85.パワートーク イン アフリカ (リビングストン)
ザンビア版、アル中紀行。ザンビアの皆さん、熱く語ろうよ。

皆さん、こんにちは。安希@ビクトリアの滝です。暑いです。断崖絶壁です。乾季で干上がってしまって、滝の水はちょろちょろです。がっくし。
こんな時には、レポートでも書いて元気を出していきましょう。

さて、マラウィで黒人社会と白人リゾートの真ん中に挟まって、奇妙な孤独感を味わった反省から、ザンビアライフは思い切りハードにいってみることにしました。
そうです。孤独の90%は、もじもじいじいじしている自分自身の責任です。高原の美しい緑を眺めていても喧嘩の一つもできません。浜辺のリゾートでホットシャワーを浴びても、ギャグの一つも思いつきません。
で、このままではイカンと。

まずザンビアで行ったことは、田舎の街の一番安い宿に連泊をして騒ぐこと。シャワーが壊れ、トイレの便座がなく、隣のバーから耳をつんざくローカルミュージックが夜通しなっているような宿。地元の人に助けてもらって、安宿を発見しました。うんうん、この寂れ具合。水場の壊れ具合、これです。
そして次にしたことは、安くてぼろい店で、シマ(トウモロコシの粉を蒸かしたもの)をガツガツ食べる。毎日同じ店でガツガツ食べて、店のお姉ちゃんや常連さんと仲良くなる。
次はバー。露店で買った油ギトギトの安いポテトをビニール袋に入れて、バーへ行き、地元のビールを飲んで騒ぐ。ジュークボックスにコインを入れて音楽もガンガンかけちゃおう!よ~っし!

体はちょっと苦しいけれど、まあ、よく遊び、よく話し、よく食べて、美しい孤独リゾートを一気に忘れてしまいましょう。

翌日は朝から散歩。道を歩けば道の両サイドで昼間からたむろするおじさんやお兄さんの軍団が、陽気に声をかけてきます。いちいち話し相手になるのも面倒だけど、ここは面倒くさがっておってはイカンと。
そこで、声をかけられたら、とにかくいちいち立ち止まり、話をしてみることにしました。

■ガソリン輸入

ガソリンスタンドの隣の交差点にたむろするお兄ちゃん達。何をしているのだ?と聞くと、ガソリンの闇売りをしているのだ、と。
普通のガソリンスタンドのガソリンは、政府を通じて正規ルートで買っているものなので、一般市民には高すぎる。しかもどんどん値上がりして大変なのだそうです。
そこで彼らは、隣国マラウィの安いガソリンを闇で運び、それをポリタンクに詰めて交差点で販売しているらしい。

さて、車はもちろんガソリンスタンドへなんか入らず、交差点で停車します。するとお兄さんはミニタンクを持って走っていき、ペットボトルの底を切って作ったポンプを車に刺しこんで1リットル分を販売します。
私も、ガソリンを1リットルミニタンクに詰める作業を手伝うように言われたのですが、これが結構こまかい作業で、少しでもガソリンを節約しようと、1リットル線の上にあわせるのではなく、下にあわせる気持ちで詰めるように、と厳しい指示がでました。
何ミリリットルという違いにこだわる彼らの、ガソリンや商売に対する切羽詰まった状況がよく分かるお手伝いでした。

ザンビアはインフラもかなり良く、バスも立派で、快適だけれど、やはり移動費はとても高いです。そして、交通費は猛烈な勢いで高騰を続けています。
世界のガソリン獲得合戦はもちろん今に始まったことではないけれど、特にザンビアのような途上国の場合、ガソリン代(交通費)が一般家庭の生活費の大きな部分を食い尽くしてしまう可能性もあると感じました。

例えば一皿90円のシマ&ビーフシチューを出している食堂のお姉ちゃんが、首都ルサカ行きの片道バス2650円に乗るためには30皿を売って、さらに帰ってくるためにまた30皿売らなければいけません。
ザンビアの国土は広大なので歩いていける距離ではないし、ガソリン価格の高騰は、移動手段の乏しい国の人々にとっては大打撃との印象を受けました。

■金持ち外人、インド人

街角のガソリン売りのお兄さん達とお金の話をしていて判ったことは、ザンビアにはお金持ちのインド人が沢山いるということです。
私は、ザンビアの民族構成は金持ち白人とごく一部の権力を握った黒人と大部分の低所得黒人だと思っていたのですが、白人社会は独立後はほぼ消滅して、ザンビアにいる白人は観光客や一時的な滞在者だけだと話していました。
そこでそれ以外に誰がいるかというとインド人。とにかくアジア人(インド人、中国人)というのは世界中で金融関係をがっちり握っている民族という印象ですね。
この辺りでも、「お金のことはインド人(国によっては中国人)」に聞け、という感じ。

そして特徴として、インド人や中国人は金儲けのプロで、現地生活や文化に溶け込むという意識はなく、社会の構成員というよりは、金儲けのために来ている人たちなので、黒人社会との間には完全な境界線をもうけて生活しているらしい。
ガソリンお兄さん曰く、「彼らは高級住宅街に住んで、家にはキャッシュが山ほどある。貿易関係や鉱物のビジネスを牛耳っていて、家族や一族で結束を図って儲け続けている。彼らは現地人と同じ学校に子供を通わせたりはせず、独自教育によってビジネスを継承していける子孫を残すので、現地人に付け入る隙を与えない。」
のだそうです。はぁ、なるほどです。

残りの金持ちは、黒人の政治的権力者たちですね。特にアフリカの場合、天然資源が主な外貨収入源となるので、天然資源(ザンビアは銅)の出てくる土地を持っているか持っていないかだけが貧富の分かれ目となります。
もちろん、それらの外貨収入によって、政府が潤い、インフラの整備が進んできた面もありますが、資源の平等な再分配という考えはまだまだ乏しく、一般市民レベルの生活においては、銅の埋蔵量なんて関係なくて、ガソリンをポリタンクに詰めて街角で車を追いかける生活からはなかなか抜け出せるものではないと話していました。

■ビールとルンバと泥棒

ザンビア人は昼間から飲みます。みんなで表に椅子を出して、ベンチを並べて、ワイワイ、ダラダラ飲みます。暇そうであり、楽しそうでもあり、そして全然仕事してないじゃんかぁ!!
というわけで、ザンビアの習慣にならって、わたくしも真昼間からグビグビ。夕方までグビグビ。音楽をかけて騒ぎながらグビグビ。そして夜はバーでルンバを踊りながらグビグビ。そして深夜のナイトクラブで再びルンバを踊る予定…で近所の皆さんと準備をしていてストップがかかった。
ん?私の所持品から買ったばかりのデオドラントが消えているではないか?

そうです。ザンビア人は泥棒です。ノリが良くて、陽気で、フレンドリーで、すぐにお酒とルンバになって、楽しいけれど泥棒です。
彼ら自身が、ザンビア人はみんな泥棒だ!と公言しているくらいだから泥棒なのでしょう。一緒に飲んでいた女性が耳打ちしてくれた話では、飲んでいたグループの男達がどうやら私の携帯電話を狙っておる、と。
これはウガンダでも聞いた話ですが、アフリカでは携帯電話の盗難率が高く、特に先進国(日本)の携帯の場合、みんな財布よりも欲しがるらしい。

女性は、「ザンビア人はみんな泥棒だ。絶対信用すべきでないし、特に携帯は厳重に保管すべき。私のことも信用すべきではない。」と。
そう言っている彼女の手には何故か私の買ったばかりのデオドラントが握られており、「お姉さんよ、それは私の物だ。」というと返してくれたけれど、その後バーで飲んでからリュックを開けると、再びデオドラントだけ消えていたのでした。(貴重品バックには鍵をかけているけれど、デオドラントやその他のガラクタを入れているポケットにまでは鍵をかけていない。)
まあ、お姉さんはデオドラントがとても欲しいみたいだったし、とりあえず私の脅しにもぜんぜんひるむ様子もなかったし(警察呼んで大使館に電話だけはしなければいけない、というウソをつけてみたけれど)、バカバカしくなったので、デオドラントを諦めてナイトクラブもやめにしました。

ザンビアでは道端で足を止めて、実に多くの人たちと長い長い会話を試みましたが、印象としては、みんなフレンドリーでプロの泥棒ではないけれど、「チャンスがあったら盗んじゃえ~。人の物は、時に自分のもの~。」ぐらいのいい加減さとノリがある、やや鬱陶しい人たちでもあると。
そして、昼間からお酒をのんでぶらぶらし、ちょっと泥棒しちゃおう~のザンビア人に言いたいことは、「ちょっとは真面目に働け~!人の信用を勝ち取りなさい!」ということですね。

全然仕事もしないザンビア人の怠け者達に、一週間で100回以上、「君と結婚して日本へ行きたい」または女性の場合は「あなたと友達になって日本へ行きたい」と言われましたが、その度にわたくし、熱弁をふるわせていただきましたの。
「日本なんかへ行ったら、あなたは即死だ!」と。「あなたたちのような、怠け者の信用の置けない人間が、日本で生きていけるわけがない!」と。
そして私は、日本の労働時間の長さ、時間と約束の厳しさの説明から始まり、それだけ真面目に働いている日本人がやっと稼いだお金で海外旅行へ出かけてちょっと美味しいものを食べたり、高価な携帯を所持していたからと言って、「世界は不平等だ」とか「先進国は途上国にもっと手を貸すべきだ」とか「金持ちなのにお金や物をくれない外人はケチだ」と言われる筋合いはない!と。

するとザンビアの怠け者達は「日本人は昼下がりのビールを飲まないのか?」とか「昼寝はしないのか?」とか「では日本のバーは夕方までは何をしているのだ?」と意味不明の質問がでて、「朝から晩まで働いているなんて知らなかった…。」と妙に感心したりするのでした。
う~ん、当たり前のように朝から晩まで働いていたよぉ。むしろ朝から深夜まで働き続けている人だって周りには山ほどいるよぉ。

ビールとルンバと泥棒の文化も、それは一つの文化であって、絶対に自殺者や過労死なんて出ないだろうし、それはそれで素晴らしいです。それがアフリカのやりかたです。
なので、彼らはまあ、お金も無いけれど、そうやって楽しく暮らせばよいのではないかと思いますね。私はザンビア流では生活できないし、彼らは日本ペースでは死んでしまう、それだけのことだと思います。
それにしても、同じ話を何度も何度も熱弁して、とても疲れてしまいました。

■乏しい医療サポート

マラリアとHIVの話も多かったです。ウガンダのような無料の医療サポートがないザンビアでは、マラリアで命を落とす子供がとても多いらしく、またHIVに関する知識や薬の普及、浸透がかなり遅れている模様です。
天然資源もあって、国も極貧国ではないので、もう少し政府が医療サポートに力を入れられないものかと考えてしまいます。
そして、HIV感染率1位だったウガンダを救ってきたNGOの存在にも期待は高まります。ザンビアもどうにかしてあげて欲しいですね。

マラリアやHIVだけに限らず、病気との闘いに関係する話題が多かったのもザンビアトークの特徴でした。

■パワートーク

ザンビアでは、白人パーティーから離れて、短いながらに地域密着型の日々を送ることが出来ました。
こういうスタイルは体力も消耗するけれど、やはり一番の旅の醍醐味だと改めて実感しました。
その国を好きになるかどうか、また楽しい経験が出来るかどうかは別として、まずは身近なところに人の温度を感じていくことが旅の充実とその意義を決定するのだと思います。

というわけで、医療とも国際協力とも、なんの関係もないタイプのレポートばっかりですが、国際社会においてフォーカスのあったプロジェクトを実践できるかどうかは、やはりミクロの世界にどれだけじかに接触できるか次第ではないか、と勝手に考えるおばちゃんからの情報でした。

アフリカは熱く、トークには情熱がこもり、ちょっと疲れ気味のザンビアでした。

それではまた、ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

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    「日本なんかへ行ったら、あなたは即死だ!」の文句には心を打たれました。

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