世界旅2006:上海のパワフルな女性たち(中国)

スタッフからのメール(追伸から抜粋):

ところで、上海に登れるような山なんてありましたっけ?

安希からの返信:

上海には山はないですが、上海から列車で12時間のところに黄山というところがあり、そこでの山登りと、周辺の古村の探検をしてまいりました。
すごい景色でした!でも、午後からは雷雨となり、下りきるまでの間は、「一体コレはどういった類の修行だろうか。。。」と首をかしげるくらい、全身ずぶぬれで、「ひーひー」言いながらの下山でした。
現在、ふくらはぎが激しい筋肉痛に見舞われております。階段の下りが辛いですね。
手すりにしがみ付き、不恰好なカニさん歩きでしか階段を下れないので恥ずかしい限りです。

さて、中国ビザを持っていない私は、入国から15日以内に出国(香港へ抜けます)しなければいけないわけですが、
この見るからに短い上海&黄山滞在、そこへ上海のデザイナーの彼女が用意した「アキの為の超過密スケジュール」が加わり、もうテンテコ舞でございました。

まず、北京に居る間にすでにして「アキの上海スケジュール」なるものがメールに添付されて送られてきました。
(香港人建築家の彼のメールにも確認のためCC添付されているという念の入りよう!)
建築家さんも大爆笑の「アキの上海スケジュール」とは:

まず、○月○日早朝、上海駅到着のアキをデザイナーさんがキャッチ。香港行きの列車のチケットを一緒に押さえに行き、それからタクシーで移動。
○○カフェで朝食。そして親戚に紹介。ホテル(予約済み)にチェックインの後、市内を案内(別途詳細つき)、それから、どこそこのレストランでランチ、それから有名な~通りを歩いて移動し、~街でお茶。
そこからデザイナーオフィスを見学。メールチェックOK。その後、同じデザイン事務所の誰それさんが最近オープンしたジュエリーショップの見学。(アキを紹介)。
それから彼女自身が最近オープンしたカフェへ招待。そこで他のデザイナーの誰それさんにアキを紹介。
その後みんなで夕食会。アキをホテルに送り届けて一日目が終了。

といった具合です。

とにかく彼女は、電話もメールもスピード勝負。「どこへ行きたい?何が食べたい?予算は?」と質問を振っておいて、条件に合いそうな場所や食べ物やホテルやアクティビティーを山のように提案し、さっさとスケジュールを立ててメールしてくるのです。
速い速い!

上海駅で歓迎を受けたあと、彼女は猛烈な勢いで日程をこなし、デザイナーオフィス見学の際には、「これとこれを読んでみて!」と面白そうな本やら上海&周辺エリアの情報誌を私に手渡しておいて、本人はPCの前に座って「アキの二日目以降のスケジュール(提案)」を作成開始。
それが終わるとオフィスを飛び出し、タクシーを拾ってジュエリーショップへ直行。
このジュエリーショップの彼女も同じ事務所のデザイナーだそうで、「お母さんがアクセサリー作りに優れていたので」との理由で、彼女と彼女のお母さんのコラボレーションしたアクセサリーを販売できるように、お店を始めたのだそうです。
これがなかなか素敵なのです!新しく雇った経理や事務の人にも紹介していただいて、お店見学は予想以上に楽しいものになりました。

そして今度は、彼女自身がオープンしたカフェへ。
お店のスタッフやコーヒー煎れの経験者を集めて、創作会議をするというので、私は「審査役」として、大好きなコーヒーを次から次へと味見する係りを担当しました。
うん!美味しいです。カフェラテの正しい入れ方から、カプチーノの泡作り、コーヒー豆の選択、挽き方、煎れ方、カップの大きさ、デザイン、など、みなさん真剣で楽しそうでした。

それからは、ジュエリーショップの彼女もかけつけてみんなで夕食会。そして、日付も変わろうかという深夜、レストランを出てからまだ先がありました。
ジュエリーの彼女と友人は、深夜のビデオショップに直行したのです。
ほとんど全てのタイトルをチェックし、「最近映画を観る時間をあまりとっていなかったわ。反省反省。」とか何とか言いながら、DVDをガサッと購入。
それからぶっ飛ばすタクシーの中で手渡されたのが「二日目以降のスケジュール(提案)」でした。
深夜のタクシーの中で彼女はこう言いました。「明日の朝、この提案の中から行きたいところを選んで連絡してね。」と。

さて翌朝、会議中にも関わらず電話に出てくれた彼女。私が、黄山と古村に興味がある、と告げると、彼女は「じゃあ今夜6時にもう一度電話して。」と言い残して電話を切りました。
ゆっくりと街を散策し、約束の6時に再度電話。
すると、「8時にホテル前に行くから、黄山行きに必要なものだけリュックに入れ替えて待ってて。」と言い残して電話が切れる。

そして8時。タクシーで彼女が登場。私の荷物はさっさと知り合いに預け、黄山行きのリュックだけの私をタクシーに乗せると、夜の駅へ直行。
タクシーの中で彼女は「アキの黄山スケジュール」なるものを取り出し説明開始。(10時発の寝台列車と帰りの切符もすでに購入済みでした!)
箇条書きされた行程と必要な電話番号、予約済みの宿情報、移動手段、費用の詳細がギッシリとメモされ、手書きの地図まで付いている!
というわけで、「スケジュール」をもらった私は、訳も分からないうちに出発し、寝台列車の中で状況整理を開始しました。

12時間後、黄山駅に着いてしまった私は、「スケジュール」に従って○○老街とやらへ行き、また駅へ戻って、そこから地図に描かれたバス停へ行き、
○○タウン行きと中国語で書かれたバスにとりあえず乗って、○○タウンで下車。そして、今夜の宿のご主人、ワンさんに公衆電話から電話。
ところがワンさん、英語がまったく分からないらしい。

ここまでの行程も英語を話す人なんてゼロでしたが、「ワンさんへは電話連絡」とあるので、ここからはジェスチャーも漢字も通じない。困った困った。
困ったときのオマジナイ、そう、上海の彼女に電話するしかない。そこで彼女に電話し、○○タウンに着いたけどワンさんとは言葉が通じない、と連絡。
「アキ、今会議中だから、ちょっとその公衆電話の前で待ってて!」ということで、電話が切れる・・・や、いなや電話が鳴った。ん?ちょっと早すぎません?

とりあえず受話器を上げて「Hello?」
すると、電話の相手は少しだけ中国語を話して黙ってしまったのです。う~ん、困りました。
と、そこへ三人のお兄さんが近づいてきて、私に中国語で話しかけてきました。彼らは電話を指差して何かを説明しています。
「う~ん、みなさんが何を言っているのか分からないけど、この電話も何を言ってるか分からないから、あなたちょっと話してみて。」
と受話器を渡すと、お兄さんはちょっとだけ受話器を耳に当てて直ぐに電話を切ってしまいました。アラまあ!切っちゃってもよろしいんですの?

お兄さん達は、「ノーマネー、タクシー」だけ英語であとは中国語。私は、「ノーマネー、ノータクシー、グッバイ」と、お兄ちゃん達をほどほどに無視して上海からの電話を待つ。
するとお兄さんの一人が彼の携帯画面を私に見せました。あれれ?この番号には見覚えがある!これはワンさんの電話番号ではないですか。
ということは、この人がワンさん?

お兄さんのジェスチャーによると、私の居場所を突き止めるため、彼が携帯から公衆電話を鳴らし、私が受話器をとったのを見て、「ああこの人だ」と分かったらしい。
はあ、なるほど。私はすぐさま上海に電話を入れ、上海の彼女とお兄さんに双方電話で話してもらって、ようやく収集がつきました。
このお兄さん三人組は、ワンさんに頼まれて、炎天下のバスステーションで私をずっと待っていてくれたらしいのです。どうも、失礼いたしました。てっきり変なお兄ちゃんに絡まれたのだと勘違いしてしまいました…。

そして、古村で一泊し、翌朝5時30分には「スケジュール」どおり、レンタルカー&ドライバーがやって来て私を黄山登山口まで連れて行ってくれました。
その後もスケジュールに従って全行程を終え、上海に戻った私。
今度は、彼女のいとこ(女性です!)が共同経営しているという高級お茶屋さんに招待され、閉店後にはその他の経営者にも紹介していただいて、夜遅く、やっとタクシーでホテルへ向かいました。

ホテルへ戻るタクシーの中で、彼女はデザインの夢やカフェ経営の夢、そしてそれぞれのプロジェクトが抱える問題などを話し続けています。
あまりにパワフルな彼女のトーク、行動力、そして寛大さに圧倒された私は、「上海の女性はすごいね。あなたもジュエリーショップの彼女も、とにかくどんどん前へ進んでいく。そのエネルギーは一体どこからくるの?」と思わず質問。
すると彼女は、はははっと笑って、「上海の女は強いわよ。女が社会で活躍して男が家庭を守る!そういう意味では上海の男はベストよ!はっはっは~!」
そして彼女は笑いながら続けました。
「ねえ、私がどうしてさっきからずーっとしゃべり続けているかしってる?ふふふ。」
「?」
「しゃべり続けてないと今にも寝てしまうから。はっはっは。」

上海のウーマンパワー、すごいです。泳ぎ続けていないと死んでしまうマグロのような人たちです。
だけど、ガツガツしているのではなく、とにかく社交的で世話好き。そしてちょっと「やんちゃ」というか「遊び心ありの茶目っ気たっぷり」です。

彼女もジュエリーショップの彼女も、面白いと思ったことは「とりあえず損得勘定なしでやっちゃう!」人たち。
私にとっては同世代の彼女達の活躍ぶりに、大いに刺激を受けました。
そして、高級お茶屋さんの経営者でもある、いとこさんの女性もまたすごい。(彼女は私達よりはちょっと年上かと思います。)
オフィスで普通にお勤めをしながら、レストラン&カフェを経営し、それがうまくいったので次はお茶屋さん、と3足のわらじを履いて、う~ん、当然ながら4足目も探しているに違いありません。

さて、上海から先もまだまだ私の旅は続いていくわけですが、面白い現象が発生しております。
私が日本から持ってきた3G携帯。オンタイムでパソコンからのメッセージが受けられる(つまり無料で私の携帯にメッセージを送ることが可能)という機能に、上海ウーマンは大感激。
「なんて便利なの!」とばかりに早速活用しています。

私が、行き先の宿も決めず、詳細も分からず、とりあえず列車に乗ってから「どこに泊まろうかしら?どこに行けばいいかしら?」とメールしておくと、上海ウーマン達がバンバン調べて、携帯へドシドシ情報を送ってくるのです。
「○○宿を~元で仮予約しました。気に入ったら泊まってみて。」とか、
「知り合いがその地域にいるので、この番号へかければ全てお世話してくれるはず。連絡&了解済み。楽しい旅を~!」とか、
「○○に是非立ち寄ってね。行き方は・・・・・」といった感じです。
私が列車を下りるころには、宿が決まり、スケジュールが決まり、そして新しい出会いがそこに用意されているのです。

よく考えてみると、彼女達にとって私は「中国語が話せない外人」なのですが、上海ウーマン達に「もの怖じや人見知り」という言葉はなく、さらに、「国内で学んだ」という彼女達の語学力の高さにも随分驚かされました。

あっぱれ!女性パワー。これからの彼女たちから目が離せません。
それではまた、ごきげんよう!

安希

追伸:
四川省に行くついでに九塞溝を見に行きたいと言うと、彼女は「ダメ!」と一言。なぜかと聞くと、彼女も今度一緒に行きたいから、今行っちゃダメよ!と。
そしてしばらくしてから、「ねえアキ、やっぱり8月下旬ごろに九塞溝へ行けば?」と考えに変化があった模様。
なぜかと聞くと、「8月下旬は上司が国外へ行って不在なのよ。だからアキが九塞溝に近づいたら電話して。すぐに仕事を抜け出して飛行機で駆けつけるから。」
「本気?」
「もちろん本気。連絡待ってます。」

Be the first to like.


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。