138.葬儀屋へいらっしゃい(キートマンズフープ) アフリカのリゾート、ナミビア。豪華クルーザーにダイヤモンド。そして酒屋と・・葬儀屋と・・・。

アジア・パシフィック医療改革フォーラム メール会員の皆様

皆様、おはようございます。
安希@11月にしては暖かい日本から。個人的には、暑いよりは断然寒いほうがいいけれど、ちょうどこれくらいの気候が一番いいですね。
けれど、そろそろレポートも書きたいし、日本で心地よくゴロゴロしていてもブログは進展しないし・・・ということで今は、「2010年、逃亡先リスト」を作成中。あれこれ妄想中です。

で、国内にいるのであまり書くことがなく、レポートらしいレポートを書いていないのですが、ナミビアの話が少し残っていたと思うので、それを片づけることにしました。
題名は「葬儀場へいらっしゃい」ということで、だいたいどんな話かは想像がつくかもしれませんね。
ここ最近書いてきた、南部アフリカのジンバブエ、ボツワナでも、近代化の進むこのエリアでの「高い死亡率」については、少し触れてきました。

暗い話は今回で最後。という気持ちで、けれどナミビアで感じた何とも言えない快適さと違和感だけ、手短に書き記しておこうと思います。どうぞよろしく。

■豪華クルーザーの上でシャンパンを!

ナミビアがどんな国かと言うと、お金持ちの南部アフリカ地域の中でも、ものすごく豊かな国です。スーパーリゾートの国。
なんたって、ダイアモンドはザックザック採れるし、世界で最も美しいと言われるナミブ砂漠があり、希少価値の高い動植物も多数生息。
大西洋沿岸は、よく肥えた美しい海が広がり、海産資源にも恵まれています。そしてポイントは、人口が少ないこと。
つまり、とても豊な国家資源を少人数で分け合える、おいし~い国なのです。

ナミビアの街は、ヨーロッパやアメリカによくありそうな近代西洋風の町並みで、大型スーパーやおしゃれなレストラン、ファストフード店が立ち並んでいます。
もう少しリゾートチックな住宅地へ入っていくと、広い敷地に西洋風のお家が立ち並び、芝生の上に、毛並みのよろしいワンちゃんなんかがおります。
だけど、人口が本当に少ないというか、あまり人を見かけない、恐ろしく静かな場所でもありました。

確かに、ボツワナからの激しい体調不良に苦しんでいたおばちゃんにとっては、ありがたい場所です。
静かで、快適で、ホットシャワーがあって、いざとなれば真っ当な病院にも行けるし、療養するには最適の場所でした。

それにしても、何とも退屈。芝生のお庭のベンチに座って、ぼけ~っと日向ぼっこをしていたおばちゃんは、せっかく世界屈指のリゾートに来ているわけだし、ここは散財してイルカでも見に行こうと決めました。
さて、ツアーに参加してきた欧米人の裕福なカップルや家族連れに交じって、おばちゃんはまず、豪華なクルーザーに乗り込みました。
すると、あら~、ペリカンの群れが飛んできましたよ~。

そして、ガイドの説明を聞きながら、美しい海を漂うと、ほら~イルカが~。
観光客のみなさんは、自慢のニコンやキャノンやペンタックスの一眼レフで写真をぱちぱち~っと撮りました~。
ついにお昼の時間がやって来ると、ガンドさんがシャンパンを開けて、グラスに入れてくれました。
後は、生ガキを食べながら、ゆったりと・・・。
バックパッキングおばちゃんの旅では、絶対にありえなかったゴージャスなひと時でした。
が、正直、何か満たされないのよねぇ。動物も生ガキも良かったんだけど・・・、何だろう、雑踏の小汚~いチビ屋台で、地元の人とおバカなことを言い合っているほうが、私の性に合っているんでしょうね。

それにしても、ナミビアらしい観光でした。

つまり、ナミビアはインフラが整っていて、乗り物もほとんどがピカピカ。他のアフリカ諸国のように、中古車を改造してぎゅうぎゅう詰めで乗り合いをするようなことはありません。
車内の冷房はあたりまえ、西洋のPOPソングがスピーカーから心地よく流れ、みんなシートベルトも着用。の国なのです。
素敵な住宅街で高級バスを待っていると、地元の(白人もいるけれど、ほとんど黒人)の若いカップルと坊やがやってきました。
彼らの服の、まあお金のかかっていること!ビビりましたね。子供も、ヨーロッパなんかのブランドの服で、全身完璧なファッションコーディネートがされていました。
他の人たちも、生活水準は極めて高く、たまにいる貧乏人と言えば、我々バックパッカーか、地元の(人種を問わず)ホームレスになってしまったマリファナやお酒の匂いがぷんぷんする皆さんぐらいでした。

あとは、いわゆる「族」に入っている人たち。
有名なのは、裸族のヒンバ族などになるわけですが、彼らはやっぱり「裸」のままで、お土産物なんかを売っていました。
まあ、彼らは別に貧しそうではなかったですが、ああいう西洋風リゾートで裸族が群れになって土産物を売る姿というのは、なんとも言えない光景でした。
以前知り合ったサイクリストの人は、自転車で道を走っていると、ヒンバの女性たちがオッパイ振り乱して「マネ~!!!」と叫びながら追いかけてきた。怖かった~。と話されていました。
まあ、そんな感じの国ですね。

■キートマンズフープの謎

ところで、そんな穏やかなリゾートの街の小奇麗な一室を、私はアメリカ人とスペイン人の旅行者とシェアする形で滞在しておりました。
みんな、退屈をいかにしのげばよいのかに頭を悩ませつつ、けれどそれぞれ話の面白い人たちだったので、「退屈ネタ」「自虐ネタ」で随分盛り上がっていたのですが、ある時、スペイン人のミュージシャンがこう言いました。

「ナミビアは美しい自然に恵まれ、快適で、素敵な国だけど、音楽がなくて退屈だね。それに街が閑散としていて、な~んにもなくて、殺風景でさびしい感じもする。
例えば、僕は南アフリカからここへ北上してくる途中に、キートマンズフープへ立ち寄ったんだけど、そこで何を見たと思う?」
キートマンズフープというのは、南アフリカとナミビアを結ぶ中継点の街で、ガソリンスタンドを除けば何もない街、と聞いていました。
私も南アフリカへ行く道中で通過予定でしたが、バスを降りるつもりはもちろんありませんでした。そこでこう言いました。
「どうしてキートマンなんかでバスを降りたの?あそこはガソリンスタンド以外はな~んにもないんでしょ??」
「うん。な~んにも無いと聞いていたから冗談半分でバスを降りてあの街でしばらく過ごしてみたんだよ。そしたら、もちろん君の言う通り、ガソリンスタンドがあった。あと、リッカーショップ(酒屋)がたくさんあった。それからもう一つ、何があったか分かる?」
「そもそも、あの街にリッカーショップがあるってことは、人が住んでるってことなの?」
「うん。人ももちろんいるよ。だけど、あの街には3つの物しかない。ガスステ、酒屋、それから最後の一つが葬儀屋だ。なんとも異常な組み合わせだと思わない?」

そこで私は、ジンバブエで見た光景を思い出しました。
確かにあの国でも、葬儀屋(Funeral Service)をやたらと目にしたな~と。

スペイン人の彼曰く、
「僕も、あの何もないキートマンへ行って葬儀屋を見て、ああ、そうだって思ったんだよ。この辺りはHIV感染率が世界でも一番高い地域で、見た感じは豊かな先進国の様だけど、実際は本当に多くの人が病気で命を落としてるんだってね。」

ボツワナのオッパイの話ではないですが、完璧に作られた快適の町で、人々はガソリンを満たし、酒を買い、そして葬儀屋の世話になっている。
平均寿命45歳程度の豊な国、ナミビア。このことをどう解釈すればよいのでしょうか?
見た目の豊かさの向こうに、どんな現実があるのでしょうか?

確かに快適だけれど・・・。

そして、私は高速夜行バスに乗り込み、南アフリカのケープタウンへと下って行きました。
キートマンでバスはいったん停車して休憩しましたが、ガソリンスタンドの売店には、まずそうなソーセージパイの他は、チップス類のジャンクフードとソフトドリンクばかりでした。
約30時間後、南アのケープタウンへ着くまでの道中、私に買う事ができた食べ物はファストフードだけ。そればかりずっと食べ続けるのは本当に辛いです。アフリカンの料理、トウモロコシ、バナナ、何でもいいから体に良くて安いものが食べたいと思いました。
バスに乗る前に、アメリカ人の女性が手渡してくれたリンゴのありがたさを、心底かみしめた道中でした。(本当に、みんなどうしてハンバーガーやスナックばっかり食べていられるのかしら・・・)

以上、ナミビアレポートでした。
平均寿命の低さ=国家の貧しさ、ではありません。そのことは確かだと思います。
さて、お葬式の話は、もうこれでお終い。次はもっと楽しい話題で!

ではまた、ごきげんよう。

安希

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2件のコメント

  1. SECRET: 1
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    こんにちは、ついに最後まで読ませていただきました。
    「インパラの朝」を一気に読んで、もっと知りたくなったアキさんの旅でしたので、毎日少しづつ楽しませてもらいました。
    立派な本1冊分、無料で読ませていただいたことになりますね。
    お礼が言いたくなって・・「ありがとうございました」

  2. SECRET: 0
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    ナミビアを旅しています。ナミビアについて調べようとしたら貴方のブログにたどりつきました。
    まだ、この記事にしか拝見していませんが、疑問が多々残りました。

    現地の目をさらに掘り下げていくと、ナミビアはそこまで豊かな国とは思えません。
    豊かなのはほんの数%にしかいない白人です。

    >ナミビアはインフラが整っていて、乗り物もほとんどがピカピカ。他のアフリカ諸国のように、中古車を改造してぎゅうぎゅう詰めで乗り合いをするようなことはありません。
    >車内の冷房はあたりまえ、西洋のPOPソングがスピーカーから心地よく流れ、みんなシートベルトも着用。の国なのです。

    どんな車をチャーターしたのか気になりますね。そのような姿は見受けられませんでした。

    治安も悪いです黒人が豊かになって初めて豊かな国というはずですが、資源を摂取してるのはすべて白人です。

    ヒンバ族もそうで、彼らの村にいかれましたか?彼ら何をやってたかしっていますか?

    貴方のような旅では、おそらくなにもわからないはずです。

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