244. 独立国家ウクライナ VS プーチン帝国

皆さま、こんにちは。
キューバのレポートの途中ですが、ロシアの軍事介入のニュースが気になるので、今日はウクライナについて書いてみようと思います。

2011年の暮れから2012年の初めにかけて旅行したウクライナ(あの頃は、豚を追っていました)。西の端から東の端まで旅行すると、ヨーロッパ的な西側とソ連的な東側の雰囲気の違いに驚かされます。ただし、同世代の人たちと政治の話をすると、大体同じような答えが返って来たのも事実です。

まず、親ロシア派と言われていたヤヌコビッチは嫌われていた。ヤヌコビッチの反勢力と言われていたティモシェンコも嫌われていた。そして、ウクライナの政治云々よりも、現地の人たちが一番警戒していた政治家、それが2012年の大統領選で現職に復帰した隣国ロシアのプーチンでした。なぜ、プーチンなのか?? と、当時は思ったものです。

ざっくり言うと、ロシア系人口の多い東部やクリミア半島の人が、親ロシアのヤヌコビッチを支持し、反対に、親欧米反ロシア派の西部の人たちが、ユシチェンコやティモシェンコを支持していた・・という理解をふわ〜っと持っていました。だから、最終的にはもう、東西で国を分断したほうがいいんじゃないの?とさえ思っていました。しかし実際には、そういう問題ではなかったようです。複雑です。特にクリミアは民族、宗教問題も絡んでいるので、もっと複雑ですし、現地の人たちでさえ「いや〜、何と説明してよいか・・」「情勢がめまぐるしく変化しているので、次どうなるかは分かんない」という状況なので、簡単に説明できる話ではないと思います。

ただ、現地にいる同世代の友人たちと話す中で気づいたことがあるので、それをいくつか書き留めておきますね。

 

1、東と西の戦いではなく、世代的な認識の差

東と西、どちらの友人も、お互いのことを憎み合ったりはしていません。全然していないですし、『私たちは同じウクライナの人間だ』と思っているみたいです。ただ、東部の友人が言うには、ロシアの影響力の強い東側では、世代間でロシアに対する認識の差があるらしい。ソ連を経験している世代の人たちや、その頃からの流れで、いわゆるインテリ層にいる人たち(あの当時の本部はロシアにあったわけですから)は、今でもウクライナを完全な独立国家として認識できていないようです。だから、プーチンのような強いリーダーを持つロシアの一部として、自分たちの存在や地位が守られているという意識があるのかもしれません。

逆に、ソ連を知らない若い人たちは、自分たちは『独立国家ウクライナの人間だ』という意識を強く持っているようです。


2、ロシアが嫌いなのではなく、プーチンが嫌い

ここ、重要だと思います。西部にいる友人でさえ、ロシアは良き隣人であり、ロシア人は大切な友達だと思っているんですよね。今でも。ただし、プーチンが独裁者として君臨する『プーチン帝国』の一部として吸収されるのはご免だ、と。

東部にいる友人も同じです。昨日、生まれも育ちもウクライナだけれども、国籍はロシアという若い友人とも話をしました。彼女も同じ意見です。彼女はウクライナを「我が国」と呼んでいて愛着をもっていますが、同時に、ロシアやロシアの人たちのこともまた、今でも大切な友だと言っています。ただし、プーチンは受け入れられない、と。

プーチンは今回『ウクライナに住むロシア人、ロシア語を話す人たち、ロシア系ウクライナ人の安全を確保するため』という理由で軍事介入を決めたそうですが、現地にいる若い友人(ロシア国籍でロシア語を話す)によれば、『そんなのは大きなお世話』だそうです。なぜなら、『プーチンの狙いは、ウクライナを分裂させること。分裂によってウクライナを弱体化させ、プーチン帝国の支配下に置くこと』だから。

彼女たち若い世代の望みは、『独立国家として、東、西、民族を問わず統一されたウクライナを実現すること。そして、良き隣人としてロシアとの関係を良好に維持していくこと』にあります。あ〜、そういうことだったのか〜、と納得しました。


3、新しいリーダーがいない

東西を問わず、彼らが頭をかかえているのが『次期リーダーにふさわしい人物がいない』ことです。ヤヌコビッチの復権は論外ですが、暫定政権のヤツェニューク首相も、『革命中、まったく役立たずだった』と失望されているそうです。釈放されたティモシェンコについては、『心理的に民衆を煽ることにかけては天才的ですが、政治家としてはヤヌコビッチと変わらない』と相手にされていない。それ以外では、ポロシェンコ、リャシコ、辺りの名前が上がってはいますが、人はいいけれど力強いリーダーではないらしく、現実には『まったく新しいリーダーの登場』が望まれているそうです。

ただし、それが可能になるかどうかは、プーチン次第。ウクライナがもたもたしている間に、プーチンにかき回されて、弱っているところへ、やれアメリカだ、欧州だ、と世界中の軍隊が利権争いに名乗りを上げてしまったりすると、彼ら若い世代が望む『独立国家、統一ウクライナ』の夢が遠のいてしまいます。だから今こそ、暫定政権と現地メディアの踏ん張りどころなのですが、結局彼らも『ウソだらけの足の引っ張り合い』に終始してしまって、残念ながら、国民の本当の思いは国際社会に届いていないようです。

以上、ウクライナレポートでした。

今年のウクライナの冬は暖かかったそうです。でも、豚はすくすく成長して、今ちょうどいい感じで脂が乗ってきてるとこのこと。サーロ、早く食べにおいでよ!って・・・、今かい!(笑)キエフ行きのチケット、ちょっと探してみます。へっへっへ。

ウクライナの友人たちの無事と、彼女たちの『夢』の実現を祈って。
ではまた、ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

  1. 時間が経っていてすみません。
    島国の日本人にはわからないことだと思いますが
    異なる民族が隣同士で暮らすことは難しいのでしょうか。
    日本人同士でも、隣人とは表面的なお付き合いしかしていませんが、それ以上に問題があるのでしょうか。

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