172.嫌なものは嫌!(テルアビブ) 物価高騰。テントを張って抗議運動をする若者たち。これも革命と呼ぶそうです。

皆さま、こんにちは。

安希@イスラエルのテルアビブからのレポートです。
チュニジアからやってくると、イスラエルは物価が高くてお財布がピーピー言っております。
交通費、食費、ティップ・・・。何も特別な買い物はしていないのに、一つ一つの必要経費が高くつく。
まあ、先進国だから仕方ないのだけれど。
とりあえず、ずっとお家に泊まらせてくれている友人に感謝します。うんうん、ありがとう。本当に(感涙)。

そんな訳で、今日はイスラエルのインフレと抗議運動についての話題を少し。

ここイスラエルでも、ある種の『革命』が起きています。
物価高に対する抗議運動が拡大し、この現象を若者たちは『革命』と呼んでいます。

一番の原因は、不動産価格の高騰。
地中海に面したテルアビブの美しい沿岸沿いでは、高級マンションの改装工事が進められていますが、こんな高いマンションは、現地の一般人は買うことができません。
もう少し安いマンションはどうかというと、これも買えない。
じゃあ誰が買っているのかというと、金を持った外国人、特にフランス人が物件を買いあさっているらしいです。
しかも、買っている人たちは、一年のうちたった数か月のバケーションを過ごすためだの目的で買い漁るので、地元の人たちは怒り心頭。

そこで、若者たちが立ち上がりました。
主要道路にテントを張って、ホームレス(家が買えない人々)を体現。
この運動が予想以上に拡大し、運動を始めた女子大生(おばちゃんも、道で彼女に出くわした)を中心に、メディアでも取り上げられて、一大イベントになった、と。
現在は、かなり収束してきていますが、それでも近所の道には、まだまだたくさんのテントが張られ、ヒッピー風の若者たちが暮らしています。

不動産価格が上がり、一緒になって物価も上がり、でもお給料は全く上がらない。
「じゃあ、値上がりした分のお金は、誰の懐へ入っているんだろうねぇ・・・」
というのが、私たちの最近の話題です。

さっき食べたクリームチーズは、以前は5シャケルだったのが、ある日突然、10シャケルに値上げ!
って、倍に値上げって、そんなのアリかよ~。ピーピーピー(泣)
だって、例えば今、200円で買っているスーパーの牛乳が明日から一律400円になって、給料が同じままだったら、泣くよ~。泣くでしょ??泣くわ~。

コテージチーズも、二倍に値上げ。
これに対しては不買運動が起きたので、メーカーは、内容量の20%増量、プラス、キャンペーン期間中は25%の値下げを発表。
そのおかげで、私たちは今日もコテージチーズをパンに乗せて食べられるわけだけど・・・キャンペーン期間が終わったら、また値上げの嵐が起きるだろう、と。

デフレの日本では、外食チェーンなんかを中心に値下げ合戦が起きているけれど、どうしてイスラエルでは簡単に値上げができるのかしら?
「最大手のメーカーが市場を独占してるとか、政府と癒着してどうこうとか・・・???」
すると友人は、大手独占もあるけれど、いくつかのメーカーが一斉に値上げするので、価格競争がきちんと機能していない、と。
「独占禁止法とか、ないの?」
もちろんあります。だから、実は違法なんだけど、現実としては、一斉値上げが起きてしまっている・・・。

そして、私たちの疑問はいつも、「誰が儲けているのか?」

企業=投資家

今回、イスラエルでキブツと呼ばれる小規模共同体(社会主義、共産主義的コミューン)を訪れました。
キブツでは、コルホーズ(ソフホーズ?)みたいな暮らしがまだまだ残っていますが、それでも近年は資本主義経済化が進み、共同体の中でも金銭のやり取りが増えてきている、とのことでした。
それから、前回のレポートでも書いた通り、チュニジアで共産主義のカップルに出会い、偶然にも、数日前にカリフォルニア大学の恩師から失業を懸念するメールが届きました。

カリフォルニア州の教育予算のカットが益々進み、臨時採用の講師が職を失ったので、そのしわ寄せで、正規雇用の先生の担当授業数が増えたらしい。
2004年ごろにも、こういう話を何度か聞きました。
大好きだった講師の先生が職を失い、長年小学校で教えてきた友人のお母さんが職を失い・・・。
(アメリカは、その間に富裕層と金融界を優遇し、軍事費で莫大な借金を作って、もう首が回らなくなりつつある。旅をしていると、ドルの信用が急落しているのが実感できます。ドルの両替には特別なコミッションが取られるって・・・、ただの紙切れ化してるじゃん!ドル!)
さらに、若者を中心とした失業率の高まりを、先生はメールの中で懸念しておられました。このタイミングで、こんなメールが突然送られてくるなんて・・。不思議。

そして、私たちの疑問はいつも、「誰が設けているのか?」

バフェット氏もついに、「儲けすぎた」と言い出しましたね。

今回の旅は、革命の取材だったわけでも、共産主義の取材だったわけでもないのですが、若者の失業や生活への不満、それと連動した抗議運動を次から次へと実感する旅になりました。
不思議・・・。そんなつもりは全然なかったのに。世界で起きていることが、点から線へと結びついてきてる感じ。

ここへ来て思い出すのが、東京電力の株主総会。
原発事故が起きて、株主が会社側を批判していましたが、毎年の総会で、これまでの電力会社の方針を決めてきたのは誰だったんだい?
東京電力(原発)のおかげで「誰が儲けてきたのか?」と、株主さんたちに問うてみたらよかったですね。

そして、このまま日本では、革命的抗議運動が起きることもなく、いろんなことがうやむやになっていくのかな、と。
メディア、政治、株主、企業が団子になったまま・・。
(現環境大臣(原発担当)に、去年、原発事故が起きる前にインタビューして、原発(推進)への思いを聞かせていただいた身としては、国民は政府にこの問題を任せないのが一番いいかと・・。もちろん、事故後は気持ちも変わったかもしれないけど。調整=経済界の意見を尊重、みたいな流れになるんじゃないかな?この件に関して、思うことは多いけれど、ブログには書ききれないから書かない。)

んで、たとえばこんなのとか:みんなで決めよう『原発』国民投票

独裁政権も、イラン革命のような宗教的保守化も、欧米主義も、どれも嫌だと言って革命を起こしたチュニジアの若者たち。
行き過ぎた資本主義、物価高に抵抗し、テントを張って抗議しつつも、だからと言って旧ソ連や中国文化大革命が示すような社会(共産)主義化を望んでいるわけでは全くないイスラエルの若者たち。

彼ら(彼女たち)が欲しているのは、20世紀的な文脈の中にある「主義」ではない、全く新しいバランス感覚を備えた社会のフォーマットなのだと思います。
そしてわたくし、おばちゃんは、彼らの思いに共感しています。それが、日本に現存する政党や大手既成メディアを、どれも特に支持しようと思わない理由です。どっちに転んでも、古い・・・。

抗議運動と選挙権、新しいメディア媒体の3つを使って、どうやって時代に合った新しい社会を手に入れるか・・、そこがキーポイント。
日本でも「嫌なものは、嫌!」と言える日がくるのかしら。 新しい攻め方をすれば・・・。

原発事故が起きる前の去年、「Beフラット」の取材で若手(中堅)議員18名にお会いしましたが、その時、徹底してクリーンエネルギーへの転換を訴えたは、櫛渕万里議員。
彼女の話は9割くらいクリーンエネルギーだった。クリーンエネルギーに関しては、一番熱かったです。
それから、日本が持つ省エネ技術を助成金(補助金)によって一般家庭や企業へ普及させ、エネルギー構造の転換を図ると語ったのは、小川淳也議員。
彼は、新築物件すべてに太陽光パネルの設置を強制する代わりに、政府から補助金をだし、それで儲かったメーカーからは特別な法人税をとって、それをまた補助金に回し・・・・とにかく普及を進めたい、と。そのくらい極端なことをやっていかないと、せっかく出来上がっている日本の省エネ技術は、普及が進まず、宝の持ち腐れになってしまうだろう、と。
二人の意見は、事故前、事故後、まったくブレていない。

いろいろ思うことはあるけれど、話が長くなってきたので、今日はもうこの辺で終わりにしましょう。

とりあえず、おばちゃんは元気です。体調も崩さず、けがもなく。
ではでは、ごきげんよう!

安希

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2件のコメント

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     櫛渕万里さんの選挙区に住んでいます。彼女がクリーンエネルギーへの転換を訴えているのは知りませんでした。
     国会議員を身近に感じることは少なく、彼女が何を主張しているかも知りませんでした。
     若者が社会に対する怒りを忘れた日本って、改革も変化も望めないように思います。
     次の報告楽しみにしています。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
     お元気に旅をお続けのようで何よりです。
     先日美希さんの仏画展に伺いました。精密で立派な作品に感じ入りました。地元での開催をお待ちした甲斐が
    あり嬉しく思いました。
    ブレず長いスパンで物事を成し遂げられる姉妹、お育てになったすばらしい
    お母様にもお目にかかれて感動でした。
     どうぞ健康安全第一でよい旅を。
    ご活躍期待しています。

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