250. フィリピンのオレオレ詐欺メール

皆さま、こんばんは。今日は、オレオレ詐欺に騙される心理をちょっとだけ体験した話です。

昨晩、台湾レポートを書いている時でした。突然アメリカの知り合いからメールが来ました。タイトルには「悲しいお知らせ・・・・・○○○○(友人の名前)」とあり、彼女からもらった久しぶりのメールだったのもあって、すぐにメールを開きました。以下、本文:

「I really hope you get this fast. I could not inform anyone about our trip, because it was impromptu. we had to be in Philippines for a Tour..The program was successful, but  our journey has turned sour. we misplaced our wallet and cell phone on our way back to the hotel we lodged in after we went for sight seeing. The wallet contains all the valuables we have. Now, our passport is in custody of the hotel management pending when we make payment.

I am sorry if i am inconveniencing you, but i have only very few people to turn to now. i will be indeed very grateful if i can get a short term loan from you ($2,650). this will enable me sort our hotel bills and get my sorry self back home. I will really appreciate whatever you can afford in assisting me with. I promise to refund it in full as soon as I return. let me know if you can be of any assistance. Please, let me know soonest. Thank you so much. ○○○○」

要約すると、フィリピンを旅行中に貴重品一切を盗まれ、ホテルの支払いができなくて困っている。ホテル側にパスポートを押さえられているので、今直ぐ支払いをしてパスポートを取り戻し、帰途につきたい。帰国したらすぐに払い戻すから、2650ドル送金して欲しい、と。

なんのこっちゃい、と思いましたが、もしかしたら本当に彼女はフィリピンにいて困っているのかもしれない、とも思いました。(最近、詐欺メールの類をほとんど受け取っていなかったのもありますし)
「本当に彼女かも?」と思わせた一番の理由は、それが私の覚えている彼女のAOLのメールアドレスで、しかも文章の最後に、彼女のミドルネームが入っていたこと。彼女との間では、ミドルネームを使うのが決まりです。それを知らない人なら、まずファーストネームで名前を入れると思うんですよね。だから、やっぱりこれは第三者じゃなく、本当に彼女なんじゃないか?という気もしました。それに、アメリカ人の彼女が旅先で不測の事態に巻き込まれ、今アジアにいる旅オタクの私に助けを求めているとしたら、それもありえない話ではない。

ただし、オカシイと思う点もありました。

メールの頭に、Dear も Hi もなかったこと。もちろん、一斉メールだからつけられなかったのかもしれませんが、それでも彼女なら、いくら緊急とは言え文頭に何かしらの言葉は入れるだろう、と。終わり方も、Thank you so much って書いてありましたが、彼女は普通、そんなことは書かない。もっと別の洗練された言葉を使います。

でも、本当に困っていたらかわいそうだしと思い、「大丈夫?手を貸そうか?」とすぐに返信。するとまたすぐ返事がきた。

「Thanks for the prompt response..You can have the money wire to us via western union, All you need is the name on my passport and present location below:

Name: ○○○○(友人の名前)
Location: One Rizal Park,Luzon 0913,
Country: Manila Philippines

Once you are done with the transfer kindly get back to me with the western union Money Transfer Confirmation Number(MTCN) to pick up the money with my valid passport and get back home on time, Let me know if you are heading to the western union NOW?Thanks」

要約すると:ウエスタンユニオン経由で上記のアドレス宛に送金をし、送金番号をすぐにメールして欲しい、とのこと。

おかしなメールだなと思いました。まず、彼女のaolから送られてくるはずのメールのドメインが、ドメインの部分だけyahooに変わっていたこと。彼女はyahooのメールアドレスは使っていない。それから、今度こそ「アキへの返事」を書いているにもかかわらず、相変わらず「Dear アキ」と書いていない。いくら緊急時といっても、こちらを気遣うメッセージを入れたり、近況のことを少し訊いてくれたり、そういうことは必ずする人だから。そして、最後のNOW?って・・。フィリピンが夜なら、日本は夜中だよ・・。夜中にパジャマでウェスタンユニオンに走って行くのかい?

でも詐欺メールというのはスゴイもので、今読むと本当にバカみたいな「ザ・詐欺メール」なのに、彼女が困っているかもしれない様子を想像しながら読むと、「切羽詰まってて大変そう!」という心理状態で文面を受け取ってしまうのです。不思議〜っていうか、怖いわ〜。

もしかしたら友人は、本当に緊急事態で困っているのかもしれないし、一応ウェスタンユニオンの営業時間と送金方法を調べてしまいました。はい、開いてないです。夜中です。(笑)しかも、こういう詐欺まがいの送金が世界的に多発しているために、ウェスタンユニオンでは、世界の多くの地域に対して送金をブロックしているという事実を知りました。は〜なるほどね〜。しかしフィリピンは送金ブロックリストには一応載っていなくて(だから向こうは詐欺を続けられるわけですけれど)、おばちゃんとしては、朝一でオフィスに飛んで行けば、かわいそうな友人を助けられる!と思ったのでした。そこでまたメール。明日の朝でないと送金できないことと、それで間に合わないようなら、アメリカの友人に助けを求めてください、と丁寧に返信。(っていうか、ちょうど今真っ昼間のアメリカに連絡して、家族に連絡すれば一発じゃん。笑)

するとまたyahooドメインからメールが・・・
「Okay………Please kindly have it done and get back to me with the transfer details once done.  I’ll def refund back your money as soon as i return.  I owe you a lot」

なんと雑な英語でしょう。残念でしたね、ここまで雑だとクロです。この詐欺師は、彼女の職業や教養レベルを知らずに、お友達英語を書いてしまいました。defって、こらこら・・・。(呆)このメールを受け取る前には、すでにアメリカにいる本人ともFacebookで連絡が取れていました。
『あなたのメールアドレスから、奇妙な送金依頼が来ているんだけど、これが詐欺メールなら対処したほうがいいし、もし本当に困っているなら、今から「あなた本人かどうかのテスト」をさせてもらうけれど、どうですか?』と。

彼女はすぐにFacebookで返事をくれました。詐欺メールです、と。そして、気づいてくれてありがとう。あなたに幸運がありますように、といつもの彼女らしい言葉がありました。

さて、詐欺師との会話は、そのまま「相手が詐欺師だと気づいていないふりをして」続行しました。翌朝から昼頃にかけて、緊迫感のあるメッセージが送られてきましたが、同じように緊迫感をだしつつ、おもいっきりじらしてみました。最後には、「私は今会議中で忙しいから、代わりに夫のケンタ(誰やねんそれ!)を、ウェスタンユニオンに送ったわ。だから直接彼に連絡して、送金番号をもらってちょうだい。幸運を祈ってるわ!」みたいなね。ケンタが出てきたあたりから、相手も何を書いたらいいのか分からなくなって混乱したらしく、同じような「今直ぐ助けてくれ」的なメールが、今流行のコピペで繰り返し送られてきました。(フィリピンでも流行ってるんだ〜)

ちなみに、送金指定された住所を調べてみたら「マニラ・ホテル」でした。
ネット検索したら、他にもまったく同じ手口の「マニラホテル指定の詐欺メール」を受け取った人がたくさん見つかりました。例えばコレ

もしかしたら、マニラホテルもグルかもしれないですね。詐欺師がしょっちゅう出入りできるって、やっぱりちょっとオカシイんじゃないでしょうか?とにもかくにも、良い体験になりました。いづれにせよ、本人確認テスト(たとえば、大学のあの授業で使っていた教科書のタイトルは?とか)と、最終確認としてホテルに電話して彼女の声を聞いてから送金処理をするつもりでしたから、友人が人質にとられて電話口でしゃべらされているような状況でもない限り、詐欺には引っかからなかったと思います。ただ、もし彼女からのFacebookのメッセージが(そっちも乗っ取られていたと仮定して)、同じように送金を指示していたとしたら、かなり真剣に迷っていた可能性も高い。やっぱり心配ですよ。困っているって言われたら、もしも本当だったら、何としてでも助けたいですから。だから、オレオレ詐欺に引っかかる人の気持ちも、少し理解できました。

ということで、
1、フィリピンからの緊急メールには気をつけましょう。
2、マニラ・ホテルは避けましょう。(怪しい)
3、パブリックPCを使うときは、パスワードを盗まれないように気をつけましょう。
4、パブリックWifiにも気をつけましょう。
(メールアカウントを乗っ取られないようにしましょう)
5、送金依頼は、相手が誰であれ、とりあえず疑いましょう。

もしも海外で困った場合は;
6、周りにいる旅人、大使館、保険会社に助けを求めましょう。
7、もしもの時のために、緊急連絡先を日頃から決めておきましょう。
8、緊急連絡先の人との間で、合い言葉を決めておきましょう。

そんなことを考えながらブログを書いていたら、またヤツからメールがきた。えらく素っ気ないコピペです。内容がどんどん劣化してきているけれど、それでもまだ諦めていないのでしょうか?(だからケンタがお昼休みに送金したって言ってるじゃん!笑)

ではまた、ごきげんよう。
安希

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