66.南京虫という地獄!①(サナア)
世界の秘境イエメンで私を待ち構えていたのは、南京虫…。ビビル私。凹む私。

皆さん、こんにちは。アラビア半島の南端、アフリカ大陸も目と鼻の先、安希@イエメンからのレポートです。

イエメンに興味を持ったきっかけは、大学時代の文化考古学の授業でした。あれから何年かの時を経て、来てしまったよイエメ~ン!
イエメンはアラブの国の中でおそらく一番伝統を残し、言い方を変えれば鎖国気味というか、そしてまだまだ未発展のおかげで古きよきアラブ文化に触れることが出来る国です。

男性が、現在もなお民族衣装で生活している国、特に首都圏でも民族衣装が残っている国は、未発展鎖国の国ミャンマー以来ですね。
首都サナアの町を歩く男性のほとんどが、きらびやかなベルトに短剣を刺し、誇り高く暮らしている国です。
女性はもちろん全身黒尽くめで目しか見えません。ここまで徹底して宗教的伝統や文化を残している国は、他にはなかったと思います。パキスタンより更に戒律を堅く守る国です。

ところでこのイエメンの、美しい古都サナアから、まず何をレポートしたいかと言うと、じっ実は・・・、悲劇の南京虫事件でございます。
やられてしまった。南京&ノミ&ダニ軍団に食い荒らされてしまったのです。したがってサナア滞在10日ほどになりますが、そのほとんどを「鬱」状態で過ごしてしまいました。正直、苦しかったです。
イエメンレポートが南京虫情報だなんて、我ながら情けない限りですが、これ以外に書くことが思い当たりません。ので、今日は害虫被害と今後の対策についてのお話を。

■世界3大南京の宝庫ではなかったのに・・・。

南京虫と言えば、インド、エチオピア、マダガスカル、が一応世界3大宝庫とされているようです。従ってイエメンは、私としてはノーマークでした。
多くの旅行者が南京地獄に苦しむインドでさえ、南京虫がいることすら知らなままに無防備、無傷で通過し、全く運よくイエメンにやって来た私も、ここでアウト。

ヨルダンで出会った女性が、イエメンでダニにやられて今でも痕が消えないと話していた以外は、イエメンの害虫話は聞いていなかった。。。ので何も考えず普通の安宿のボロ部屋にチェックインし、少しだけ虫除けスプレーをベッドに散布して就寝。
っで、次の朝。実は翌朝は特に問題はなかったのです。かまれてから症状が出るまでに少し時間がかかっていたのか、それとも初日は南京虫たちも私の存在に気づかなかった?からか、特に問題は感じませんでした。
そしてもう一泊。翌朝、腕に数箇所の刺された痕を発見。う~ん、死ぬほど痒いわけじゃないし、ちょっとダニにやられたのかな…、と思い、しばらく様子を見ることに。すると時間の経過と伴に、足の周りにも腫れが出てきた。。。ぬぬぬ。なんだコレは。
危険を察知した私は、シーツを剥ぎ取り、虫除けスプレーをマットに散布。その上にビニールシートをセットし、外で叩いてから戻したシーツにも虫除けスプレー、自分の体にもスプレー。そして就寝。

っが、大変だったのは3日目の朝でした。両足、両腕はもちろん、腰、首、そして一番ショックだったのは肩から肩甲骨周辺にかけて食いに食い荒らされて出来上がった赤く膨らむ山脈ですね。
自分の目で確認できる範囲だけでも50箇所ぐらい腫れていて、背中や腰などは、うんうん、触るとボコボコになっているのが分かる。そして地獄の痒さスタート!
この痒さは、もう噛まれた人でなければ分からない、普段蚊にかまれて「痒い」と言っているような痒さではなく、この状態を表現するために新単語を広辞苑に加えてもらいたいぐらい!の地獄でした。

すぐに部屋を飛び出し、フロントへ連絡。なのにフロントのスタッフの表情は結構余裕で、にやにやっと笑っていたりするからますます切れる~!
とりあえず殺虫剤をもって部屋に戻り、カバンの中の所持品全てに噴霧。バックパックの中も外も、噴霧。靴の中も噴霧。そして部屋を移動し、新しい部屋のありとあらゆるところにも噴霧。
赤く腫れあがった箇所にはかゆみ止めをつけて、あとは耐えるしかない・・・が、痒くて痒くて、ううっ。

午後になって旧市街を歩いていると、とあるホテルのロビーでどうやら日本人らしき旅行者に出くわし、害虫ショックに凹んでいた私は思わず彼女に話しかけてしまいました。
そして話していると、なっなんと、この女性も実は私と同じホテルに滞在しており、私が「悪魔の南京部屋」へチェックインする前に不運にも二晩をそこで過ごし、害虫被害にあって、慌てて部屋の階をかえたらしい!
っと言うことはなんじゃ?フロントは、あの部屋に南京虫やらダニが繁殖していることを知っていて、私を部屋に通したってことカイ!痒さと全身の腫れも手伝って、完全にぶっ壊れる私・・・。ぬぉ~~!
その女性は、インドで購入したかゆみ止めの塗り薬と、さらに現地薬局で勧められた飲み薬を服用して痒みに耐え、やっと腫れが治まってきたところだと話していました。

アンチヒスタミン系?の薬で抑えるのが一般的らしいのですが、現地薬局ではフェニラミン?とかいうドイツの薬を出され、彼女の場合は規定量では耐えられなかったので倍の量を服用して耐えた・・・と。
夜も痒みで眠れず、南京虫を警戒して電気もつけっぱなしたまま毎晩を過ごし、とにかく地獄である・・・と。

うんうん、まさに。まさにそうです。私もすぐに薬局に行って薬飲んだけど、倍の量を飲んでもまだ痒い!塗り薬なんて全然効果ないじゃんか!
深く落ち込んだ私は、いよいよ病院へ行く決心をし、保険証をもってホテルを出ようとしていたところ、更に別の日本人旅行者に出くわした。
というか実は、彼女はパキスタンの山中で数日間私と同じ部屋に泊まり、一緒に氷河を見に行った旅人で、つまりサナアまで来てバタッと再会しちゃったわけです。
そういえば、彼女は以前エチオピアに行って全身をダニに食い荒らされ、その後遺症を引きずってパキスタンに来ていたなぁ~と思い出した。そして害虫専門家?の彼女にアドバイスを求めると、病院へ行っても同じような薬をもらって、結局は耐えるしかないと。イエメンの病院の質は最悪なので行くだけムダだ。と。

心身ともに疲れ果て、宿に戻って寝袋を広げると、うおぉ~、南京虫がいた!いました現物!6本足のオレンジの甲殻虫で、体長約5ミリ!あらん限りの憎しみをこめて、ティッシュで潰す!と潰れた虫から血がどば~っん飛び出して!ふぇ~、これは私の血ではございませんの~。
あれだけ殺虫剤を撒いたにもかかわらず、3日間もの南京虫部屋滞在の間に、かなりの虫が私の所持品にくっ付いて部屋を移動してしまったらしい。
そこで再び殺虫開始!全ての所持品を一つ一つ丹念にチェックし、バックパックや寝袋の縫い目、チャックなどなどもチェックし、殺虫剤をもう一度噴霧。結果、4匹の南京虫を採取、および処刑。

小さなゴミやシミや糸くずなどが視界に入ろうもなら瞬時に飛びのき、少しでも皮膚に刺激を(チクリと)感じようものなら、真夜中であっても飛び起きて、害虫チェック!
要するに一番の問題は精神的な疲労ですね。とにかく虫への恐怖と痒みの我慢により常に緊張状態。ストレス100%。さらにもしかしたら薬の飲みすぎや寝不足もあるのかもしれないけれど、気分がやたら落ち込んで、いつになくどよ~~んと暗い旅人に成り下がってしまったのでした・・・。

憧れのサナアで、次なる攻略地「アフリカ大陸」への旅の計画を練る予定が、アフリカの地図を開いただけで眩暈がしてくるあり様でして、情けない限りですね。
サナアを抜け出しても、次に降り立つ国が「世界三大南京虫の宝庫エチオピア!」じゃあ、意味がないじゃんかぁ…。じゃあもういいよ、エチオピアなんて行かない。飛ばしてさっさとケニアに行くよ。と、計画変更まで考え始める始末でして、情けないですね。
とまあ、とにかく腫れがひどかった数日間は「鬱」でした。モチベーションがここまで低下したのは、初めてでした。自分でも驚きました。
そして南京虫って、凄いんだなぁ、と憎しみと伴に感心してしまったほど、彼らは旅人の私にとっての脅威となりました。
こんなにも南京、南京、と大騒ぎして、じゃあ北京は?とバカにされそうですが、このサナアの安宿から話したいことは南京以外にございませんので、どうかお許しください。

南京虫との戦い、後半へ続く。

ぬぉ~。

安希

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