう、おばちゃん、旅人としては完全に壊れましたね。もう、終わった人です。旅は無理です。(笑)

広州に滞在していた2日目、歩き疲れて宿に戻り、本を読んでたんです。もうさぁ、旅よりも本の方が面白くってさ!それで、つまみとビールを買ってきて、部屋で本読みながらチビチビやってたら、マカオに住んでいるクラスメイトが「どうしてる?」って聞いてきたので、「退屈してる」って返したら、すぐにマカオにおいでよと言ってくれたので、中国滞在を一泊分キャンセルして即マカオに行きました。それでね、マカオ、めちゃめちゃ楽しかったんです。何がって、おしゃべりが。

ポルトガル人のクラスメイトは、マカオのポルトガル系の新聞社で記者をしていて、パートタイムの院生として香港大学でも学んでるんですけど、彼女の取材にくっついていったり、職場に行かせてもらったり、彼女や彼女の友人たちと食事したり、夜、彼女のアパートのバルコニーでビール飲みながら、みんなでしゃべり倒したり、そんな風に過ごしたんですけど、楽しかったです。ポルトガルから見たブレグジットとか、マカオとポルトガルの就職事情の違いとか、最近亡くなった元大統領の話とか、オモロイ!!

旅なんかより、こういうことしてる方がずっと楽しいです。
でもね、こういうオモロイ話を聞こうとすると、やっぱりある程度地理的に移動して、人に出会っていないとダメなんですよね。今回も、香港に来てなかったらクラスメイトに出会ってないし、「マカオに会いに行くわ〜」ってお家を訪ねていかなければ、彼女の友人たちに出会ったり、たまたま取材にくっついていったりっていうことはできないわけです。

だから困っちゃってるんですよ。旅はしたくないけど、人に会って話はしたいから。
できるだけ旅をせずにオモロイ人に出会う方法、ないかなぁ?

たかが数日の旅で、「退屈だ!」ってことがはっきりして、逆に見えてきたこともあるんですよね。旅が退屈ってことは、じゃあ自分は何になら興味があるのか?どんな時にアドレナリンがわ〜っと出るのか?心の底からやりたいと思ってることは何なのか?これ、割とはっきりしてきました。だから、おもいっきり「退屈」を自覚できたのは、結果としてはすごくよかったのかもしれないですね。

うん、何だかスッキリです。

あとは前に進むだけ。(笑)

ではでは、ごきげんよう。

安希

⭐️ 写真は広州南駅です。

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