キューバ旅行、行くならあと2〜3年が勝負。

皆さま、こんばんは。

アメリカのオバマ大統領が、キューバとの国交正常化に向けて交渉を開始したようです。歴史的ではありますが、驚きではないように思います。

今年一月にキューバを訪れた時に実感したのは、水面下で進んでいるアメリカ化でした。確かに国交はないし、表向きには、アメリカとキューバの間は断絶されていることになっていましたが、裏では両国間の直行便も飛んでいるし、人の往来も比較的自由に行われていました。
アメリカ発キューバ行きの直行便に乗るには?

市場経済も進行しています。2008年にフィデル・カストロが退き、2011年から国家元首となったラウル・カストロが、どんどん市場を開いていっている。一応社会主義の国ではありますが、内部では市場経済が始まっていて、競争は激しさを増しています。雰囲気としては、社会主義を謳いながら、かなり競争の激しいベトナムのような感じ。まだベトナムほどではないですが、競争に目覚めはじめている感じや、規制の網をかいくぐって必死で金儲けしようとしている感じは、妙にベトナム(8年前ですが)っぽい匂いがした。これからさらに市場が開放され、アメリカとの交流が増えると、表向きは共産主義だけれど内部は偏った市場経済主義の中国のような感じになっていく可能性もあります。
キューバのお金『商売編2』

それと、通貨のダブルスタンダードも、いづれは続けられなくなるでしょう。「キューバのお金『予習編』」にも書いた通り、キューバには地元の人が使うペソクバーノ(CUP)と、外国人が使うクック(CUC)という2つの通貨があります。ただし、市場を開き、さらに外貨獲得に向けて観光業に力を入れているキューバ(キューバの人)にとって、国内通貨でしかないペソクバーノの価値は、なくなりつつある。みんなCUCが欲しい。

アメリカとの国交が正常化されれば、キューバにはアメリカからの大量の旅行者がなだれ込むと思います。物資や外貨も入ってくる。アメリカドルが大量に入ってくる。そうなると、公務員(葉巻工場の職員とか)としてペソクバーノで一ヶ月10ドルのお給料をもらうより、工場でもらってきた葉巻を1本15CUC=15ドルで外国人に販売することに、人々はもっともっと傾注していくはずです。
キューバのお金『賃金編1』
人々が外貨獲得(すなわちCUCの価値)に目覚めれば目覚めるほど、ペソクバーノは紙くず化していきます。最終的には、CUCを残してペソクバーノは消滅するのではないか、と思います。

■キューバ旅行に行くんだったら

で、やっと本題です。(笑)キューバに旅行するんだったら、早めに行くべき!です。もちろんこれは、旅人の間では、近年ずっと言われてきたことです。
「フェデルの目の黒いうちに行け!でないと、キューバはアメリカ化する」ってね。私もよく言われました。
ラウルが国家元首になってからは、「市場経済が始まった。反アメリカ型ユートピアが崩壊するぞ!その前に行っておけ!」って言われましたからね。それで急いで行ってきた。

私が行った時には既にアメリカ化が始まっていたということは、アメリカとの国交が正常化すると、これが一気に加速する可能性があります。もちろん、旅に何を求めるかにもよるので、アメリカっぽいキューバのほうがいい人もいるかもしれませんが、「旅に異国情緒、異空間、異世界」を求める人は、早いほうがいいと思います。

私は、外国を旅していて、日本と違う異世界であればあるほど面白い!と感じるタイプの旅人です。通貨のダブルスタンダード、商売っけのない物売り公務員、賄賂の請求ばっかりしてくる役人、でも裏工作が通用する法治国家失格の社会、入国スタンプを巡る証拠隠滅合戦、通過崩壊中の国で手にするバックパックに入りきらない札束の山、ATMとインターネットを使うために要求される特別な権限、いきなり監禁、いきなり連行、いきなり軍隊のお出まし、便器とブラジャーとジャムが隣り合わせの商品陳列、2つしかチャンネルのないテレビ、お祈りすればなんでも解決すると思っている人たち、一日中ダンスして酒飲んでるだけなのになぜか生きている彼らの不思議。

こういうのって、ほんと面白いです。

キューバはこれから、観光産業や貿易にさらに力を入れるでしょう。フィデルやゲバラが築こうとした、超不便で意味不明だけど妙にワクワクするユートピアは、良くも悪くもワールドスタンダードへとならされていくと思います。キューバでは有名なクラシックカーも、貴重な観光資源として今よりもさらに見せ物化していくでしょうね。今でもハバナ以外の非観光地に行くと、結構普通の近代カーが走っていたりしますから。

国交正常化は、方向性としては良いと思います。ただ、アメリカに吸収されるのではなく、やはりどこかにキューバらしさを残しながら、豊な国を築いていって欲しいです。間違っても隣国『バハマ』のようにはなって欲しくない。

ではまた、ごきげんよう。

安希

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2件のコメント

  1. 食えないライターをやっている人から聞いたのですが、インドで路上生活者の写真をとっていたら、数人の大学生にとりかこまれて、「そんな写真をばらまかないでほしい。インドの悪いところだけ伝わってしまう、これがインドのすべてではない」といわれたそうです。

    日本にやってくるバックパッカーが、山谷のドヤ街や、あいりん地区の安宿に泊まるようになりましたが、やっぱり京王ホテルに泊まって、秋葉原と新幹線と金閣寺だけ見て帰ってほしいと思いますねえ。

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