映画『南京!南京!』(香港) 

一般読者向け

どうもこんばんは。
今、エジプトのカイロに来ていますが、来る途中に立ち寄った香港でのお話を、久しぶりに安希レポします。

中東へ飛ぶ途中、香港の友人宅のところへ数日立ち寄りました。
(2006年にモンゴルからの列車内で出会った建築家。北京からのレポートの中で、恋人を装って高級マンションへ一緒にスパイ潜入した人です。)

旅と本と音楽と映画が大好きな私たちは、迷わず本屋さんと映画館へ直行。
時間潰しをしていたのですが、その映画館で「南京!南京!」(南京大虐殺をテーマにした映画)をやっていることに気づきました。
私が興味を示すと、彼は少し驚いたようでしたが、DVDを持っているのでお家へ帰ってから一緒に観てみようということになりました。
「心の準備を整えてから、一緒に観よう。」と。

「南京!南京!」が、最終的に日本国内で公開されたのか、どういった反応を受けているのかは知りませんが、出演した俳優を含め、映画をめぐっては過激な議論があったこと、また相当の圧力がかかったことは知っていました。
けれど、映画がどのようなものであれ、それを受け止めるのは鑑賞する側の問題(私自身)にあるわけで、とりあえず観ておきたいというのが私の率直な考えでした。
DVDがあるのならもちろん観ておきたいし、特に、こういう映画を中国人の友人と一緒に観ることには一定の価値があると考えているので、「心の準備」を整えてから観ることになりました。

さて、翌日の午前中、彼はさっと起き出すと朝食を作り言いました。
「しっかりと朝ごはんを食べて、心の準備をしてね。」と。
朝食を食べ終えると、カーテンを引き、DVDをセットして、また言いました。
「大丈夫?心の準備はできてる?じゃあ、深呼吸をして、、、観るよ?オッケー?」

映画は、戦争のリアリズムを追求した形で、そこへ中国、日本、両サイドのヒューマニズムがそれぞれ入っているものでした。
リアリズムの追求という点では、「プライベートライアン」(スピルバーグ監督)の映画よりも上ではないかと思いました。
緊張感、死、疲れ、残酷さ、それを淡々と描くクールさというか、冷酷さというか、が表現された映画でした。

で、個人的な感想はというと、「南京!南京!」は反日映画ではない戦争映画だと思いました。
どちらかというと、日本兵の側のヒューマニズムに配慮された映画かも。。。と思うくらい、バランスに気を使った映画という印象で、「酷い日本兵と、かわいそうな中国市民」みたいな売り込みではなく、
「両サイドの人間(兵士も、女性も、子供も、慰安婦も)が、それぞれの立場でギリギリのところを生きていて、それぞれの立場で葛藤し苦しんだ。それが戦争だ。」というメッセージがこめられていた気がします。

友人によると、演出は中国の若手監督によるもので、この映画をただの反日映画にしないこと、また若い世代が観る価値のある、そして日本で公開される映画にしたいとの想いで撮ったそうです。
私は、日本で公開する価値のある映画だと思いました。(ただの反日映画や戦争責任追求映画ではないので、騒がれるほうが不思議。。。)

そして中国での反応は:
戦争体験を持つ世代や歴史家からの反発はあったものの、若い世代からは比較的肯定的に受け入れられたのだそうです。
中国の若い世代の間では、「これほどの殺しやレイプ(日本兵の一方的なものではなく、両国の殺し合いと言う意味で)のリアルな映像(描写)を観ることに対する倫理面での是非」
が争点になり、最終的には「戦争の悲惨さ(両国にとって)を理解するために、観る価値はある」という意見が多かったようです。
つまり、「反日うんぬん」というのは、若い世代にとっては映画の評価や争点にならなかったということですね。へぇ~、そうなのか~。
私も含め、中国の若い世代の人たちも、国を背負って映画を観ていない。むしろ第三者的に、殺しあうことの悲惨さを冷静に観察しているのかもしれません。

ところで、映画の最後に、拘留されていた中国人を日本兵(主人公)が開放し、その後その日本兵が自殺するシーンがありました。
このシーンが必要だったかどうかについて、友人とは議論になりました。
私は、このシーンがあったことで、中国の戦争体験世代や歴史家の反発、つまり「野蛮な日本兵にあのような人間愛はない」という批判につながったのではないかと思ったわけです。
すると友人が言いました。
「あのシーンがなかったら、中国政府は映画の撮影許可を与えなかったのではないか」と。
私は驚きました。
「中国政府がどうしてそんなことするのかしら?あのシーンがないほうが、反日映画にできるし、日本の戦争責任を追及できるじゃない?」
「中国政府の狙いは反日映画を作ることではないと思う。現在の中国において、撮影許可が出るかどうかは、『戦争の悲惨さが伝わること』『モラル教育ができること(虐殺に手を染めた人間が罪悪感から最後に自殺する設定)』『中国人民が希望の持てる終わり方をすること』だ。」と。

つまり、あのラストを入れることで中国の観客が「最後には救われた」ムードになるよう配慮したそうですが、私の感想としては、あのシーンがあったことで日本人の観客は救われると思います。
そういう作り方の映画です。

そんなわけで、個人的には「南京!南京!」は過激な反日映画ではない、重いけれど感情論にはしらない、いろんなことが考慮された観るべき作品だと思いました。
この映画を撮るために長い準備期間を費やした中国の若手監督、あのラストシーンに撮影許可を与えた中国政府、大変なプレッシャーのかかる中で出演した両国の俳優(特に日本サイドの俳優)たちに拍手です。
一つの作品に対する考え方、感想は人それぞれだし、賛否両論があるのは正常なことだと思いますが、いづれにせよ私たちの暮らしの中に芸術は必要なのだな~と感じました。

最後に、この映画を観るにあたり、グロテスクな描写も多かったためか、私(日本人、女性)に対して、大変な心遣いと配慮をしてくれた友人に感謝。(朝ごはん作ってくれるし。。。)
鑑賞後に交わした議論も含め、とても意義ある時間を過ごす事ができました。

それではまた、ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

  1. SECRET: 0
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    南京大虐殺は世界的に誤解されています。

    中核的な出来事は南京陥落時の城外における大規模な捕虜の殺害です。
    父親(栗原利一)のスケッチブックでも7万余人と書かれています。
    非戦闘時の7万余人の捕虜の殺害ですから、当然、日本陸軍が軍の組織として行なったものです。
    捕虜の多くは蒋介石軍兵士などです。

    ただ、中国側の言う30万人説は戦闘時の犠牲者も含めた数として合理的な数です。
    昭和12年7月の南京の人口は135万人です。
    11月末の人口は50万人で、これに南京防衛軍15万が加わった65万人が日本軍の攻撃に晒されました。

    否定派の言う20万人は逃げ場の無い貧民の数です。
    小平市の警察学校と小平団地を合わせた(昔の警察学校の広さ)10万坪の安全区に押し込められた貧民の数です。

    (65連隊のシャーカンおける2千人斬首は父だけが日本側の証人です。名古屋市の河村市長は無知なだけです。「ジョン・ラーベ」は城内での出来事しか書かれていないので日本人には誤解を与えます。)

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