年収750万円と212万円、あなただったらどっちを選ぶ?『N女の研究』いよいよ発売です。

皆さま、こんにちは。
約3年前にスタートしたプロジェクト『N女の研究』が、連載と大幅な加筆修正を経て、ついに書籍になりました。

外資系IT企業を渡り歩いてきた長年の親友が突然仕事を辞めて、「東北の復興支援やってる非営利団体に転職しようかと思って」と言い出した時のこと、今でもよく覚えています。びっくりしました。もちろん、昔からNPOもNGOも知っていたし、そういう業界があることは知っていましたが、まさか彼女が・・・という感じでした。正直、やめといた方がいいんじゃないかと思いましたね。だいたい、都内某地にあるアパートの家賃が払えなくなっちゃうじゃないか、と。それでも友人は転職し、そして私は『N女の研究』を連載すべく、非営利業界(主にNPO業界)について調べることになりました。

インタビューしたN女たちの約半分は、もともと「誰もが名前を知っている」大手企業からの転職組みで、30代で500万〜1000万円程度の年収があった人たちです。残り半分のN女たち(新卒、第二新卒を含む)も、高学歴で行動力があり、普通に就職していれば同じような高給取りになっていたことはほぼ間違いない人たちです。それなのに彼女たちは、20〜30代というキャリアの前半で、有給職員の給与の中央値が212万円という非営利セクターへの転職・就職を選びました。

私だったら、選ばないな。笑。

と当時は思ったし、今でも半分くらいはそう思っているのですが・・・

というところから、このプロジェクトはスタートしました。なぜ彼女たちは非営利業界を選んだのか?どんな仕事をしているのか?お給料はぶっちゃけどうなのか?そして、転職した私の友人は、その後どうなっちゃたのか・・・。

100時間を超える取材で見えてきたのは、日々進化するNPO業界と、ロールモデルのいない世界を手探りで進んでゆく新しいキャリアウーマンたちの姿でした。

非営利業界と一言に言っても本当に色々あって、登場するN女たちの約半分が、サラリーマンの平均年収程度の待遇で仕事をしていることが分かった反面、収益が極めてあげにくいジャンルというのもあり、そういう現場で奮闘しているN女たちの大変さ、それでも「やめよう」とは思わない理由、また状況次第では「辞めざるをえなくなるかも」という厳しい現実などが見えてきました。

それと同時に、彼女たちが去ることになった(あるいは、選ばなかった)一般企業の雇用文化についても、独身、子育て中、それぞれの立場に、複雑な想いがあることが分かってきました。

ちょっと変な言い方になるけれど、インタビュー中の相手の意見や体験談に、私自身が「巻き込まれた!」という感じでしたね。同じキャリアを持つ人間として、悩める30代の女として・・・。

NPO業界を取材するというのも、なかなかスリリングな体験だったと思います。アポを取るのが、本当に大変だったんです!笑。フリーランサーって、寂しい肩書きだなぁと、つくづく・・・。(ジャーナリストなりたい若者には、立派な名刺がもらえる大手企業への就職をお勧めします。フリーはやめとけ。笑)
出版直前まで本当にいろいろありまして、「出版差し止め」やら「反証(私は知らなかったんですが、訴訟を起こすぞっていうことだったらしいです)」なんて言葉まで出てきて、眠れぬ夜を過ごしました。法律家のアドバイスを仰いだのは今作品が初めてですが、ノンフィクションを書いていくって、はっきり言って、しんどいなって思いました。そろそろ私も転職活動を・・・笑。

そんなことで、最後の最後までいろいろあったプロジェクトですが、なんとか出版できることになりましたので、ぜひ、買って読んでください。

ではまた、ごきげんよう。
安希

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6件のコメント

  1. 「N女の研究」出版おめでとうございます。
    早速、地元密着ショッピングセンター内書店にて注文します。
    ネットなら、翌々日には手に入りますが、
    地方超弱小書店応援の意味を込めて、
    あえて、最近はひいき書店にて注文をしております。
    勿論、安希さん応援の意味も込めて。

    1. 早速ありがとうございます。
      地元の書店で注文していただけるのは本当に嬉しいです。
      お知らせの中に「できれば地元のひいき店で買ってくださね〜」って書こうか迷ったんですけれど、
      どこで買うかは読者の自由だしな・・・と思ってやめました。
      今回は版元も弱小なので、書店さん、書き手、版元、みんな感謝してます。笑。

  2. 海外に住んでおりなかなか入手できなそうです。電子書籍で自己出版されたりしますでしょうか?できればKoboで!

    1. お問い合わせありがとうございます。
      版元との契約上、自己出版は現段階では難しそうですが、出版社が電子化する可能性はあると思います。
      本当は、紙版と電子版が一緒に発売されると一番いいとは思うのですが、日本の出版社の場合、紙で先行発売する例が多いようです。

      そういう私も、今は香港に住んでいるので、まだ自分の本を手にしていないという状況です。
      電子版がないのは不便ですよね・・・。そのうちなんとかします!

  3. 中村 安希さま
    「N女の研究」を感動的に読ませていただきました。感想を含めて私のブログに載せさせていただいてもよろしいでしょうか。できれば今書き込んでいる書籍原稿にも入れ込みたいと考えております。
    私は旧世代(旧々世代かも)のN女なわけです。2年前にNPO法人女性と仕事研究所の代表理事を次世代に継承して、今は次の世代がNPOを職場として力を発揮できるようになるには、どうしたらいいのか、アメリカのNPOの何を取り入れるのか。考え込んでいるところです。どうぞよろしくお願いいたします

    1. 金谷さま

      こんにちは。コメントを寄せてくださりありがとうございました。また、拙著「N女の研究」にもお目通しいただき、重ねてお礼申し上げます。
      社会背景や時代の違いはありますが、旧世代あっての現役世代だと思います。N女も、彼女たちを取り巻く環境も、日々進化しつつありますが、そうした変化を温かく見守りつつ、後押ししていただけましたら、新世代N女たちにとっても心強いと思います。

      >感想を含めて私のブログに載せさせていただいてもよろしいでしょうか。できれば今書き込んでいる書籍原稿にも入れ込みたいと考えております。

      もちろんです!ご指摘ご批判も含め、自由な言論展開をお願いします!
      どうぞよろしくお願いします。

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