88.不思議の国ジンバブエ③(ハラレ)
時に楽しい通貨崩壊ライフ。激安パスポートのお値段が5円を切りました!

不思議の国ジンバブエ③です。
通過崩壊編の続きです。

■ちょっとおいしい通過崩壊

公式レートと闇レートの差が開き、米ドルが命となると、米ドルを持っている外国人(貧乏バックパッカーのわたくし)などもついついお金持ちになってしまいます。
強制半額政策により、全体的な物価が抑えられている上に、とりわけ公共機関や政府関連機関の値段に関しては、無理やり公式レートを設定している手前、闇に合わせて勝手に変更することも出来ないらしく、したがって闇両替した札束を持って公式レート換算の商品を買うと、キャッシングとは逆の減少、つまり36分の1の激安現象が起きるのです。

まず、旅人の間では常套手段となっている、「通貨崩壊国でのパスポート更新」からご紹介しましょう。はい。

パスポートの増補や新規作成が可能な各国の日本大使館。料金設定は従来、日本での作成と同じ値段に設定されます。がしかし、大使館は政府関連機関になるため公式発表されているレートにしたがって現地通貨換算されます。
例えばミャンマーでパスポート18000円(確かそのぐらいではなかったかしら?)を新規作成すると、闇両替したチャットをもっていけば200分の1のお値段、つまり約90円で作れます。
おいし~い!!チャンスを逃してくやし~い!!(でもミャンマーの頃は残りページも沢山あったので、増補する必要もなかった。)

私にとっては3回目の通過崩壊国ジンバブエでチャンスは巡って来ました。
パスポートの残りページ数もあとわずか、マラウィー入国時にはジンバブエでパスポートを増補することを条件に入国を許してもらっていたくらいなのでいよいよピンチのパスポートちゃん、つまりここはチャンスです。
さて、日本大使館に到着して値段表を見ると、おお~、ジンバブエドルで表示されています。
増補のお値段は5500ジンバブエドル=約0.5円!!!出ました!

そして親切な大使館の職員はこういいました。「増補ですか?新規でなくていいんですか?」と。
うむ、確かにおっしゃる通りです。パスポート残存期間もあと3年あまり、再び3年後に1万8千円も支払わなくても、新規にしてあと10年心配しなくて良いのならそのほうが断然お得です。
そしてそのお値段は35000ジンバブエドル=約4円!!!出ました!(この大使館の設定金額は、かなり昔のジンバドル時代のものだと思います。)

ICチップ入りの新しいパスポートは僅か4円、30分で完成しました~!めでたしめでたし。
(ミャンマーの90円なんて、お高すぎまして、わたくし支払いができませんの。ホホホ!ですからジンバで4円をお支払いさせていただきましたの。)
今のペースで行くと、ジンバブエではもうすぐ新規パスポートの値段が1円を切ると思います。

あと、なんだかよく分からないけれど安いのがインターネットと国際電話ですね。アフリカ8カ国目で一番設備も整っており(近代都市なので)、現地の人にも大繁盛しているネット屋さん。
マラウィーやザンビアで1時間2~3ドルだったネットが、ジンバでは1時間60セントくらいです。
さらにおいしいのが、ローカルの電話。

ガーナ大使館にビザ情報の問い合わせをしようと、とりあえず400000ジンバドル=40円プリペイドしてローカルコールをかけました。
するとお釣りが394400=39円以上返ってきました。400ジンバドルは切り捨てるとしても1000ジンバドル札=0.001円を4枚もらってけれど、う~ん、どうしましょうか。トイレットペーパーよりも遥かに安いジンバブエ札。お尻でも拭いてみようかしら。

そんなわけで調子に乗って、今度は日本へ電話をかけてみることにしました。2回にわけて30分くらい話しても、かかった額は40~50円くらいでした。
突然の電話に驚く両親には、はっきりと言わせて頂きました。「何でもないけど、ただ安いからかけてみた。」と。40円の親孝行でした。めでたしめでたし。
ネット屋さんも混んでいるけれど、電話屋さんはいつも長蛇の列です。失業率80%のジンバブエの皆さん、昼間からせっせと電話をかけておられますが、…誰にかけてるの?何でもないけど、ただ安いから?トイレットペーパーより安い国際電話のお話でした。

米ドルを持ち、闇両替の手段を覚えてしまうと、ついついおいしい思いをしてしまうジンバブエ。とにかく物価がメチャクチャなので、ぶっ飛びの価格が存在するのです。
例えば、ソフトクリーム1つ24円。新作映画(ダイハード4を見に行ってきました)一本40円。高級ホテルのフランス料理フルコース
600円。CD一枚300円。Lサイズのピザ1枚300円。
20Kgのエアメール一便なんと、5ドル!ビール一本60円。

ごちそうさまでした。

■通貨大変動の煽り

マラウィとザンビアを旅行中に、それぞれ一回ずつ、最近ジンバブエへ行ってきましたという旅人に会いました。
そのときに聞いた情報では、9月4日の闇レートが1米ドル=240000で一週間後が1米ドル=250000。この情報をくれたサイクリストは変動が激しいので気をつけてください。と注意してくれました。
そしてジンバブエ入国直前に出会った旅人は10月半ばにジンバブエで両替し、1米ドル=500000と話していました。この情報をくれた旅人は、ジンバには物が全然ないので食料を担いで行ったほうがいいかもしれません、と注意してくれました。
そして私は食料を担いで10月25日にジンバブエに入国し、1米ドル800000で両替し、現在の1100000に至っています。つまりこの二ヶ月の間に、ジンバドルは1米ドル当たりの価値を4分の一以下に下げたことになります。

さて、この激動により、ドルを持つ人間がおいしい思いをする一方で、悲劇をみる人間も当然出てくると思います。
それはまさに、ジンバブエドルしか持っていない人達や公共&行政機関で働く人たちです。
給料が2ヶ月で4倍になることはないのに、物価は闇レートで動くので4倍になる。
貯蓄も同じで、例えば100万円相当のジンバドルが、2ヶ月後には25万の価値になり、さらにもう半年もすれば1~2万円の価値になってしまう可能性もあります。
悲劇です。

商品を持っている人(小作農でも、闇市場の人でもいいけれど)は、販売する商品の値段も倍増していくので、収入と支出のバランスがどうにか保てると思いますが、お給料をもらって働いている人たちは、気づいたら一ヶ月の給料がパン3個分やバスの運賃2回分、になってしまうこともあるはずです。
人々はどうやって生活しているのでしょうか?国外脱出者も急増しているようですが、とにもかくにも不思議の国、ジンバブエです。

現在も変動激しいジンバドル。お札の増刷が間に合わず、闇両替商もキャッシュレスになってきているらしく、闇両替に失敗すると、旅人の生活も一転大危機に直面です。
お金をめぐる大混乱はまだまだ続きそうです。手持ち米ドルのキャッシュが底を着く前に、無事にジンバブエを脱出できますようにと祈りつつ。

以上、通貨崩壊についてのレポートでした。

それではまた。ごきげんよう。

安希

追伸:
さすが世界三大瀑布の一つ、ビクトリアの滝。日本からの団体観光客も沢山来ていました。いつものように、「こんにちは」と声をかけてみると、「あ…、こんにちは…。」とよそよそしいお返事が。(海外で日本人に会うことになれていない日本人の軍団)
そして「ジンバブエはスパーなんかも全然物がなくてビックリですよね。」と話してみると、「ああ…、そうなの…?。そうねえ。」と、歯切れ悪く、高級ホテルと観光名所をバスで移動したことしかない皆様。街を歩いたことがない皆様。
さらに、ホテル(旅行会社)側に「ジンバブエのお金は一切使えない」と言いくるめられている(ホテルのドル箱。飼い犬状態の)皆様は、「君、ダメダメ。米ドルしか使えないよ。こっちのお金に両替なんてしちゃだめだって。」と旅人を注意。

けれど、我々旅人は、ジンバドルでバスにも乗るし、映画も観るし、お昼も食べるし、スーパーも行くし、米ドルを使うのは宿の支払いくらいであとは全部現地通貨。
そこで「食事のときはどうされてるんですか?」と聞くと、「ホテルでハンバーガーとか食べてるよ。」と。「幾らくらいするんですか?」「まあ、15ドルくらいかな。」
そして皆様は胸を張って言いました。「この後はリスボン、あっ、ポルトガルのね、リスボンね、そのあとパリから飛ぶの。まあ、気をつけてね。」と無知な旅人を諭すように(お説教するように?)立派なお話を終えて、観光バスへと向かわれました。

おそらく皆様は帰国後、「ああ、貧乏そうな旅人なんかがいてさぁ、な~んにも知らずにふらふら旅してるから危なっかしいよホント。現地通貨なんてさあ、使えもしないのにもう両替しちゃったって、こ~んな札束抱えちゃってさぁ。」なんて土産話をし、そんな話を聞いた日本の皆様は大いに勘違いなさることでしょう。

そこで旅人から皆様へ一言。「ねえねえ、おっちゃん達さあ、ちゃちゃと闇両替してさ、5つ星ホテルのフレンチフルコース食べに行こうよ。ホテルのハンバーガ一回分で二回もフルコースが食べれちゃうからさぁ。裏の市場ではさあ、みんな元気に3本100円のバナナ食べてさ、楽しい午後を過ごしてるからさぁ。ジンバの人、やさしいよ。ジンバの街、楽しいよ。」

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