77.ウガンダの孤児を訪ねて「生活編」(ウガンダ南部)
電気なし、水道なし、かまどなし!の田舎学校生活。炊事の煙が目にしみる~。

おはようございます。安希@ヴィクトリア湖がちょっとだけ見えるホテルの一室から。今日も快晴。清々しい朝です。
ウガンダ南部の学校へ到着し、子供達や先生の温かい歓迎を受けました。夏休み中だったので、孤児院に残っているこどもの数は20人程でしたが(もって行った物資も少なかったしちょうどよかった)、みんなで協力し合って生活をしている様子が良く分かりました。
このレポートでは孤児院の生活を書いてみようと思います。

■生活編

炊事:
人が生きていくために必要なもの、それは食事です。一日三回、食べなければいけません。子供達は、朝6時半ごろ目覚めると、まずグループに分かれて朝の仕事を始めます。
水を汲みに行く子供。掃除をする子。畑へ出かける子。朝食の準備をする子。朝食の準備と簡単に言っても、ガスなし、かまどなし、の炊事ですから大変です。
まず、予め乾燥させておいた薪(というか、木の枝)を炊事場へもって行きます。この「枝」がトゲだらけで、これを使える大きさに折っていくと、私のような軟弱者の手の皮膚からはいたるところから出血します。子供達はなれたもので、素手、素足で、トゲトゲの枝をどんどん折り曲げ、小さくして火にくべていきます。

炊事場の中には大きな石が三つあり、その上へ大鍋をかけ、薪を燃やして料理をします。煙がもうもうと立ち込める炊事場の中で、息を吹きかけ、手際よく薪を足していって、火加減を調整。上手な子供は火を絶やすことなく、どんどんと仕上げていくけれど、下手だと何度も火が消えてしまいます。
ちなみに私の吹く息は威力が弱くて使い物にならない!しかも煙で喉と目がやられて、ううっ~、涙が~。

煙の中で大鍋をかき混ぜるのも容易ではありません。特に、毎日食卓へ上がる主食のポショー(ケニア、タンザニアではウガリと呼ばれるトウモロコシの粉をふかしたもの)を作るのは大仕事。
固めのマッシュポテトを大鍋の中でずっとかき混ぜるような感じですね。焦がさないように、ボートのオールのような長い木製のへらを使って、かき混ぜていくと、粉はどんどん固まって、どんどん重くなり、汗がだらだら額を伝います。
そしてやはり、煙が目に沁みて…、だけど手を休めると焦げてしまう!しかも石の上の大鍋はバランスが悪く、かき混ぜるとガッタンゴットン左右前後に傾いて、ひっくり返りそうです。手で縁を押さえようとすると、燃え盛る炎が手を焼いて、アツッ!

こんなことを一日三回繰り返し、子供達は食事をしているのですね。

食事の片付けも、水道があるわけではないので、近くの小川から組んできたポリタンクの水を大切に使いながら、7~8歳くらいの子供達がせっせと洗い上げていきます。
みんな本当によく働きます。

洗濯&水浴び:
田舎の学校の土と緑の上を、子供達はほぼ素足で生活し(サンダルも一応あるけれど、履いたり履かなかったり。)、多くの家事をこなし、元気に遊びまわります。
従って洋服はすぐ汚れ、ぼろぼろになります。破れていない服はほぼ皆無でした。こんな服を洗うのも子供達の仕事。限られた水で効率よく洗っていきます。
タライに水をいれ、石鹸をつけてゴシゴシ。毎日選択するわけではないけれど、とても清潔な子供達でした。夕方には毎日水浴びもします。
小さな子供達がタライの周りに素っ裸で集まって、石鹸でゴシゴシからだを洗います。わずか4~5歳の子供達が自分から冷たい水で身体を洗う姿は、なんというか…たくましいです。

水汲み:
水の大切さ。みずの有り難さ、痛感しました。もちろんこれまでも沢山の乾燥地帯、砂漠地帯を旅してきたので「水の大切さ」をよく思い知らされてきましたが、今回の学校生活での水道の無い生活は、また一味違ったものとなりました。
ウガンダは森と湖に囲まれた、水の豊かな国です。けれども、水道が無いと、生活水の調達に多くのエネルギーを費やすことになります。子供達の生活も、朝起きてすぐに水汲み。お昼ごはんの後も水汲み。水がないと何も始められないのです。
子供達は、日本でもおなじみの灯油を入れるプラスチックのポリタンクを担いで近くの泉まで歩いていき、水を入れて帰ってきます。ポリタンクのサイズは10Lと20L。つまり、帰りはタンクの重さが10kgと20kg。

一番面倒なのは、泉の水の出がゆるいために、タンクに水が溜まるまでじ~っとその場で待っていなくてはならないことですね。しかも、地元の人たちもみんなポリタンクを抱えて集まってくるので、順番を待っていたら2時間くらい過ぎてしまうこともあります。

まず、4~5歳の男の子達と一緒に空ランクを持って泉へ行きます。自分の腰の高さくらいまである黄色いタンクを持ってふらふら走っていく子供達…、う~ん、かわいすぎる。
そして泉へ着くと、水をタンクに溜めながらその場に待機。無邪気な少年(幼児)たちは、泥んこ遊びなんかを始めてしまいます。かっ、かわいすぎる。
10Lタンク2本、20Lタンクに4本の水が溜った頃、大きいお兄ちゃん10~13歳くらいが、中国製の鉄の塊のような自転車をこいで迎えに来てくれるので、水の入ったタンクをバランスよく自転車の前後左右に(渡し木やゴムロープを使って)くくりつけていき、重さ100kg水をつけた自転車を皆で押して学校へ帰ります。
後ろ側にばかりタンクをつけてバランスが崩れ、自転車が後ろ向けに倒れて立ってしまったり(天高く飛び上がった前輪にぶら下がって、ぬお~っと、元に戻しました)、がたがた道を走ると、キャップのないタンクの口から水が飛び出してずぶぬれになったり…。

自転車を引いていくお兄ちゃんは、いっときも気を緩めることなく自転車のバランスを取り、チビちゃん達は自転車の後ろを押していくのです。必死に労働する子供の姿を「かわいい」なんていったらダメなのかも知れないけれど、自転車を押すちびちゃん達は、やっぱりかわいすぎて…、おばちゃんノックアウト。
みんなで自転車を押して学校へ戻りつくと、留守中にそれぞれの仕事をしていた子供達は、「Welcome Back!(おかえり!)」と大きな声で迎えてくれるのです。そして労働を終えた子供達に悲壮感は全然なくて、すぐに無邪気に遊びはじめます。元気じゃのぅ。

掃除:
学校が清潔に、よく整理されて、しっかり管理運営されている理由の一つは、掃除の習慣にあります。掃除は主にちびちゃんたちと、障害のある子供の仕事。
草や木の枝を束ねたほうきで庭を掃き清めるチビちゃん達。「ほうきで」掃いているのか、「ほうきに」掃かれているのか…、一生懸命にほうきを振り回す子供達の姿は…、かわいすぎて、おばちゃんノックアウト。

植林と野菜作り:
学校の庭(敷地面積120エーカーくらいあるらしい)では、植林と畑作りが少しずつ進められています。マンゴーやアボカドの木や、薪につかう木を植林したり、畑には、バナナやサツマイモが植えられていました。
普段学校があるときは、子供達は勉強が仕事なので、畑仕事は地元の人を雇ってやるらしいのですが、夏休み中ということもあって、大きいお兄ちゃんお姉ちゃんは、朝から鍬をもって植木の世話をしていましたよ。
重い鍬、重い鍋、重いタンク、それらを使いこなす少年少女の体力には感心しました。すごいねぇ~。おばちゃんは3日目に筋肉痛でノックアウト。

学校の裏の畑からはサツマイモが取れるので、取ったばかりのお芋が食卓に上がることもありました。おいしかった~。バナナはまだ木が若いのであと9ヶ月くらいしたら実り始めるでしょう、とのことでした。
少しずつ畑の面積が増えて、自給自足できるようになったら素晴らしいなと思いました。

規則正しい生活:
夏休み中とは言え、孤児院の生活は規則正しいです。朝の労働のあと、10時前に朝食、午後1時半ごろ昼食、そして7~8時に夕食をとり、夜は電気が無くて真っ暗になるので、就寝も早いです。
私にとっては、久々にとても規則正しく、健康的な生活を送ることができたので、田舎生活に感謝です。

■食事編

食事は質素です。生徒数80人、うち孤児が55人で、学校で寝泊りをしている子供が42人、授業料を払える親(親戚、身元保証人)はほとんどいない現状の中、42人の子供には1日3食。他の「通い」の子供達にも朝と昼の二回の給食が無料提供されています。
ウガンダの公立校では給食制度は無いらしいので、この私立校のサービスはすごいですね。ただで勉強を教えてご飯を食べさせているわけですから。
公立校へ通う子供のお弁当は、お弁当と呼べるようなものではなく、ちょっとした残り物をバナナの皮に包んで持ってくる程度(日本のようなお弁当文化はないので)。朝早くから遠方から歩いて通う子供達の、まずは空腹を満たしてから勉強に力を入れる。素晴らしいですね。公立校でもこのアイデアを見習ったほうがいいかも。

これだけの数の「口」をまかなっていこうと思うと、食事内容は質素になります。
奥さんの話によると、「一般の家庭ではもっと良いものを食べているけれど、うちの現在の経済状態で提供できる食事には今のところ限界があります。畑を増やしたり、たまにボランティアが差し入れをしてくれたりして、食事内容も少しずつ改善されてきてはいるけれど、まだまだ厳しい。」とのことでした。

それで食事内容ですが:

朝食:ポリッジ。トウモロコシの粉を水と極少量の牛乳で煮詰めた、飲むおかゆみたいなものですね。味はないですね。人数が少なくてラッキーなときは、ミニバナナがついたりします。

昼食:毎日同じで、ポショー(トウモロコシの粉をふかしたもの)にジーナッツソース(ナッツをすりつぶした粉を煮詰めて作るソース。美味しい!)をかけたもの。
たまに、キャベツやトマトが欠片ほど入っていることもあります。が、基本的に野菜は高価食材なので、抑え気味。

夕食:毎日だいたい同じで、ポショーにスープをかけたもの。スープは、煮干し少々と野菜(キャベツやトマト)少々を入れて煮たものです。具はと~っても少ないです。
25人前の材料が、ニボシ一掴み半とトマト6個ぐらいで、のこりは液体ですね。要するに、味のないポショーに何らかの味をつけてお腹を満たす感じの食事です。

特別な日:ポショーの代わりにサツマイモが出ます!久々に口にする「甘味」!美味しすぎるのです…、感動。子供達も嬉しそう。
それからポショーの代わりにマトケというのもあります。マトケとはウガンダのバナナのことで、ウガンダの一般家庭ではマトケ(青いバナナの皮をむいて蒸かし、練りつぶしたもの)が多く食べられているそうです。
近所の農家が青バナナを差し入れしてくれたり、ちょっとフンパツした日には、マトケが食べられます。これがまた美味しくてねぇ。おばちゃんは感動。
白米もたま~にですがあります。奥様の話では、ボランティアに来た日本人が差し入れをしてくれた白米があるのだそうで、特別な日には食卓に上がります。

特別な午後:差し入れがあると、ジャックフルーツやバナナケーキ(ほんのり甘いはんぺんのようなケーキ)が食べられることもあります。私も、パイナップルとバナナの差し入れをしてみました。
子供達、すごく喜んでくれました。けれど、あまり調子にのって与えすぎると、自分が去った後「差し入れが無いとき」が辛くなっても困るので、「時々差し入れをする」ように、頻度には神経を使いましたね。

食事は質素だけれど、子供達は健康に暮らしているし、奥様の話では、田舎のほうでは飢えや貧困はほとんど無いのだそうです。
田舎には物資はあまりないけれど、食べ物は沢山あるから。とのことでした。貧困や食糧難が問題になるのは、むしろ都市部のスラムの場合です。

私個人としては、ポショーもジーナッツソースもニボシスープも、とっても美味しかったです。貧乏旅を続けているせいで食生活はむちゃくちゃな事も多いのですが、学校にいた2週間は3食しっかりと食べさせてもらって健康的でした。(子供達のご飯、とっちゃってゴメンよ~、の罪悪感もあるけれど。)
ただし、この食事をずーッと続けるのも大変なことだと思いました。もう少し内容にバラエティができて、野菜が増えてくるといいなと思います。二週間だったから美味しく食べられた食事だったと思います。たんぱく質(豆や肉)や、甘味をたまには口にしたくなりますね。
畑のバナナも成長中だし、これからもっとキャッサバやジャガイモなんかも育てて、ポショー以外のものを口にする頻度が少しずつ上がってくると子供達も嬉しいだろうなと思いました。

すぐに全てが良くなったり、急に肉や野菜がたくさん食べられたり、そんな必要は無いけれど、まあ、少しずつ、だけど確実に、持続可能な範囲で、食事も生活も改善されていくことを祈っています。

ちなみに、鶏のオスは、もうすでにいました。そして卵が孵って、数も増えていて、さらにあと21日で孵化する卵も6個ぐらいありました!!うんうん、どんどん増えていけば、月1回、あるかないかの「肉」の日が「二週間に一回」になる日も夢ではない!
さらにメスが増えれば、卵が食べられる日が来るかもしれない!楽しみです。

そんな訳で、鶏のオスを寄付する必要はなくなりました。っが、聞くところによると、以前飼育していたブタが、何者かによって盗まれてしまったらしい。
そうかぁ~、ブタさんが盗まれちゃったのかぁ~、残念だなぁ。そこでおばちゃんは、鶏の代わりに子豚を探しに近隣の農村へ出かけました。
随分あちこちの家を回り、ついに見つけました!かわいくないけど健康そうなブタ!!

あんまり小さい子豚を飼うと、薬をあげたり、飼育をするのが難しいのだそうです。せっかく買ったブタが死んでしまったりしたら、子供達も悲しむだろうし…。
そこで「ちょっと憎たらしい見栄え」まで成長した中ブタを買って、これなら問題なく育ちそう。ブタというのは「天然の生ゴミ処理機」みたいなものなので、学校に置いておくにはうってつけなのではないでしょうか。
学校なら、バナナの皮も、芋の皮も山ほど生ゴミが出るので、あとはブタさんに、ブーブー言いながら食べてもらい、まるまる太ってもらって、大きくなったら売り飛ばして、そのお金で子供達が肉や野菜を食べられたらいいな~と。
おばちゃんとしてはブタの成長を楽しみにできるし、まあ、ちょっとした自己満足ショッピングでした。ブタを飼うなんて生まれて初めての体験でしたよ。

さて、孤児院での生活や食生活を一通りザッとレポートしたところで、次回のテーマは医療。たまには医療のことも書いておかないと「医療改革フォーラム宛」のレポートとていは格好がつかないのです…。
乞わない…ご期待!

それではまた。ごきげんよう。

安希

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