『LGBT・紹介レポート』Week 1
〜関連映画・書籍・戯曲 ①〜

week1は、以下の6作品。『全体像の把握に役立ちそうな作品』をテーマに選びました。映画は、現在公開中の3作を選びました。3作ともに、かなりテーマが深いので、少し分かりづらいかもしれませんが、「現在こういう映画が注目されています」という意味で選んでいます。また、今回(初回)でご紹介しておかないと、映画の上映が終了してしまう可能性があるため、あえてこの3作です。

Book

同性愛と異性愛 (岩波新書)』風間孝、河口和也著

セクシュアルマイノリティに関する基礎知識から、LGBTの簡単な歴史まで、一通り網羅した一冊。論理的で分かり易く、入門書としては最適。一通り最後まで読むと、これまでの自分がセクシュアリティやLGBTについて何も知らなかったことが分かる。

 

Play

エンジェルス・イン・アメリカ 』トニー・クシュナー著

ゲイ問題を扱った台本としては、アメリカの演劇史を代表する作品の一つ。80年代のゲイを取り巻く社会問題を、これでもか、とばかりに盛り込んだ超大作。1989年に第一部が、1992年に第二部が上演され、トニー・クシュナーは、本作でピューリツァー賞戯曲部門賞を受賞。また、2003年には、アル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソンなど豪華役者を揃えてのテレビドラマ化。数々の賞に輝いた。全編で337分の超大作とは言え、脚本と役者のレベルの高さに圧倒されならが見終えることができる。中でも、ジェフリー・ライトの演技は必見。

 

ベント(台本)』マーティン・シャーマン著 (次週予習!)

1930年代に、ナチス・ドイツによって迫害された同性愛者たちの悲劇を描いた作品。1979年に上演され、1997年に映画化された。純血主義と優秀な民族の繁栄を目指したナチス政権は、ユダヤ人だけでなく、子孫繁栄に貢献しない同性愛者、身体障がい者なども、次々と収容所送りにした。来週からスタートする『LGBTの歴史』の予習としてもお勧めしたい。

 

Film

映画はいろいろありますが、現在公開中の3作品を取り上げます。上映終了間近のものもありますので、ご興味がおありの方はお早めに。

 

ダラス・バイヤーズクラブ』ジャン=マルク・ヴァレ監督

80年代のアメリカを襲ったエイズ危機を題材にした作品。主人公は異性愛者であるにもかかわらず、HIV陽性反応という現実に直面する。当時、エイズは同性愛者の病気と信じられていたため、彼もまた謂れのない差別と偏見にさらされる。主演のマシュー・マコノヒーと、助演のジャレッド・レトが、本作でアカデミー賞を受賞。激しい減量に耐えたマシュー・マコノヒーのか細い足が痛々しい。同じくアカデミー賞を受賞したメイク・ヘアスタイリングの技術の高さも見所。

 

わたしはロランス』グザヴィエ・ドラン監督

ジェンダー・アイデンティティ(性自認)とセクシュアルオリエンテーション(性的指向)の違いが、イマイチ分からない人。また、ゲイとトランスジェンダーの違いが分からない人は、この映画を観ると分かり易いかもしれません。主人公の男性は女性を愛していますから、ゲイではありません。でも男装でいる自分に強い違和感を持っているので、トランスヴェスタイトです。89年カナダ生まれの、若手監督による話題作。

 

アデル、ブルーは熱い色』アブデラティフ・ケシシュ監督

二人の若い女性の熱い恋愛を描いたフランスの映画。カンヌ国際映画祭パルムードール(最高賞)に輝き、その時は、長い官能シーンのことばかりが注目されて話題になっていた印象があります。一部、レズビアンのカップルたちからは、「あのシーンはウソっぽい」との反論もあったりして。ただ、実際に映画を観てみると、R18+っぽさは納得できるものの、官能シーンはそれほど印象に残らない。もっと些細なこと、恋愛の幸福さや苦しさ、それをとりまく日常の普遍的な要素が、ごく自然と描かれている映画。

 

 

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3件のコメント

  1. ナチスの優生政策の矛先は、障がい者だけでなく、同性愛者にも向けられていたんですね。知りませんでした。
    どのような『歴史』を辿ってきたのか、知らないことがたくさんありそうです。

    1. この事実を知った時は、私も驚きました。それと同時に、ああいった状況下では、確かにあり得るだろうなとも思いました。時代の風向きの恐ろしさ・・・ですね。

  2. 優生思考については、以前、「生命学に何ができるか」森岡正博著で読んだ記憶があります。と言うか所蔵しているので読んだに違いない。記憶はおぼろげなものですが生まれてくる子供に、遺伝的疾患(羊水検査異常)があった場合、人工中絶するというものだったかなと記憶しています。
    ましてや、その時代に同性愛などという「異常者」がいれば、当然のように淘汰の対象になったと思います。

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