139.オバマを見る目(世界) アフガン増派がいよいよ本格化。そんなオバマ大統領について、スーダンの兄ちゃんはこんなことを言っていたなぁ・・。

一般読者の皆様へ

皆様、こんにちは。
安希@じっとしているって、ある意味すごく疲労が溜ります。少々散歩する程度では体がなまって大変です。
きっと人間もマグロと同じで、前進するのを止めた時に窒息(?)するのだと思います。そこで今日は「なわとび」を購入しました。明日から、ぴょんぴょん跳びます。どうも。

今日は医療フォーラムのレポートではありませんが、オバマ大統領がアフガンへ30000人の増派を決めたことを受けて少しだけ書くことにしました。
書くと言っても、政治問題についてではなくて、どちらかというと報道問題や意識のズレについて。

■オバマが世界を救う!?

昨年の今頃は、リーマンショックの直後でした。世界恐慌だ株価暴落だ何だと大騒ぎの中、唯一の明るい話題としてアメリカの大統領選挙が注目を集めていました。
オバマかマケインかというチョイスなら、私は個人にはオバマでしたが、オバマの選挙が加熱していくにつれて、天の邪鬼のおばちゃんなんかは、世間とは逆に、ほどよく冷めていきました。

そして当時感じていた二つの違和感。

一つ目が、アフガン増派の件。
イラク問題をアフガン問題にすり替えて、米国内のタカ派の反発を和らげる作戦は、もちろん選挙に勝たなくちゃいけない人だから仕方無いけれど、そういう問題を抱えている米国の新しいリーダーを、全面的に熱狂的に支持し、期待を寄せるのはどうなのかしら?というひっかかりがありました。
熱狂するの自由だけれど、現実問題として、アフガン増派を宣言して当選したあと、大統領は後々苦労するだろうな~。大変だろうな~。単純には喜んでいられないな~。と。
二つ目は、「世界がアメリカの新大統領に多大な期待を寄せている!」というイメージにそって米大統領選が報道されたこと。
そもそも、オバマ大統領はアメリカの大統領であって、世界の大統領じゃないし、クリスチャンであって、全世界共通の神じゃないわけだし。混血というのは興味深かったけど、世界の全ての民族を代表してるわけでもなんでもないし・・・と思っていました。

要するに、オバマがアメリカの大統領であることは、マケインやブッシュよりはずっといいと思ったけれど、だからと言って世界が熱狂するのは変だと思っていたのでした。
特に日本は異常なくらい熱狂しましたし、欧米やアフリカ(ケニアの農村)が熱狂する様子などが報道されていましたが、違和感はありましたね。
そもそも、アメリカ国内の保守派の友達なんかは、「オバマ当選で、この世は終わりだ!」と言っていたわけで、もちろんそういう人だってアメリカ国内にはい~っぱいいましたし、今でもいます。

さて、そんなことで、今夏、中東からアラブへ再び旅行をしたおばちゃんは、ヨルダン、エジプト、スーダンあたりの皆さんに聞いてみました。
「オバマをどう思う?」と。
テレビで放送されていたように、人々がオバマに期待し、中東問題が解決し、宗教問題や人種間格差など世界の様々な問題が解決されていくというイメージをもって、本当に希望を感じているのかどうか?という点を知りたかったわけです。

はたして結果はというと:

社会的地位の違いや地域によって、考え方はいろいろあるなと思いましたが、高い役職にいるようなインテリの人たちは「オバマに自らの姿を重ねるかのように、オバマ絶賛の人がいたなぁ」という印象。
逆に、貧乏でもなくインテリでもなく、普通の地域住民は、案外冷めているという印象でした。
彼らが一番重要視していること、それは「オバマがイスラム社会と欧米社会に友好関係をもたらすことではなくて、圧倒的にパレスチナ問題への怒り」でした。
まあ、確かにそうよね。
大統領選がどうのとかって言う前に、同じく昨年末に起きたイスラエル軍によるガザ侵攻とそれを止めなかったアメリカをはじめとする国際社会への猛烈な怒りが、全然冷めていない。という状況だったと思います。

彼らは過激な発言もなく、淡々と話しました。(エジプトやスーダンの一般庶民)
「アメリカの大統領にオバマが就任したことは良かったと思うよ。彼は、アメリカ国民のためにたくさんの良い政策を打ち出すだろうし、現在の経済問題の解決のために彼の知恵を使うだろう。それはアメリカの人たちにとって素晴らしいことで、良かったと思う。
けれど、だからと言って、僕たちが彼に何かを期待しているわけではまったくない。彼は、アメリカの大統領だ。彼はアメリカを良くする能力があり、その権利を手に入れたのであって、彼に世界を良くする(チェンジする)能力があるわけでもなく、そしてその『権利』もない。」と。
「お兄さん、あなた冷静ね~。」と、おばちゃんは、ある意味感心すらして話を聞いていました。うんうん確かに、彼に世界を変える「権利」があるわけではないのよね。ちなみに国連の総長は、オバマではなくパン。

大統領選挙の熱狂の中で、世界の(日本の)報道はあたかも「オバマ当選=世界の救済」のようなとらえ方をし、またアメリカ国民は、「世界に誇れるオバマを選んだこと=ブッシュ時代を一掃した=問題解決!」のような喜びようでしたが、そんなものではありません。
ブッシュ時代にアメリカが選択したすべての行為に対し、アメリカは責任を負わなければならず(イラク、アフガン、パレスチナなど)、そしてオバマ一人で解決できるほど世界の問題は単純ではありません。大統領を正しく選びなおせば、過去の失敗の責任を逃れられるわけではないのです。(ところで今、イラクはどうなってるの?)
たぶん、そのことが一番冷静にわかっているのが、スーダンやエジプトでお茶を飲みながらボケーっと話をしてくれた、お兄ちゃんたちなのかもしれません。

■ノーベル平和賞

さて今年、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞して、その「意味」については本人も世界も分かっていると思いますが、その際の日本の報道が若干気になりました。
今夏、イスラム圏の人たちと話をして、彼らの冷静(というか冷めた)ムードを感じていたおばちゃんは、ノーベル平和賞受賞を受けてコメントするイスラム圏の人々の声の中に、「我々には関係のないこと」という冷めた発言が含まれて当然だろうと思いつつテレビを見ていました。
が、結果は少し違っていました。
もちろん「オバマの平和への貢献や功績」を称える人はいませんでしたが(まだ何もしてないから)、少なくともコメントの内容はすべて「今後に期待する」という肯定的なもの、希望観測に満ちたものでした。

「…マジで?」と思ったのは、おばちゃんだけだったのでしょうか?
少なくとも、スーダンやエジプトで話をしてくれた人たちは、今回の受賞を受けて「オバマが平和を実現する」という期待を安易に抱くこともなく、淡々としていたのではないかと思います。

ただ、もしかするとノーベル平和賞を誰かがとった時(特にオバマのような人柄の良さそうな人物がとった時)には、賞が人々に希望を与えるようなイメージを持って報道する決まりなのかもしれません。(本当かどうかは知りませんが。)

それから、アメリカの友人たち(大学時代の友人でリベラル派になる人たち)の中に、意外と興味深いコメントがありました。
「自分たちの選んだ、現役の大統領がノーベル平和賞を受賞して、とても感動したし、この出来事を祝いたいと思う。けれど、その一方でノーベル平和賞というものの意味を疑う気持ちもある。ガンジーはノーベル平和賞を受賞していない。ヒトラーはノーベル平和賞の候補になったことがある。そして今回オバマ大統領が受賞して、平和賞って結局何なのかしら?と思う。もちろん、受賞って聞くと何か喜ばしいもののように感じるけれど・・・。」
彼女の言いたかったこと、なんとなく分かる気がします。

■単純明快な日本

大統領選の際には、まるで自分たちの大統領を選ぶかのように大熱狂し、ノーベル平和賞に対しては、今後への期待感を膨らませた日本の報道。
そして、小浜市がなぜか有名になった不思議な国。騒ぐのであれば、日本の総理大臣をネタに騒ぎましょうよ。オバマは他国の大統領なのだから・・・。

小浜市に関しては、アメリカの友人は何も知らないでしょうけれど、日本の情報がたくさん流れていくアジア圏の友人には笑われました。
できれば、ああいうネタは海外には流さないように気をつけて欲しかったですね。だって、国外の人にバカにされて、おばちゃんだって恥ずかしいもの・・・。

オバマ当選に熱狂するケニアの村落(オバマの父の故郷)の映像が何度も繰り返し流された日から約一年がたって、いよいよアフガン増派が本格化します。オバマは(個人的には)憎めないキャラだけど、アメリカ国内に山積された問題の解決やら、国内での支持率維持のために、これからも忙殺されるでしょう。かわいそうに・・・。
そしてこれから、日本のテレビは何を報道していくのでしょうか?

政治のことはよく分からないけれど、アフガン問題を解決したいなら、タリバンやアルカイ-ダを「支援する」というような発想が最後には必要になると思います。
タリバンやアルカイ-ダの情熱と執念は、「彼らの国」作りに生かしたほうがいいかもしれない。せん滅するのではなくて・・・。

ではまた、ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

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    はじめまして
    ノーベル平和賞を受賞した大統領が「正しい戦争はある」という旨を発言していることには違和感を覚えます。
    日本人は戦争をすることはいけないことだと教えられて育っています。これは立場の違いや宗教の違いが原因なのかな~

    そういう当たり前の道徳も国際社会の雰囲気とはズレているのでょうか?と思いました。

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