ロヒンギャ難民キャンプ 1:6月20日は世界難民の日 (バングラデシュ)

皆さま、こんにちは。安希です。

6月20日は世界難民の日です。各国それぞれに抱える問題はありますが、世界的に見て、ここ数年で一番深刻だった問題は何かと問われたら、私はおそらく「難民問題」と答えると思います。大戦時並みの多数の難民が生み出されている状況の異常さに加え、難民の受け入れを巡る議論も、かつてないほどにヒートアップしてきています。そこで『世界難民の日』に向けて、去年訪れた難民キャンプについて書いてみることにしました。

レポートの前に、まずは「世界難民の日」に関係するお知らせから。

『Portraits of Refugees in Japan‐難民はここにいます。』
フォトグラファーの宮本直孝氏と認定NPO法人難民支援協会による共同企画です。日本に暮らす28名の難民のポートレイト写真展。6月20〜26日まで東京メトロ表参道駅にて。
詳細はコチラ→https://www.refugee.or.jp/jar/release/2016/04/26-0000.shtml

『Refugee Talk – 世界難民の日特別版』
6月18日には、日本へ逃れているロヒンギャ難民の方へのインタビュー形式のトークショーも行われるようです。こちらもご興味があればぜひ。
詳細はコチラ→https://www.refugee.or.jp/event/2016/06/18-0000.shtml

さて、ここからは安希の個人レポートとなります。去年の夏に訪れたロヒンギャ難民キャンプから。

2015年の夏、ミャンマーとの国境に近いバングラデシュの2つの村で、登録済みの難民キャンプと、未登録の難民キャンプを訪問しました。(私は一介のバックパッカーでしかないので、取材、訪問、見学、どの単語も不適切な感じがするのですが、適当な言葉が見つからないので訪問とします)

登録済キャンプというのは、バングラデシュ政府が公認し、資金援助もしている公式のキャンプのことで、ここへはバングラデシュ政府からだけでなく、UNHCRやWFP、イスラム系の支援団体や世界のNGOも多数支援に入っています。一方で、未登録キャンプは公認されていないため、政府からの資金援助などはなく、国際NGOなど一部の団体が細々と支援しているという状況。実際のキャンプの環境にも、かなり格差がありました。

■ ロヒンギャ難民とは?

ロヒンギャというのは、バングラデシュに近いミャンマーの州(主にラカイン州)に住んでいるイスラム系の人々です。昔からこの地域に住んでいて、かつてはミャンマー国籍も市民権も持っていた人々ですが、80年代にミャンマーの軍事政府によって国籍と市民権を剥奪され、以来、「国籍を持たない民族」「もっとも迫害を受けている民族」と言われています。

ミャンマーは約135もの民族が共生する多民族国家ですが、基本的に仏教国であることと、当時の軍事政権が「ビルマ語を話すャンマー人の国」を作るという排他的な方針をとっていたために、ミャンマー国内で少数派であったイスラム系のロヒンギャに圧力がかかりました。ミャンマー政府は、「イスラム教でベンガル語を話すロヒンギャは、バングラデシュ(イスラム教のベンガル人の国)の人間なのだから、自分たちの国であるバングラデシュに帰るべきだ」と主張してきました。ただ、これはムチャクチャな論理です。それを言い出したら、バングラデシュに昔から住んでいる仏教徒は、全員ミャンマーへ(?)、ヒンズー教徒は全員インドへ(?)移住しなくてはいけなくなります。

このようにして、ロヒンギャは国内難民となり、またミャンマー政府や仏教過激派との度重なる衝突、迫害などを機に、国外へも避難民として逃れるようになりました。バングラデシュ、インドなどの隣国をはじめ、インドネシアやマレーシアなどのイスラム教の国、サウジアラビア、パキスタン、そして日本へも逃れてきています。一方で、受け入れを拒否された難民が、海上を漂った挙げ句、人身売買やイスラム過激派組織に吸収されているという事実もあるようです。

 

ロヒンギャに関する説明が長くなりました。
干ばつなどの自然災害や、シリアのような紛争は、難民が生み出されるメカニズムとしては比較的理解されやすいですが、ロヒンギャのように「政変によって、ある日突然すべてを奪われる」という状況、また「国籍をもたない民族」といったものについては、なかなか理解されにくいように思います。
ただ、そういう私自身も、ロヒンギャ問題についてきちんと理解できているわけではなく、現地で見聞きしたこと(人によって言っていることが全然違っていたりもする)から、状況を推測しているだけにすぎません。ですから、「正確なことは専門家に問い合わせてください」と、専門的な議論からは逃げるとして、本ブログでは「見聞きしたこと(矛盾も含め)」と「個人的な感想」を記しておくことにします。

次回『ロヒンギャ難民キャンプから②』で、難民キャンプの様子を具体的にお伝えします。

ではまた、ごきげんよう。
安希

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