67.南京虫という地獄!②(サナア)
世界南京虫撲滅協会の設立へ向けて。まずは傾向と対策の検討から。

旅人の苦悩トップスリーは、痒み、痛み、下痢。その中でも痒みが頭五つ分ぐらいリードしている今日この頃。
「南京虫という地獄!」の続編を、この情緒溢れるサナアの地からレポートさせていただきます。

■南京虫とは?

南京虫被害に見舞われ、すっかり弱気になっていた私は、街の観光もそこそこにネットカフェへ篭り、「とりあえず同情してくれそうな友達」にせっせと報告。
そして、南京虫に関する情報収集に午後の長い時間を費やしました。

1.南京虫とは、別名トコジラミと言い、体長5~8ミリのオレンジ色の扁平甲殻虫です。幼虫と成虫の差がなく、生まれてきた虫はすぐに吸血虫としてその力を発揮。

体長の大きいもので10分以上もの間、吸血し、体の大きさの約5倍に当る量の血を一気に吸う。満腹の状態の南京虫はもはや扁平ではなく、お前はテントウ虫か?!と間違えるくらい膨れて丸くなる、らしい。
  
一度住みかを発見すると、そこに住居を構え、毎日1~5個の卵を産んで家族拡大、子孫繁栄。3ヶ月ほどの一生を、吸血虫として全うする。(彼らの住居は、はがれた壁紙の裏、ベッドの木枠、絨毯などと言われている。)

また、日中は静かにしていて、夜になると活動開始。特に明け方、人肌に近づき、足首、腕、腰、肩、首を中心に熱心な吸血活動を行う。
吸血中の虫は、麻酔が使えるので、寝ている人間は吸血に気づかず、その被害を朝目覚めてから知り、悲鳴を上げる運命にある。ただし、吸血口の皮膚はしっかりと食い破られ、痕はしばらく消えない。

2、南京虫にかまれると、まず二箇所続けて赤い腫れが残ります。私の経験では、50箇所ほどかまれたうち、2つ続きのかまれ痕と、一つだけのものがあり、それによって、南京虫かダニかが判別できました。
  
ただし、イエメンやアフリカやインドに生息するダニは、南京虫級の、体格(目に見える)と吸血力を持ち合わせているので、痒さや腫れの度合いに違いがあるわけではない。
  
南京虫、ダニは共に、3日から1週間ほど、かまれ痕が赤く腫れ、尋常ではない痒さを伴う。腫れ具合は、ちょうどツベルクリン反応の注射のあとのような感じで、大きいものは直径2.5~3センチほども腫れ、痕がなかなか消えない。
  
一週間ほど痒みに耐え、薬を服用していると、赤い張れが少しずつ治まり、吸血口痕のかさぶたと、赤黒いシミがアザのように残る。それからまた数日すると、なぜか、直径7ミリぐらいの赤い「しこり」のようなものが出来始め、これがまた痒い。(第二次痒い期、と命名。)
  
「しこり」が数日で和らげば、あとはアザのみが残る。虫の大きさ、症状の度合い、掻いたかどうかにもよるが、通常3ヶ月から半年はアザがの残るといわれている。(私は、足と腕の一部を耐え切れず掻いてしまったので、アザが残っています。足はまだ「しこり」があって痒いものもある。首と肩は、とにかくどんなに苦しくても掻かなかったおかげで、アザもあまり目立たなくなりました。このまま早い完治を祈るのみです。)

3、かまれると、死ぬほど痒い南京虫。その昔、害虫駆除が徹底されていなかった頃、とくに貨物船の船員などは、その被害(痒さ)にしばらく苦しみ、しかししばらくすると免疫ができて南京虫と共存できるようになっていったらしい。(へぇ~。)
  
また、ヨーロッパでも大繁殖していた時代、貴婦人達は、スカートの裾に「南京虫とり器」なるものをぶら下げて、共存して(というか生き延びて)いたらしい。「南京虫とり器」とは血のついた肉塊などを小さな網に入れて持ち歩き、吸血鬼をそちらへ引き付ける作戦の画期的な器具。(本当かぁ~?)

4、南京虫の繁殖と汚染地域拡大を助けるのは、貨物と旅行者。バックパックの縫い目などにちゃっかり隠れて、どんどんとトラベルし、新大陸、新天地、新住居を探し、子孫繁栄。
  
イエメンに南京虫が多いのは、まず、アフリカ大陸(特にエチオピア)がすぐそこにある。バックパッカーもイエメンーエチオピア間を移動する人は多いので、所持品(カバンや寝袋)にくっついて虫がトラベルをする可能性は高い。特に、何日も風呂に入らず、服を洗わず、長期に渡って髪を切らないような不潔なパッカー(何ヶ月も髪を洗わないようなパッカーもいる・・・)にひっついて南京虫が移動してくるのは当然。
  
また、私の宿泊先の宿にも沢山のアフリカ系の人たちが泊まっています。彼らの所持品に南京虫がいたとしても驚きではありません。 
  
そして、近年、全米(とくにニューヨークをはじめとする東海岸を中心に)で南京虫が大繁殖しているらしい。天災か人災か?天変地異か?単に旅行者や貨物の往来が増えただけ?グローバリゼーション??

■南京虫被害とその対策

さて、南京虫の惨事を「友達に同情してもらい」、腫れと痒みも少し治まって「鬱」脱出の私が次に考えたことは、南京虫対策です。まっ、やられたならば、やり返す!と。
ついつい弱腰になっていたアフリカ大陸突入計画へのモチベーションも回復し、そうです、いよいよ次はエチオピア!サナアでの教訓を生かし、対策を練らなくてはいけません。
そう考えると、このサナアでの危機は、アフリカ入り前の旅人に対する、大変貴重で意味のある警告だったように思います。南京虫の脅威を肌で感じることなく、無防備にエチオピアへ飛び込み、害虫被害初体験で500箇所かまれたりしていたら、おそらく失神、病院搬送、強制送還、ER。だったことでしょう。
というのはちょっと大袈裟?

それでは、
「アフリカ大陸サバイバル専用マニュアル、南京虫とダニの傾向と対策」。

1、宿のシーツを信用しない。南京虫の被害は、何も安宿だけに限ったことではなく、運が悪ければ、高級ホテルや一見キレイそうなシーツにだって、いるときはいる。高級ホテルで被害が出たケースでは、訴訟に発展しますが、安宿の場合はフロントのお兄ちゃんがニヤ~ッと笑うだけ。
  
従って、チェックインしたらまず、シーツを全て剥ぎ取る。

2、殺虫スプレーで宣戦布告。ベッドのマット、ベッドの木枠などをスプレーし、害虫を殺戮。

3、ビニールシートをセット。厚めのゴミ袋(大)二枚をガムテープで繋ぎ合わせ、縁の部分を中心にガムテープで補強。またはレジャーシートなどを使用。
ビニールシートをベッドの上に敷き、シートがずれてこないようにテープで補強。

4、寝袋、または携帯シーツをセット。気温が高い地域では寝袋は寝苦しいため、シーツで薄型寝袋を作る。作成方法は、ダブルのシーツを二つ折りにして縁を縫い合わせ、サイドや足先から南京虫が入ってこれないようにガード。
また、寝袋、携帯シーツ寝袋の保存には、防虫剤を使用。畳んで持ち運ぶ際に必ず防虫剤を挟み込んでおく。

5、枕もビニールで包み、自分専用枕カバーでしっかりガードし、セッティング。

6、極端に暑い地域を除いては、薄いウィンドブレーカーを着用し、フードもしっかり被ってチャックをしめ、裾はズボンの中に入れて紐でくくり、南京虫が腰の隙間から潜入するのを防ぐ。
(サナアは比較的高地で冷涼なため、現在はウィンドブレーカーで上半身をガード、寝袋で下半身をガード、唯一露出している顔と手の甲は虫除けスプレーでガード。の作戦で、部屋を移ってからは被害食い止めに成功しています。)

7、電気は消さない。南京虫は夜行性のため、電気をつけっぱなしにしておくと、出てくるタイミングを逃すらしい。
(現在、電気つけっぱなしで就寝し、明け方に日が昇ったのを確かめてから、カーテンと窓を全開にして電気を消し、そこから爆睡。だけど、疲れが取れないというか、けっこう辛いですね。)

8、肌の露出面積をできるだけ減らし、露出している部分には虫除けスプレーをつけておく。または、ライムなどの絞り汁をこすり付けておくのも良いらしい。

9、バックパックの縫い目、靴、上着、寝袋などを定期的に徹底チェックし、虫がついていないかどうかを確認、および殺虫剤で予防。虫を発見した場合は、見せしめも兼ねて「叩き潰しの刑」にて処刑し、しばらくサラシモノニする残虐さを忘れない。

10、衣服をよく洗濯し天日に干し、清潔に保つ。また寝袋やバックパックといった所持品も定期洗濯、天日干しで害虫除去。

それでもかまれてしまったら…。

1、被害の出たベッドを速退去。部屋、階、ホテルも、できれば変えたほうが良い。そしてすぐに所持品チェック。

2、スイスの痒み止めの薬、Fenistil24を服用。ダントツ高いだけあって、結構効く。また塗り薬バージョンのFenistilも常に携帯し、痒くなったらすぐに塗る。
極力掻かずに、ひたすら耐える。

3、それでも掻いてしまって出血したら、傷口を消毒する。化膿止めの抗生物質が一番良いらしい。あと、馬油なども良いらしい。化膿すると、ますます治りが遅れ、またばい菌だらけの地域を旅する以上、さらに危険な菌が入る可能性も高い。ので軽視せずこまめに治療する。

以上、アフリカでは常に心がけたい予防と治療でした。

■南京虫とビジネス

現在、欧米で大流行の南京虫。その被害はここ三年あまりで急速に拡大しています。
害虫駆除専門会社に寄せられる依頼も、南京虫駆除が数百~数千件の伸びを記録中らしい。儲かって儲かって、笑い止らぬ害虫駆除業者。
従って、欧米で新たなビジネスをお考えの方は、南京虫駆除業をお勧めします。今が旬。ちなみに、ビジネス拡大を期待される場合は、不潔そうなバックパッカーのうち、インド、エチオピア、マダガスカル、イエメン、およびマレーシアの一部からの帰国間もない者と闇でビジネス提携してみると、さらなる効果が期待できます。

また、ビジネスで欧米へお出かけの皆様も、高級ホテルのベッド、清潔そうなシーツを甘く見ることなく、常に警戒心を持って渡航されることをお勧めします。南京虫は、忘れた頃に襲ってくるのです!
そして、個人的には、南京虫を地球上から撲滅すべく、徹底抗戦を試みたい。(世界南京虫撲滅協会の設立)

以上、南京虫情報でした。
それではまた、ごきげんよう。

安希

P.Sイエメンの安宿にてプレ‐アフリカ大陸を体験中。宿にもアフリカ系の宿泊者が多く、共同トイレ、シャワーの使用の仕方なども含め、イエメンではアフリカが近いのかしら?と実感させられること度々。
シャワー&トイレ(しゃがむタイプ)を使おうと思い、全開のドアから足を踏み入れると、うぉ・・・宿のフロントのお兄さんがお尻丸出しで大便中。どうしてドア全開で「きばっている」のだ~!目が合ってしまうと、お兄さんは「きばりながら」ちょっと恥ずかしそうに微笑みました。うぉ・・・。
その話を、同じ宿の別の旅行者にすると、彼(韓国系パッカー)は驚くことなく言いました、「僕がシャワーに行ったときは、アフリカ系の女性がドア全開で大便中だった。目が合うと、「きばった状態のまま」『ハイ』と手を振ってきたので、『ハイ』と振り返した。」のだそうです。
シャワールームにうんこが落ちていたりする今日この頃。アフリカ大陸も間近です。

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