101.アフリカの自発性③(ザンデール)
のんびり社会の西アフリカ。開発だの発展だのって言われてもねぇ。

皆さん、こんにちは。安希@ニジェールの砂漠都市、ザンデールから。

再びサハラ砂漠です。ハルマッタン(砂嵐)です。イスラムの国です。今年から平和交渉派野宿主義の私は、元気にバス停野宿を続けながら、東部の町ザンデールまでやって来ました。
バス停の砂地にゴザを敷いてもらって、寝袋に包まり、夜空を見上げると、ほら~、流れ星が4つ~。

久しぶりに完全イスラムの国へ戻ってきたことで、イスラムの温かく紳士的なハートに癒されています。みんな本当に親切で、笑顔で必ず挨拶をしてくれますね。
長距離バスの中でも、みんなでご飯を分け合って、バスが壊れて立ち往生しても、みんなで仲良くお茶飲んで気長に何時間でも暇をつぶし、和気藹々と旅が進んでいっています。ああ~、平和だ~。
そして美しい土作りの街の路地裏を歩くと、美しく着飾った女性達、元気な子供達、ムスリムの紳士達が声をかけてくれるのです。ボンジュール!って。

人(心)と街の美しさという点で、おそらくアフリカナンバーワンの街ザンデールです。少なくとも私にとってはそうです。記憶に残る街になりそうです。

さて、再びですが何の話でしたっけ?野宿と移動の後に久々に宿に来て、電気と水があって、パソコンを開けると、え~っと何だったっけ?っとポカ~ンとしてしまいます。
はいはい、そうでした、アフリカの開発と自発性をテーマに、だらだら書いていたんでしたね。
それでは今日も、アフリカ社会で感じることを、引き続きだらだら書いてみましょう。どうぞよろしく。

■金は借りたら返さぬもの

アフリカの人々がのんびりやっているうちに、世界は、アフリカの発展だの開発だのと大騒ぎ。各国とも競って援助や投資をして、アフリカの貧困を解消し、経済的自立を目指しているそうです。って誰の話でしたっけ?ってアフリカ人ではなくて、先進国の人間がね。
そこでアフリカの「貧困ぶり」や「経済的依存」がどんな状況にあるかというと、別に貧困ではないし、先進国が「ねえねえ、依存してみたら?」と勧めなかったら、特に依存する必要もなかったように思います。

ブルキナでランチを共にしたトゥアレグの男性の話。
彼は、かつてフランス人の女性と結婚しフランスとイギリスに住んだ経験があり、けれど今は離婚して、故郷の砂漠に戻って銀行マンをしている人です。
その彼に、アフリカの男性の憧れの地ヨーロッパでの快適で富に満ち溢れた生活はどうでしたか?と聞いてみると、
「苦しく、貧しかった。」と。
はい、そうではないかと思ったので、あえて意地悪な質問をしてしまった意地悪ばあさん?のわたくし。

少なくとも彼はフランス語や英語が出来たわけで、何の準備もないまま夢の結婚パスポートを手に入れてフランスへ行っただけの人ではなかったと思うのですが…、なぜ苦しかったのでしょうか?
「フランスではね、生きるために働かなくてはいけなかったんだよ。とても大変だった。毎日何時間も働いても、家賃や生活費を支払うと何も残らないんだ。友人や家族とリラックスしたり、人生を楽しむ時間もほとんどなかった。大変だったよ。」
日本人よりはフランス人の方が人生を楽しむのは得意だと思うけれど…、まあ、それはおいて置くとして。それで今は砂漠に帰ってきたのですか?
「うん、そうだよ。僕にはこっちの生活がいい。ここでは皆がのんびりやっているんだよ。仕事をしなくても食事は毎日食べられるし、家族や友人と毎日こんな風にゆっくりとビールを飲みながら暮らしていけるからね。」
確かに昼間から、ビールを飲んで、みんなでゆっくり、ゆったり。トーゴ北部の銀行に関していえば、営業時間は午後2時から4時ぐらいだったかな~。2時30分くらいに銀行マンがポツポツ現れて、ちょっと仕事して、あとはまたのんびりでしたね。

次は、バスで一緒だったビジネスマンで、かつてアメリカにも行ったことがある男性の話。
高いホテルに泊まる費用がないためにバス停で野宿をしている私のことを、笑わなかっためずらしいアフリカ人男性です。
(アフリカ人は、高級レストランに行ったり高級ホテルに泊まるお金がないというと、決まって私のことを笑います。億万長者が何を言っているだい?っと。アフリカの男達よ、人を夕食に誘っておいて、ちょっと高そうなレストランへ誘っておいて、「この程度の額は何でもないさ」とカッコウつけて笑っておいて、請求書全部こっちへ回すな!コラ!)

その男性は、近くに手ごろな値段の宿がないなら、安全なバス停で夜が明けるのを待つのは賢い考えだ、と理解を示してくれた人です。
お金は無限に湧き出てくるものではなく、使った分だけ減っていくもの、という認識を共有できている人。
彼は言いました。
「先進国の生活は本当に大変だよ。アメリカでは息をしているだけでお金がかかる。生活費だけでなく、税金だって沢山払わなくてはいけないし、働かなければ、家も食べ物もなくなって、道端に放り出されてしまう厳しい社会だ。働いても働かなくても、『みんなのお金、みんなの家、みんなのご飯』がいつもあるアフリカではなくて個人で責任を持ってお金を稼いで生きていかなければいけない厳しい国から君はやってきて、また帰っていかなくてはならないんだよ。だから君が、旅の予算をシビアに見なければならない気持ちは理解できる。お金がなくなったら、隣や近所のドアを開けて、おかねちょーだい、でお金が出てくるアフリカとはワケが違う。そうだろ?」
男性は、アフリカには貯蓄や計画的支出という概念がない代わり、社会で助け合って平等に生きていくという精神がある。とも話していました。

そこでもう一度、「アフリカは本当に貧しいのかい?」と。
貯蓄がないので、巨大な橋を建設したり貯水タンクを設置する経済力はないかもしれないけれど、アフリカらしく普通に生きている限り、アフリカは経済依存なんてする必要が全然ない大陸なのではないかしら?と思ってしまいます。
だって、働かずとも食べていける社会ですもの。昼間からビールのんで、ぶ~らぶら出来る社会ですもの。いいんじゃないでしょうか?

アフリカには、お金も食べ物も、たれかが持っていて、欲しい人にはあげればいいし、持っている人からもらえばいい、という考えがあります。
お金は借りたら返すもの。という我々の考え方とは根本的に違っているのです。

そんなアフリカに数兆円の支援をしましょう、技術や設備を支給しましょう、とはりきっている先進国からの過剰な援助も、アフリカ的に捉えると、
「日本さんとアメリカさんが一杯お金持ってるみたいだから、まあもらっておけばいいでしょう、中国さんは道路を作るのが得意らしいので、まあ作ってもらってもいいんじゅないかしら?あらあら、ヨーロッパの観光客が来たわよ、お金持ってるみたいだから、ちょっともらっておこうかしら。」
程度のことなのかもしれませんね。

やっぱりアフリカは、ちょっと特殊な大陸なのだと思います。

■発展と幸せなコミュニティ

以前パキスタンの山中で知り合ったサイクリストで、世界を五年間走ってきたという男性がいました。
旅の後半にアフリカ入りを考えていた私は、いろいろとアフリカ情報をもらうべくお話を聞かせてもらいました。
その話の中で興味深かったことの一つに、「植民地支配国の影響と個性」というのがありました。

どういうことかというと、
「もとイギリス植民地だった東から南のアフリカ諸国は、インフラが整っていて、社会システムがある程度確立されていて、とても快適な旅が出来る。その点、西アフリカのように元フランス植民地の国は、もっと崩れているというか、整備不足で発展が遅いから、凄く濃くて面白いけど、いろいろ面倒なことも多い。元ベルギー領やポルトガル領になってくるとさらにぐちゃぐちゃの社会だったりして、どの国の支配を受けていたかによって国の整い方が全然違っていて面白かったよ。イギリスはやっぱりビシッとしてて、フランスはいい加減な感じ。」

東サイドのアフリカを縦断して南へ入り、現在西を進行中の私には、彼の話の意味がよ~く解ります。
確かに、東や南のアフリカ諸国は、道や建物も立派。都市化が確実に進み、社会や教育のシステムがあって、国際化した都市には外資系企業もバンバンやってきて…、という印象でした。
その点西は、まだあまり整っていない。まだお湯のでるような施設を見たことはないし、未舗装道路も結構あります。スーツ姿の人々がビシビシ働いていた東や南の都市とは違って、西の首都は、音楽ガンガンかけて歌って踊って、ららら~、道端でお茶でも飲んでさ~、のリラックスモード全開です。

こんな西アフリカに来て、最近ハッと気がつきました。西に来てからは、毎日夜遊びしているなぁ~っと。
東や南の首都は整っていたけれど危険でした。スラムもあり、夜間の外出なんかは絶対無理な雰囲気でした。
西アフリカは何所でも歩いて行けてしまうし、危険な雰囲気ゼロ。夜になっても、大人から子供まで、女性もみんな表の通りに出たまま、音楽かけたりお茶を飲んだり、ワイワイ楽しくやっています。

東や南では一人で歩けないエリアがたくさんあって、夜はホテルに篭る以外何もできず、近代都市ハラレでは強盗に殴られたおばちゃんも、西アフリカでは、電気が少なくて薄暗いけど話し声と音楽はい~っぱいの夜道を一人ぶらぶら歩き回って、路上の皆さんと楽しく過ごしています。
欧米的発展が進み、快適だけれど物騒でクールな国にもなってしまった東と南。未整備のままではちゃめちゃで、土煙にロバにバケツの水シャワーの不便な国だけど、夜遅くまで屋台にフランスパンやらカフェオレやらおいし~いサラダが出て賑わって、気さくないい加減者、良くも悪くもハートの熱い西アフリカ。
どちらの社会が幸せなのかなぁ~?

続きはパート4にて。
ではまた、ごきげんよう。

安希

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