香港大学大学院留学レポート: お詫びと訂正

皆さま、こんにちは。安希@香港大学大学院からのレポートです。

前回アップしたレポートの内容に誤りがあるとのご指摘をいただきましたので、読者をミスリードする内容であったことをお詫びし、訂正させていただきます。以下、コメント全文。

耳の痛いところも多々ありますが、幾つか事実誤認があるようなので、その点だけは指摘しておきたいと思います。

まず、基本的なところで、JMSC=香港大学ではありません。ジャーナリズム・メディア研究センターは、大学の規模から言えば非常に小さなユニットであり、MJコースは、その小さなユニットの中の大学院課程の一プログラムに過ぎません。

規模から言えば、そもそも大学院自体が、学士課程に比べればかなり小さいわけで、そのわずか一部の、今年の状況だけを取り上げて、それを大学全体の取り組みと捉えるのは、かなり語弊があるのではないでしょうか。

大学全体で言えば、学生の半分を本土学生が占めているなどということは全くなく、当然のことながら、香港人の学生が圧倒的大多数です。学部、学科によっては全く大陸人学生がいないこともあります。

そもそも、現在の法律的枠組みの中では、香港では大陸本土からの学生も許可証(学生ビザ)が必要であり、その数は毎年制限されていますので、半分どころか、多くても全体の1割強程度だと思います。

話を戻します。MJコースは研究課程と違い、9ヶ月の実践コースですので、毎年毎年、応募者の履歴は、その年の景気や国際情勢(特に米ドルの為替レート、近隣国の就職(難)状況や大陸のメディアに対する規制の度合い)に、非常に左右されます。大陸の学生が半数を占める年もあれば、社会経験の長い欧米からの学生が4割を占める年もあり、また香港からの応募が全くないというような年もあり、一概に学生の全体像を捉えることはできません。

多様性を求めて学生を集めているという側面はありますが、実際には応募者の状況を踏まえた上で、毎年、そのバランスの取り方に頭を悩ませているというのが実情です。

それから、AP通信のスタイルですが、英字の報道メディアでは、基本的にこれが標準であり、各社の独自スタイルの土台となっています。

AP通信というのは、全米のテレビ、ラジオを含む報道機関が情報を共有する為の非営利団体(組合)であり、そのクライアントは日本を含め、ほぼ全世界の主要なメディア会社です。アジアにおいて英語で報道するという観点から言えば、基礎としてこれ以上の教材はなかなかありません。

英字メディアの就職、インターン試験などでは、筆記の段階で、素材を与えられた上で、それを元に90分以内にAPスタイルの記事を書いて提出するよう求められる、なんてことはよくあります。

もちろん、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語圏では、アメリカのメディアより独自色が強いですが、それでも、APスタイルの素養があれば、順応するのは楽です。

アメリカのジャーナリズム学部では、APのスタイルブックをひたすら一学期間学び続ける編集校正の教科なども存在します。もちろん、実際の授業が面白くて為になるかどうかは、教える側の力量にもよりますが。

最後に、報道倫理と法律ですが、メディア関連の法(著作権、報道・表現の自由、名誉毀損、プライバシー、等々)だけに限定して言えば、少なくとも現場で仕事をしているジャーナリストにとって、判例法と大陸法に大きな違いはないと思います。どちらを学び、どこの国で仕事をすることになっても、必ず何らかの形で役に立つと思います。

逆に言えば、より重要なのは、法律そのものよりも、現実に法がどのように適用され、それがどのように報道に影響を与えているているのかという、文化的、政治的側面の理解であり、その観点から言えば、どこの国の事例であっても、それをもとに、「もし自分の国で同じようなことが起こったら」という観点から、他国の人間と議論を進めることは、勝つとか負けるとかではなく、意見の交換そのものが有意義だと思います。教える側からすれば、生徒の積極性に頼ることになり、言葉、法律用語の知識などの問題もあり、難しいことは否めませんが。

コメントありがとうございました。ご指摘いただいた点のうち、今回は、学生数の統計と出身地域に関する誤り(青字か所)についてご説明させていただきます。

まず、私のレポートが誤解を生む結果となった一番の理由は、本ブログの立ち位置を明記していなかった点、つまりは「大学院でジャーナリズムを学ぶ一個人の日記である」という点を明確にしていなかった点にあったと思います。「香港大学留学レポート」という紛らわしいタイトルや、本文中での「学生」という記述によって、読者に「香港大学を総合的に論じた内容」との印象を与え、ミスリードしてしまいました。

きちんとご説明させていただきますと、本ブログ内の「留学レポート」は、9月1日更新の2本目の留学レポートに記した以下の文章を前提として進めてきたものでした。

授業はこれからですが、とりあえずオリエンテーションに行ってきた感じとしては、中国本土からの学生が多いなと。半分が中国本土からの学生で、4分の1が香港出身の学生、残りの4分の1が留学生なんだそうです。要するに、75%は中国系ですね。もちろん、そういう環境を望んでこの大学を選んだので、おばちゃんとしては、中国系の学生さんとたくさん知り合いになれて嬉しいです。

*ちなみにこの50:25:25という数字は、オリエンテーション後の学部の飲み会の時に、参加していたTAに教えてもらいました。オリエンテーション、飲み会を通じて、知り合ったアジア人院生がほぼ全員(台湾人一人を除く)本土出身者だったため、香港出身者はいないのかもしれないと思いつつTAと話し始めたところ、TA自身は香港の方で、「本土からの学生が増加傾向にあることや、そのために近年では本土生が50%を超えないような措置が講じられていること」などを話してくれました。ただし、あくまでもこの数字は、香港大学の全てを表したものではありません。

従って、今回より「香港大学大学院留学レポート」とタイトルを改め、本文中では、学生=学士課程の学部生、院生=修士・博士課程の大学院生、と記述を使い分けていくことにします。その上で、個人ブログ「安希のレポート」に書かれている内容は、あくまでも「今年ジャーナリズムを学ぶことになった大学院生、中村安希の、個人的な体験に基づく日々の雑感」として読んでいただければと思います。

また、学校の状況についてまったくの説明不足なままでブログを書き始めてしまったため、学校外部の読者にはわかりづらい内容となってしまったこと、申し訳なく思っています。ですのでここで、コメントに書かれている内容について、もう少しだけ補足し説明させていただきます。

まず、基本的なところで、JMSC=香港大学ではありません。ジャーナリズム・メディア研究センターは、大学の規模から言えば非常に小さなユニットであり、MJコースは、その小さなユニットの中の大学院課程の一プログラムに過ぎません。

まず、JMSCとは、現在私が所属している「Journalism and Media Studies Centre」、私がジャーナリズム学科と呼んでいる研究センターのことです(ただ、私は初歩的な内容を学んでいるだけなので、実際にどんな研究をしているのかは知りません)。ジャーナリズム学科自体は、大した歴史もなく、例えばアジアでトップと言われる香港大学の法学部などと比較すると、かなりマイナーで小規模なユニットであることは、ご指摘の通りだと思います。

規模から言えば、そもそも大学院自体が、学士課程に比べればかなり小さいわけで、そのわずか一部の、今年の状況だけを取り上げて、それを大学全体の取り組みと捉えるのは、かなり語弊があるのではないでしょうか。

本ブログが「大学全体の取り組み」を論じたものでないことは、上述の通りです。また、大学院が学士課程に比べて小さいという点については、統計の見方にもよりますが間違ってはいないと思います。

香港大学が出している現時点での最新のデータ「Quickstats2015」によると、全ての在学生(Student Enrollment)数27,933名のうち、学士課程の学生が16,187名と全体の約58%を占めています。ただし、院生も42%いるわけですから、「大学院自体が、学士課程に比べてかなり小さい」と言えるかというと、必ずしもそうではないと思います。
また、入学者数/卒業生数では学部生より院生の方が多くなっています。それでも在学生のトータルで学部生の方が多くなるのは、1〜2年で卒業する修士院生に対し、学部生が4年間在籍することも関係していると思われます。ですので、確かにキャンパスだけを見れば学部生の方が多いけれど、卒業生の数では院生の方が多いとも言えるので、何を基準とするかで見方は違ってくるように思います。もちろん、年度によっては院生が全然いない年もあるかもしれませんので、あくまで2014/15年度はそうだった、という理解でお願いします。

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またジャーナリズム学科が置かれている社会学部の統計では、学士課程1500人に対し、院生も1420人いることがわかりました。私自身、大学院生をしていて、あまりマイノリティー感が感じられないのは、社会学部が比較的多めに院生をとっているからなのかもしれません。ただ、こちらもあくまで現時点におけるデータである点は強調しておきたいと思います。

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次に、学生の出身地域について少し補足しておこうと思います。

大学全体で言えば、学生の半分を本土学生が占めているなどということは全くなく、当然のことながら、香港人の学生が圧倒的大多数です。学部、学科によっては全く大陸人学生がいないこともあります。

そもそも、現在の法律的枠組みの中では、香港では大陸本土からの学生も許可証(学生ビザ)が必要であり、その数は毎年制限されていますので、半分どころか、多くても全体の1割強程度だと思います。

上に提示した「Quickstats2015」を見る限り、大学全体では、香港出身の学生・院生が全体の65.2%(香港外の学生34.8%) と、多数を占めていることがわかります。新入生や卒業生の統計でも、それぞれ香港外からの学生・院生は39.7%と40.7%にとどまっており、そのことからも、学生・院生の半分以上が香港の地元出身者であることはご指摘いただいた通りです。

ただし、私が本ブログで書いている大学院の状況になってきますと、香港外の院生、さらに中国本土からの院生が占める割合もかなり高くなります。

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学士課程に限れば、香港外部生が占める割合はわずか23.7%であり、中国本土からの学生数も12%程度です。

一方で、院生のうち修士課程の場合では、香港外部生の割合が42.4% となり、また中国本土からの院生の割合も29%となります。
(そのことから、現在のジャーナリズム学科の修士課程は、他の科や年度に比べると本土生の割合が多い科・年度と言えます)
さらに博士課程となると、香港外部からの院生が72.2%と多数派となり、また中国本土からの院生が57.9%と、半数を超えてきます。

ちなみに、学士課程から博士課程までを含む大学全体では、中国本土からの学生・院生の割合は22.3%、つまり2割強です。

最後に、JMSCの状況について、私に分かる範囲でお伝えしておきます。
大学院に応募するにあたって、以前JMSCのサイト内にあるMJ(ジャーナリズム学科の修士課程)入学者(卒業生?)の出身地域にざっと目を通したことがあるのですが、2010~2015年の統計では、本土の学生が194名、香港の学生が73名、その他の学生が確か145名ぐらいだったと記憶しています。(なぜか今、サイトが工事中になっていて、正確なデータが取れなくなってしまったのですが・・・)ですので、2016年度の院生(80名程度)をここへ50:25:25の比率で割り振って(40名:20名:20名)計算し直しますと、234名:93名:165名となり、2010〜2016年までの過去6年間のおおよその平均値(%)は、中国本土からの院生が47.5%で、次に留学生33.5%が続き、香港の院生は18.9%とマイノリティーであることが分かりました。

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以上をもちまして、誤解を生む内容が含まれていた点をお詫びし、ブログ管理者からの説明および訂正とさせていただきます。コメントをいただき、ありがとうございました。

ではまた、ごきげんよう。

安希

 

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