133.アフリカの中国人「後編」(マシンゴ) 中国人技師にくっついて、電波塔の点検に出かけたおばちゃん。携帯電話が繋がるのはいいことだけど・・・。

アジア・パシフィック医療改革フォーラム メール会員の皆様

皆様、こんにちは。
安希@日本に居ますが、ちょっと退屈し始めた今日この頃。
知りたい世界、会ってみたい人、活動してみた事がまだまだ沢山あって、日本でじっとしていると世界のことが気になってしょうがないです。
ただし、前回のボツワナのような苦しい国境越えにもう一度耐える気力は今のところないので、とにかく頑丈な体作りが先です。

というわけで、忙しく動き回っている方が調子も出てくる私ですが、大人しく日本にいるせっかくの時間を利用して、はいはい・・ブログ書きます。

ジンバブエの中国人技師たちとの珍道中、後編が残ったままでした。失礼しました。

■ナイトクラブデビュー

さて、立派な手作り中華料理を食べ終えると、中国人の青年(26歳)が言いました。
「今からどこかへ遊びに行きましょう。どこへ行きますか?」
ジンバブエの夜は治安もあまり良くないし、経済状態もはっきりとは分らないけれど、もしもどこかでライブでもやっているのなら行きたいわねぇ、と思いました。
彼らは、車も運転手もついているわけだし、どこへでも遊びに行けるけれど、肝心のどこへ遊びに行けばいいのかが分らないようでした。つまり、地元の人たちが行くような娯楽に触れたことがないらしい。

「僕たちもクラブへ行ってみたいが、一度も行ったことがない。せっかく日本人の君が一緒なので、この機会にクラブへ行ってみようと思う!」
彼らは大張りきり。そうねぇ、車があれば夜の街も安全だし、せっかくだから遊びましょう。
と言うわけで、彼らのナイトクラブデビューに付き添って、遊びに出かけました。

で、経済崩壊のハラレの夜ですが・・・、道路に人気はなく、どこもシャッターを下ろして静まり返っているのは、アフリカの治安の悪い都市の特徴。うんうん、不気味。
けれど、一度クラブの中へ入ると、うお~!なんじゃこれは~!という、前回の訪問時を上回る騒ぎよう、はじけちゃってるじゃんかぁ~!

普通のクラブの感じではなく、もう、本当にはじけちゃってぶっとんじゃってました。おそらく、かなりのアルコールと薬が入っていると思われる。
(経済状況のきわめて悪い国の特徴として、ジンバブエのアルコールと麻薬汚染はかなり深刻化してきた印象でした。失業率が高すぎて、酒を飲んだり麻薬を密売する以外、やることがない人々)

そして面白かったのが、中国人技師君たちの社交。彼らはクラブに堂々と入っていくと、手当たりしだいに握手を交わし、堂々と挨拶。それだけ。
あれ、踊るんじゃないの~?飲まないの~?
クラブのジンバブエ人たちも楽しそうに近づいて来て、彼らや私とがっちり握手し、「ニーハオ!」を連発。お互いに肩を叩きあい、「China Good!China Best!」と、うけもいい・・・。
何だこれは~、しかもわたくしは「ニーハオ」じゃないのに、すっかり間違われて悲しいわね~でもまあいっか。

郷に入っては郷に謙虚~に、おとなし~く従う日本人は、ナイトクラブへ行けば、普通に周りと同じように踊ります。英語で話もします。
けれど、中国の彼らは、中国語で握手をします。めちゃめちゃ堂々と。しかも、その堂々ぶりがとても好意的に受け入れられている感じでした。
私はというと、中国人技師君たちの「Sister」ということになっていたので、変な扱いは受けなくて済むし、「ブラザー(技師君たち)が見張っているから」という理由でなめられることもなく、酒の飲み比べなどにも一切巻き込まれず、アルコールゼロのまま安全に楽しく踊ることができました。
こういうのもアリですねぇ。

地元の文化を尊重しないけれど、堂々としていてとても社交的な中国人。彼らが意外と好かれているという事実に驚きました。
それにしても、コックさんも青年も、言葉も分らない初めてのクラブで、自分たちのペースを一切崩さないあの度胸と態度。ある意味感心すらしてしまいましたよ。

中国人は自分たちの世界に閉じこもっている、と思い込んでいましたが、彼らはもしかすると「ただ何も気にせず普通にしているだけ」なのかもしれません。
外との交流がなければないで自分たちで勝手にやっているし、地元の人がたくさん集まってくれば、何事もなしに「自分たちの中華料理」を出して、「おお、好きなだけ食っていけ」と言った感じでひょうひょうとしています。
気を使わなくても済むので、ある意味付き合いは楽でした。ナイトクラブデビューも、楽々でした。

■電波塔をめぐる旅

さて、いつどこへ向かって出発するかわからない、信用できないジンバブエの交通機関を諦めたおばちゃんは、中国人技師君たちのトヨタハイラックスで電波塔を整備する旅に出かけました。
朝9時から夕方6時まで、全部で5か所ぐらい回ったと思います。
もちろん、中華鍋から布団から、すべて持っていくので、三度のご飯は豪華な中華料理が必ず食べられます。
何といっても、彼らはジンバブエの「電気」と「電波」を管理するプロ。街が停電しようがお構いなく、すぐに電気を見つけ出してきて、電気中華鍋で湯を沸かし、電波塔の真下でラーメンが食べられたりしちゃうのでした!感動~。

ジンバブエの山の中や、農村、林の中や、へき地の辺鄙なところに、ハイラックスで入っていくと、とても立派な電波塔がコンクリート固めの土台にそびえたち、周りを頑丈な鉄格子で囲まれていました。
そして、その塔を普段管理している管理人さんの小屋はというと、もちろん土壁のワラぶきスタイルで、それは電波塔周辺の近隣住民と同じものでした。
つまり、ワラぶき屋根の農村と携帯電話の電波塔が隣接している、不思議な光景があるわけです。

現地に到着すると、管理人さん(地元のジンバブエ人)が取りためたデータか何かの書類にまずは目を通し、それから技師たちが中へ入って、配線や機械を調整していました。
アフリカでの携帯電話の浸透は目覚ましく、特にジンバブエをはじめとする南部アフリカのインフラ整備や、都市開発、技術の発達はスゴイと感心したことが何度もありましたが、これらを作っているのはアフリカ人ではなくて、やっぱり外国人がほとんどなのかな?とも思いました。

アフリカでは上位を争うインテリ国家(教育レベルが極めて高いと言われていた)ジンバブエの、電信事業の作業の一端を観察したわけですが、そこで核を担っている技術者が、結局は現地人ではないという事実を目の当たりにしました。
現地の人は、管理ノートを付ける、車の運転手をする、ガードマン、など、知識や技術を求められない職種が多かったな~と。
もちろん、私が見たものは、ほんの一部ですが、アフリカの便利な社会のお膳立てを海外の技術者がやりすぎると、国内の技術者が育たない、技術や知識の蓄積が無いまま、暮らしだけがどんどんハイテクになっていくという不思議な現象が起こり、その先のアフリカに何があるのか・・・は、不明です。

アフリカにいると、あからさまに「日本の援助で僕たちの生活を助けて下さい」とよく言われます。
ジンバブエでは、「日本の援助で停電が起こらないようにして下さい。」とか、個人的には「お酒を買ってください」(自分で買いなさい!)、と言われました。
経済大国の日本人として、「助けてください」と言われて、「もちろん助けてあげたい」と言うことは真っ当な感じで格好がいいし、助けてあげれば彼らも単純に喜びます。

ただし、例えば今回エチオピアで3日間にわたって議論を交わしたある男性が、先進国の援助の意味(JICAの成果、インフラ事業など)について語った後、こんな事を言いました。
「先進国は我々をもっと援助すべきだ。まだまだ足りない。僕たちアフリカの国々は、もっと外国からの援助と投資を受けて、シンガポールや香港の様になりたい。それが僕たちの目指すところだ。」
と言うので、おばちゃんは聞きました。
「シンガポールや香港や東京の様な街を作って、高層ビルや新幹線のある便利な社会を維持するためには、小さい時から勉強して、競争して、大人になったら朝から晩まで働かなくてはいけないけれど、それでもいいの?」
すると彼は言いました。
「そんなこと、アフリカに出来るわけがないでしょ。僕たちは、もっとリラックスして生きていたいんだ。ガツガツ働くのはアフリカのスタイルではない!」

まあ、アフリカでまともに話しあうと、こんな会話になることもかなりの頻度であるのです。
先進国のハイテク都市をそのまま移植してくるメリット、と、デメリット。旅人のおばちゃんは、その両方について再び深く考えさせられました。

また話が長くなってきました。
中国のアフリカ進出と合わせて、日本企業や韓国企業の進出度、世界市場の動き(と言っても、ただおばちゃんが見ただけですが・・・)など、もう少しだけ書きたいなぁ、と思うので、ジンバブエ編をもう一話書きますね。
次回は「途上国市場と可能性」について。

ではまた、ごきげんよう。

安希

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