初めての山登り(ラダック)

皆さま、こんにちは。

インドから日本に戻って、早くも一週間が経ちました。旅先で撮った写真を見る度に、楽しかったなぁ、と感じ入ってしまいます。今回は、「純粋に楽しむこと」がミッションだったので、その通りにミッションを達成した感じですね。って、普通に聞こえるかもしれませんが、私にとっては初めてのことでした。というのも、今まで何年間も、何十カ国も旅をしてきたにもかかわらず、これまで一度も海外に「バケーション」に行ったことがなかったから。

旅はいつも「仕事」でした。

だから今回初めて、やりたいことだけやって、やりたくないことはやらない、という旅に出ました。では、何がやりたいことで、何がやりたくないこと、だったかというと・・・

やりたいこと:自然を相手に遊びまくる
やりたくないこと:人と関わる

別に人間嫌いとか、そういうのではないです。でも、旅を「仕事」としている自分のスタンスの中で、これまで一度も外したことがなかったのが「人との関わり」でした。いや、これは旅だけでなく、執筆に関わる全てにおいて、私の場合は「人」を軸として全てが回っていきます。だから旅をすることは、人と出会うことであり、人脈を駆使することであり、人と会話することであり、人をより深く知ることであり・・。それで、人と関わるのはとても奥が深くて面白いと思うのだけれど、同時に、私にとって「人と関わる」というのは、今も昔も一番難しいことでもあって、疲れてしまうんですね。(笑)はい、ごめんなさい。(ここで言う「人」とは、気心の知れた友達や家族とは全然違う意味での、「人」です)

人と出会わなくて済むなら、話さなくて済むなら、向き合わなくて済むなら、関わらなくて済むなら、どんなに楽だろう、と思ったことは、実は何度もあります。で、今回はその「どんなに楽だろう」という旅をやってみることにしたわけです。

ということで、今回は自然を相手にしていれば良かったので、インド北部のラダックに滞在して、山の中をあちこち歩き回りました。バックパックを背負って、夜空に星を見上げて、テントの中で眠って・・・。でも、実際には「出会いの渦」に巻き込まれたりして。(笑)これはもう宿命ですかね、みんなほっといてくれないですよ。「だから孤独に自然と向き合おうと思ってるんだってば!ほっといてくれていいんだってば!」て思っても、ほっといてくれなかったです。

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そしてトレッキングを楽しんでいるうちに、他のトレッカーから「山にも登ってみたら?」と勧められました。最初はそんな気は全然なかったのに、そこに山があって、お天気がとてもよくて、周りから勧められたりすると、なんだか登りたくなってきてしまって、人生初の登山をやってみることになったんですね。

いや、正直なところ、登る直前までは登る気はあまりなかったんです。実際、これまでにも登山に挑戦できる機会はたくさんあったのに、「自分はあくまでバックパッカー」だと思っていて、ずっと登らずにやってきたところがあった。登山って、特殊な世界ですからね。スポーツか究極の趣味のような印象だったので、対「人」でノンフィクションを書いてる自分には関係のない世界だと・・、そう思って避けていた面もあります。

旅をしていると、タンザニアにも行くし、ネパールにも行くし、ボルネオにも行くし、そしてもちろんそこには、キリマンジャロも、アンナプルナも、キナバル山もあって、たくさんの人が登ってるんです。でも、自分は登らない!みたいなところがあった。

スキューバダイビングと登山はそうですね。どちらも、その世界では「聖地」のような場所を何度も訪れているから、常に強い誘惑があります。でも、絶対に手を出さなかったですね。もしかしたら、ハマるのが怖かったのかもしれない。一度味をしめたら、もう「仕事」にならんだろうと。「人」に会うのが面倒になって、山と海だけ相手にしていたくなっちゃうんじゃないかと。そんな気持ちもあったんでしょうね。それに、入山料高いしね!(笑)ハマったら大変ですよ、これは高い趣味ですから。

でも今回の旅は「純粋に楽しむこと」がミッションですから、まあいいかってことで登りました。実際、費用も安かった。(日本の日帰りハイキングの方が高いくらいです)

登った山は、ストック・カンリ山(標高6150m)です。標高3500mのストック村を朝9時頃出発して6時間ばかり歩き、まずは、標高4800mのベースキャンプまで行きました。そこでガイドさんに食事を作ってもらって、食事が済んだらテントで仮眠。深夜一時半頃に早い朝ご飯を食べて山頂を目指しました。正直、しんどかったです。眠かったです。いや〜、登山って大変ですね!息は切れるし、足は止まるし、寒さで鼻水が止まらないし・・。ヘッドランプを点けて氷河を越えて行くんですけれど、ペットボトルの水が凍ってしまうんです。だから水を飲もうとすると氷がつっかえて飲めないんですよね。いや〜びっくりでした。

ガイドさんの熟達したペース配分と励ましもあって、朝日が山肌を照らすころに、無事登頂することができました。一緒に登ってくれたドイツ人の旅人(とてもアスレチックな男性)の、前向きで寛大な人柄にも本当に助けられました。自分1人で登っていたら登頂できなかったと思います。3人で登っていると、おばちゃんだけ1人遅れてしまうんですが、2人とも辛抱強く待ってくれて・・。(涙)ガイドさんと旅人君の二人の「人」に支えられて、やっとこさ登頂できた自分の無力さを痛感しました。改めて「人」の力と魅力に感動する結果となりました。

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というわけで、初めての登山レポートでした。素晴らしい自然と、強くて優しい「人」に心から感謝。必死になって追いかけたガイドさんと旅人君の「もの言わぬ暖かい背中」を、私は生涯忘れないと思います。最高のバケーションでした。

さ〜て、仕事に戻りますか。

ではまた、ごきげんよう。
安希

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12件のコメント

  1. 初めての6000m峰なのに、ちゃんとロープつないで、ガイドが良かったのか、様になっています。アイゼン歩行はどうでしたか。つまずかなかったですか。

    1. アイゼンは、最後の雪の斜面で「使うかどうか?」とガイドさんに聞かれて、使わないことにしました。一度も装着したことがないものを、ああいう局面でいきなり着けるほうが危ないんじゃないかと。

      命綱も繋いでもらってましたし、ガイドさんと旅人君はピッケルも持ってくれていたので安心でした。

      1. これを機会に山にはまってください。その先にある限りないすばらしい世界へ。(アイゼンのことは、よかったです。何があるか分からないから。いい人達に恵まれましたね)

        1. そんな無責任なこと言わないでください!(笑)本当にはまっちゃったら、どうするんですか?(もう、はまりかけてるけど・・・)

  2. ミッション達成おめでとうございます。
    いつもながら本当に素敵な写真ですね。
    トレッキングから初めての登山?ふむふむ・・・、と読んでいたら、6000m級のところで思わず噴き出してしまいました。(虚を突かれました。)
    富士山に登った経験くらいしかない素人ですが、初挑戦で6000m級登頂は素晴らしいことだと思います。

    1. ありがとうございます。偶然にも標高が高い山に登れたのはラッキーだったと思います。これで6000mの山に登ったことがある、と言えますからね。

      ただ、山の難易度と標高は、あまり関係ないのかなと、今回思いました。低くても技術的にとても難しい山もあるようですし、今回のような初心者でも登れてしまう6000mの山もあります。

      あとは運でしょうね。天候、体調、ガイド、食事、一緒に登った旅人君、すべて当たりくじを引いたな、という印象でした。^^

  3. なんて素敵な背景でしょう!!白 白 白こんな世界を見れて良かったね!!
    そんな時間から登るんだとびっくり!!登頂おめでとうございます!!

    1. 私もびっくりでした。でも、夜の間に氷河を越えて、さっさと戻ってこないと、昼間は氷が溶けて危ないんだそうです。

  4. 旅に出られるということで、一端「お気に入りHP」から削除していたのですが、たまたま、「どーしてるかなー」と検索したら、日本にお戻りだったんですね。富山では立山連峰雄山は3000m級ながら観光地化してるのでハイヒールで登る観光客もいます。流石に6000mはハイヒールは無理でしょうね(笑)

    1. 3000mをハイヒールでというのは、なかなか大変そうですね。チャレンジの価値あり。(笑)

  5. 「富山の百山」と言う本が出版されまして、来春から、ひと山ずつトライしようと思っています。新田次郎の「孤高の人」でもないのですが単独行者が理想です。山は、何故か魅力的ですね。

  6. 初めてコメントします。
    久しぶりに拝見したこちらのブログで「ラダックでストック・カンリ山に登った」という記事を見つけて、かじりついて読んでしまいました。
    私は現在長期の旅中なのですが、この旅の最後にラダックへ行って、まさにストック・カンリに登りたいと思い、情報収集していたところです。

    もしよければ、亜希さんが利用したガイドさん(ツアー会社を利用したのでしょうか?)を教えていただくことは可能でしょうか?(ブログの中で「費用も安かった」と仰られていたので、できれば費用も教えていただけると助かります。。)

    実は日本人の方がストックで経営されてる宿で、登山やトレッキングもあるというのを見つけて問い合わせてみたところ、4泊5日の登山で、全て含めて15万円という回答をいただきました。思っていたよりも費用が高かったため、亜希さんはどのような形で登山されたのかなぁ…と思いました。

    亜希さんが、本格的な登山は初めて、というのは意外でした。
    こちらのブログよりも先に「インパラの朝」で亜希さんのことを知ったのですが(あの本を読んだ時も、一晩であっという間に読み終えてしまいました)、そういえば登山に関する記載はなかったように思いますが、当然どこかでチャレンジしているかと思っていました。

    長くなってしまってすみません。

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