『LGBT・紹介レポート』Week 8
〜関連映画・書籍・戯曲 ⑧〜

week8は、以下の5作品。『自由とセクシュアリティ』をテーマに選びました。ジェンダーロール(性別に与えられた役割)や固定化されたセクシュアリティへの抑圧からの解放。また、自由な自己表現、自己主張を考える上で役立ちそうな作品です。描かれた世界を理解する必要はないと思います。そもそもアートなんていうものは、”理解”するために存在している分野ではないですから。アートも人生も、楽しんだ者勝ち。今回は、書籍の紹介はありません。

Play

ヴァギナ・モノローグ』イヴ・エンスラー著

イヴ・エンスラーが女性たちへの(女性のヴァギナへの?笑)インタビューを元に構成した芝居。この作品には、個人的にも特別な思い出があって、2002年夏にサンフランシスコで、イヴ本人による一人芝居を演技学校の友人たちと一緒に観ました。台本もパフォーマンスも、もちろん最高でしたが、観客の150人近くが演技専攻の学生だったおかげで、劇場が爆発するんじゃないかというくらい、みんなで笑い倒したのを覚えています。隣に座っていたアフリカ系アメリカ人の男の子(たぶん、ゲイだったんじゃないかな)は、笑い過ぎて呼吸困難になってたし。
“If your vagina could talk, what would it say, in two words? ”
Slow down. Is that you? Feed me. I want. Yum, yum. Oh, yeah. Start again. No, over there. (笑)Lick me. Stay home. Brave choice. Think again. ……Remember me? (笑)……Bonjour.(笑) Too hard. Don’t give up. Where’s Brain? (笑)続きは自分で読んでみて。

 

Film

Paris Is Burning (パリ、夜は眠らない)』ジェニー・リヴィングストン監督

80年代に、ニューヨークのボール文化(アフリカ系、ラテン系のゲイやトランスジェンダーが発展させたダンス文化)を追ったドキュメンタリー映画。セクシュアルマイノリティであると同時に、人種的マイノリティでもあった彼らが、独自のコミュニティを形成し、自己表現していく姿が反響を呼んだ。また、ボールから生まれたヴォーギング(ダンススタイル)を取り入れた、マドンナの『Vogue』がヒットするなど、新しい流れを作った。

 

 

テルマ&ルイーズ 』リドリー・スコット監督

女の希望を投影した、ドリーム映画であることは間違いない。けれど同時に、女のメンタリティーと行動パターンを、かなり正確に描写したリアリスティックな映画、だとも思う。脚本と演出が上手いのは確かですが、ジーナ・デービスの間の取り方が完璧で、気分爽快になれる一本。(ただし、男性が観ても面白くないかも・・・)スターウォーズがつまらなさ過ぎて、最後まで観られないという女子は、この映画を観た方がいい。ラストシーンは、角田光代さんの小説『対岸の彼女 』と重なったりして、女にとっての「女」や、女性間の関係がよく分かる作品。(ちなみに、世の中の数ある「レズビアンもの」の映画というのは、ヘテロセクシュアルの男性の希望的妄想によって作られた、単なる異性愛男性向けのポルノです。勘違いしないように)

 

プリシラ 』ステファン・エリオット監督

3人のドラァグクイーンが、オーストラリアの砂漠地帯をバスで旅する話。広大な砂漠を背景に、3人の個性と衣装が冴え渡っていて、心地よい刺激と開放感がある。一見ハチャメチャに見えるストーリーラインの中に、妙に心に沁みる場面があって印象的。とくに、バーナデット役のテレンス・スタンプについ見入ってしまう。彼の存在の中に、深い温もりというか・・・、優しさというか・・・を感じるのは、私だけだろうか?

 

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』ジョン・キャメロン・ミッチェル監督

旧東ドイツからアメリカへ渡るために性別適合手術を受けたロックシンガー・ヘドウィグが、自分自身を縛る自分からの解放を求めて旅をする話(だと私は思ったが、違うのかしら?)。タイトルにもあるアングリー・インチ(手術の失敗で股間に残ってしまった1インチ)の意味について、論理としてでなく生理的に理解しているのは、やはり男性なのかなと。どちらかと言うと、男性の中にある解放欲、とくにヘテロセクシュアルの男性の中にある欲求を刺激する映画ではないかと思う。いろんな人の感想を聞いてみたい。

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