160.ややこしくって (ボルジョミ) ロシア語?それとも英語?カフカスの小さな3国も、いろいろあるようでして・・・。

以下のレポートは4月8日に書いたものですが、季節はずれ大雪、猛吹雪、停電、ネットなし、歩いて移動・・・などの影響で、ブログへのUPが遅れました。本日午後、モスクワ経由のフライトで日本へ戻ります。

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皆さま、こんばんは。

安希@アルメニアを抜けてグルジアに入国して3日目。
アルメニアは悪天候が続き、凍える雪山生活でしたが、食べ物と人に恵まれて素晴らしい時間を過ごすことができました。
そして隣国のグルジア。

今朝、首都トビリシから南西部の街へ移動し、民家に泊まっています。
年季の入った鉄製ストーブの中で、薪がパチパチ音を立てて燃えていますが、燃え尽きて再び部屋が寒くならないうちにレポートを書き終え、
ベッドにもぐりこみたいと思います

■ややこしい三国関係

グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンという三つの小国が集まるカフカス。
旧ソ連の国であり、グルジアとアルメニアがキリスト教、アゼルバイシャンやお隣のトルコはイスラム教です。
さらに、アルメニアやグルジア、その上のロシアとの間には、小さな自治区がいろいろとあって、そこを国として認めるか認めないかを巡り、各国が対立しています。
よく耳にするのが南オセチアやチェチェン。それ以外にも細かいグレーゾーンが多く、この一帯はかなり入り組んでいます。

例えば、アルメニアのビザや入国スタンプがパスポートについていると、アゼルバイジャンへの入国は不可能になる可能性が高い。
それ以外にも、アゼルバイジャンが領有権を主張している地域のスタンプなんかが押されてしまうと(独立を認めたことになるから)、入国できなくなります。

アルメニア側の入国管理は、比較的ゆるくて、アゼルバイジャンのスタンプがあっても大丈夫なようですが、
アルメニアの人たちの前でアゼルバイジャンの話をしたり、アゼルバイジャンへ行きたいなどとは言わないほうがいい、というややこしさがあります。

さらに、アルメニアとトルコの関係も歴史的な対立があってややこしく、隣国同士でありながら陸路で国境を越えられません。
(トルコから来るにはグルジアからぐるっと回らないといけない面倒くささ・・)
ただ、アルメニアを旅行中は、グルジアの話もロシアの話も自由にすることができて、お人よしのロシア語圏、との印象がありました。
ところが、グルジアへ来て、また少し空気が変わった気がするのです。

■英語を話すお母さん

今日、たまたま泊めてもらうことになった民家のお母さんは、片言の英語を話します。
アルメニアでは、年配の人はアルメニア語かロシア語だけだったので、57歳(ソ連崩壊前世代)のお母さんが英語を知っている事実に驚きました。
そして、キッチンで話をしているうちに、お母さんがロシア語に対して否定的な感情を持っていることが分かり始め、
そう言えば、って思い出したのが、2008年の北京オリンピック中に起きた、ロシア軍のグルジア侵攻です。

お母さんの発言からは、ソビエト連邦時代の政策やロシア語教育などが、彼女たちにとっては〝ソビエト加盟”ではなく〝ロシアによる植民地化”のような歴史として捉えられていることが伝わってきます。
大国ロシアと隣接している分、グルジアの方がピリピリした雰囲気があって、アルメニアのことも〝グルジアに比べると教養のない国”、アゼルバイジャンに限っては〝カネに目がくらんだ狂った国”、
だと説明しています。もちろんロシアに対する抵抗感はとても強い。
民族と領土を巡る緊張感の高さが伝わってきます。

それから、アルメニアからグルジアにかけての地域にいるアメリカ人の多さにも驚きました。
と言ってもアメリカの旅行者がいるのではなく、アメリカの平和維持部隊(ピースコー)や英語の先生とやらが大量にいます。
これはもしかすると、対ロシア政策の一環なのでしょうか?
(アフガニスタンの別バージョンみたいな?)

ロシアの影響がある場所には、必ずアメリカが現れる。
イスラム教の隣には、必ずキリスト教がいる。
資源が眠る地域には、必ず紛争が訪れる。

この地域に戻ってくると、やっぱり冷戦の影響の方が、宗教紛争よりも世界を混乱させているかも?と、思ってしまいますね。
日本で生活していると、ついつい忘れがちになるけれど・・・、対立の火種は世界中にあるのよねぇ・・・まったく。

とは言え、まだ三日しか経っていないし、たまたま英語を話す人に多く出会っているだけかもしれません。
明日からは、山の中の村々へぐんぐん、ずんずん、入っていこうと思います。
そうしたらきっとまた、グルジアの別の側面も見えてくるでしょう。たぶん。

では今夜はこの辺で。
薪の音が消えてる~、廊下から冷気が~。

ごきげんよう。

安希

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