世界旅2006:ネパール農村ライフ(ネパール)

皆さんこんにちは。お元気ですか?
安希@お天気の回復したカトマンドゥです。

さて、前回のメールでは「ネパールのんびりライフ」をレポートしましたが、その後10日ほどが経過しました。
この10日間、ハトを眺めてボーっとしていました、というのはもちろんウソで田舎へ探検に行ってきました。
そこで今回は「不健康な姉のために」「ネパール、ド田舎体験記」と、そこで考えた「低コストで質の高い医療」について3回シリーズで書いてみようと思います。

第1話:不健康な姉のために

「超低コストで質の高いバケーションならポカラへどうぞ」
物価が安くて山と緑と湖とお洒落なレストラン街が特徴のポカラへ行って来ました。
元はと言うと、部屋にこもって日夜絵ばかり描いている不健康な姉(ただ運動不足なだけですが)を自然の中に連れ出すことが目的でした。
そこで「体力に自信が無いから飛行機で行きたい」という姉を無理やり長距離バスに詰め込んでカトマンドゥを出発。
7時間半後にはポカラに到着しました。

さすが噂どおり。
湖が一望できる綺麗なホテルのツインが一泊300ルピー(500円)
(値段交渉は私のお仕事。姉も驚くトリックで旅の間中値切り倒し続けましたよ。ごちそうさまでした!)。
レストランも、ネパール&インド料理をはじめ、西洋、中華、韓国、日本、なんでもアリで、とても洗練された味とサービスと空間にくつろぎモード全開。
そこで私達はレストランのメニューにたくさんの魚料理を発見しました(内陸に位置するネパールでは魚料理はあまり見かけません)。
その魚メニューに感激した私の頭に即座に一つの考えが浮かびました。
「魚料理が豊富ということは、つまり魚釣りが可能?」

という訳で、早速釣具を探すことに。
アウトドアショップに行っても「ない」と言われた釣具が、なぜか本屋さんのカウンターの裏にだけは隠し置きしてあるというのもネパールらしいミステリーで、私達は釣り針と糸とパン(ネパールではパンを餌にするそうです)を買っていざ出陣。
するとまあ、暇そうな少年達が集まってくる集まってくる。
彼らのフィッシング装備は私達よりも上級で、短い竹の棒から伸びた釣り糸の先には、なんと浮き代わりの発泡スチロールの欠片までついていたのです。(やるなぁ、ちびっ子達よ!)
そこで彼らと交渉して、竹の棒を15ルピー(25円)で売ってもらい釣りを続行。

全然釣れない私達の横で、少年達は小魚をバシバシ釣り上げ、そしてその小魚を餌に大物までバンバン釣ってしまうのですから我々の面子は丸潰れでございました。
やんちゃ少年達は釣った魚を私のシャツの襟首から投げ入れて騒いでみたり(コレ!やめなさい!)
釣れない私達を気の毒に思ったのか、アシスタント(無料)を買って出て、釣針に餌をつける役を飽きずに続けたりしてくれました。(でも釣れなかった…。)

そして夕暮れ時には地元の青年達がぞくぞくと現れ、パンツ一丁になったかと思うと湖へ飛び込んで泳ぎ始めました。
少年達も続いて飛び込み大はしゃぎ。(コレ!水をかき回すと魚が逃げるでしょ!)
そして、日が暮れてホテルに戻ろうとした私達の自転車の後ろを追いかけてきて、荷台に飛び乗ったり、ちょっかいをかけたりと、物怖じ一つしないちびっ子達は最後まで元気一杯でございました。

さて、炎天下で釣れもしない魚を待ちぼうけた私の姉の健康状態ですが、しばらく続いていた「耳鳴り」と「軽い頭痛」がいつの間にか無くなったていたと喜んでいました。
そこで私は得意になって、
「だから釣りが一番の治療法だって言ってるの。今日はお日様に一杯当ったおかげで、ビタミンDが生成されたのよきっと。」
(日光浴でビタミンDが作られるというのは本当なのでしょうか?)
すると単純な姉は、「そうかぁ、私はビタミンDが不足してたのか。」と納得。
あの度を越して元気な少年達にはかなわないにしても、姉の不健康は釣り療法によって多少回復致しました。

私達の次なるアクティビティー(荒療治)は、丘に登って日の出を見ること。
まだ夜空に星が輝く朝4時30分、私達は自転車にまたがりホテルを出発。
街灯一つない真っ暗な坂道を100ルピー(170円)で雇ったガイドの少年に続いてノンストップでこぎ続けること40分、全身から汗をだらだら流して振り返ると、後ろにいるはずの姉の姿が見当たらない。
しばらく待っていると、暗闇の中からヘロヘロになった姉が現れ、息を切らせたまま自転車を放り捨てて地面に倒れこみました。

普段は物静かな姉もこのときばかりはブチ切れ「一度も振り返らずに猛スピードで自分勝手に暴走するようなのをガイドを呼べるカイ!」と反抗。
本人は相当苦しかったのでしょう、姉は私もビックリの流暢な英語でガイドにクレームし、そして暗闇の中に這いつくばって「オエェ!」。(私は姉の早口な英語に感心。お姉ちゃんやれば出来るじゃない!)
そして、登山口まで私達を送りとどけたガイド君は家に帰り、わたしたちは更なる急斜面を自転車を引っ張って上り始めました。

夜の闇がゆっくりと後退し、山の向こうがピンク色に染まり始めても、姉は相変わらず苦しそうに自転車を引きずってトボトボと後をついて来ます。
山頂で日の出を見ようとするツアー客の車にビュンビュン追い越され、焦る私。顔面蒼白の姉。元気に小走りで坂を上がっていく地元のネパール人。(彼らは笑顔で私達に励ましの言葉をかけてくれました)

日の出が近づいてきた午前6時前、私はついに腹をくくりました。
「もう山頂へ行くのはやめよう。ここから日の出が見られれば充分。」
そこで山肌に立てられた民家の裏に自転車を停めて、私達は少し開けた山の中腹から日の出を見ることにしました。

確かに山頂までは辿り着かなかったのですが、私達はそこで面白い光景を目にすることが出来ました。
それは早朝の体操やトレーニングに励むたくさんの地元ネパール人達です。
おじちゃん、おばちゃん、お姉さん達は雪山に向かって「ホッホッホー」と大声を出し、全身ぶらぶら運動。
お兄さんたちは腕立て伏せに腹筋にジャンプ。子供達は一列に並んで、お師匠さんの号令に合わせてパンチパンチパンチ!
そして日の出もしっかりとキャッチ!

帰り際に話をした地元の男性は、毎朝坂を上ってきて、朝日を浴びて、近くの小屋でマサラティーを一杯味わい、そして下山して仕事へ向かうのだと話していました。
ネパールの皆さん、元気です。健康です。
世界最貧国の一つと言われているネパールですが、豊かな緑と自然な笑顔と健康志向の人々がいます。。
澄み渡る空気とやさしい朝日に包まれて、姉の顔色も回復しました。

下山した後、一人で笑い出した姉に、「気味が悪いから一人笑いはやめてちょうだい!」と言うと、姉は笑いながらこう言いました。
「もう一生自転車には乗りたくないけど、逆にあんな経験は一生できないと思う。だって吐きながら自転車こぐなんて、そうそうある事じゃないでしょ。」と。
「えっ?吐きながらこいでたの?」
「だって真っ暗の中、前の二人には置き去りにされて、『待って』って言うことも出来なかったからこぎ続けるしかないでしょ。こみ上げてくる胃酸を「オエェ~!」って何度も吐き捨てながら必死で自転車こいだよ~。ハッハッ。」
「吐きながらこいでたとは知らなかったねぇ。大丈夫かなと思って何度か後ろを振り返ったりして心配はしてたんだけどねぇ。」
「ウソつけ!ガイドと二人で自転車ぶっ飛ばして逃げていったくせに!道路脇歩いてた地元の人に絶対に変態と間違われてるわ!ゲロ吐きながら自転車こいでる外人なんて一体どこの世にいるっていうのよ!」
「でも良かったね真っ暗だったから。だれもお姉ちゃんの顔なんて見えてないから。」
「うん。全然良くない。」

さて、ゲロを吐きながらサイクリングを楽しんだ私の姉の健康状態はというと、これが更に回復したのです。
これは後になって姉が打ち明けた話なのですが、実はこの一ヶ月くらいの間ずっと内臓が痛くて食欲も無く、もう自分は長くは無いだろうと本人は真剣に悩んでいたのだそうです。(コレコレお姉ちゃんよ、頭、大丈夫かい?)
ところがサイクリングの後は、内臓の痛みも完全に無くなり、食欲も湧いてきて、私達はポカラ最後の夕飯も大いに楽しみました。

サイクリング療法に自信を持った私は
「良かったね。ちょっと苦しいくらいのサイクリングがいいんだってば。胃の中に溜っていた有害物質も全部吐き出してリフレッシュされたんだよ。」
「ああそうだったのかぁ。あの胃液と一緒に全部悪いものが出てしまったのね。」
「良かったね。」
という具合に、姉は健康を取り戻し、私達はバスに乗って帰路に着きました。

と、そこでちょっとアクシデント。
そのバスに乗り合わせた一人のネパール人が姉に声をかけ、「ネパール最大のお祭り『ダサイン』を明日から彼の実家で祝うので一緒に来てはどうか」と誘ってきたのです。
彼の親戚もみんな里帰りして、生け贄のヤギを食べるらしい。
う~ん、こうなったら行ってみるしかないですね。
というわけで、私達は途中下車してローカルバスに乗り換え、彼のお宅を目指すことに。

さて、ここからのお話は第2話の「ネパール、ド田舎体験記」にてご紹介します。
私と姉は予想外に次ぐ予想外の田舎生活に転がり落ちていきました。

それではまた。ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

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    安希さん、お久しぶりです!

    たくましい旅を続けている事、
    お元気そうな事、
    何よりで嬉しく思います!

    怪我や病気などには注意して
    満喫して下さい!

    それではまた!!

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