242. キューバのお金 『商売編1』

皆さま、おはようございます。

キューバのお金『商売編』です。『賃金編2』で書いた通り、固定給をもらうより、外国人を相手にお商売をしたほうが何倍も儲かるキューバ。葉巻の闇売り、タクシー、バーテンなど、いろいろなお商売があると思いますが、その中で、私(旅人)が一番間近に見る事ができたお商売、『カサ パルティクラル(民泊)』について今日は書いてみましょう。

『カサ』の一泊あたりの値段は、1500円から3000円くらい。つまり『カサ』のオーナーにしてみれば、旅人が一泊してくれれば、それだけで科学研究者の月給(1500円)以上の収入が得られることになります。ただし『カサ』のオーナーは兼業の場合も多いので、オーナーが実は学校の先生だったりします。本業よりも遥かに儲かる副業って感じですかね。

■ 怒濤の客引き合戦

自由経済への移行が始まって以来、『カサ』の数も急速に増えつつあるようですが、数が増えると当然、競争が激しくなります。どこも客の奪い合い、客引き合戦です。そうなると、バックパッカーの溜まり場と言われる国(インド、ベトナム、カンボジア・・・など)と同じような状況が起きます。つまり、バスで新しい街へ到着すると、バス停の入り口で客引きたちが押し合いへし合いしている、と。特に、力を持っている(ビジネスのやり方を知っている)『街の有力カサ』のオーナーは、タクシーの運転手と提携して商売をやっています。まあ、どこの国も同じですけれど。だからバス停のドアを出る前に、まずは気合いを入れ、出た瞬間からもみくちゃにされつつも冷静に値段交渉をする必要があります。英語なんて全然分からないタクシーの運ちゃんたちも、『カサ』のオーナーにもらった『英語の案内』や『日本語の説明書』なんかを持って、片言で必死に話しかけてきます。外国人争奪戦!金を巡る戦い!ですね。もちろん、ここがキューバでなければ驚きませんが、でもここは『キューバ』でしょ?『拝金主義のアメリカにケンカを売った勇者、最後の楽園、社会主義国のキューバ!』じゃないのかい??(笑)イメージのギャップがありすぎます。

■ 副次サービスで荒稼ぎ

さて、ドル箱外国人の捕獲に成功した『カサ』のオーナーたち。彼らが獲物をタダで飼っておくわけがありません。宿到着と同時に、副次サービスの売り込みが怒濤のごとくスタート。『朝食400円』『夕食800円』『観光ツアー1000円』と、次から次へと売り込んでくる・・・。相手にしてみたら『財布の数(外国人の数)』は限られているわけですから、獲得できたら、あとはその財布からいくら引き出せるかが勝負です。もちろん私たち旅人だって、オーナーとは良好な関係を維持したいですから、朝食ぐらいは宿で食べたりしますが、でも外でもいろいろ食べてみたいし、屋台のピザが一枚60円と分かっている中で、なかなか夕飯に800円出そうという気にはなれない。でも、さりげなく断ると、明らかに不機嫌になるオーナーや理由をしつこく問いただしてくる人もいて、そういうところが『商売慣れしていない』と感じました。周りのバックパッカーたちにも、『オーナーがしつこすぎる・・・』と嘆いている人は多かったです。慣れてくると逆に、『追いかけ回すと逆効果』という法則を学ぶと思うんですけどね。

■ 金欲にまみれる前に・・・

また、いい意味で『まったく商売慣れしていない』と感じるケースもありました。以前のレポートの終わりに「宿のオーナーが突然引っ越してくれと言って来たので、今から近所の宿へ引っ越します」と、書いたことがありましたが、あの後引っ越した先の『カサ』が、いわゆる『ま〜ったく商売慣れしていないカサ』だったんです。そのカサは、とても素敵な庭付きのお家で、家族も素朴で親切でした。「サービスを売りつける」というアイデアがない。土砂降りで外に出られないでいると、バナナやパイナップルをタダで分けてくれたりして・・。「他の客が来ることになったから、引っ越してくれ」と言ってきた『辣腕カサ』とは大違いです。

まず、『辣腕カサ』のオーナーは片言の英語ができます。商売のやり方も知ってます。バス停にタクシー運転手を2名配備して、めでたく旅人(私)をゲット。3泊の予定で滞在していた私(朝食もカサで食べたし、そこそこいい客だったと思う)を2泊滞在させ、3日目の朝(朝食は自分のところで食べさせて3日目も400円ゲット)になった時点で、『もっと条件のいい客(複数の旅行者で長期滞在)』を確保できたため、一人旅人のおばちゃんを近所の『ウブなカサ』に放出(ウブカサに対しては斡旋手数料を要求)。おばちゃんは、最後の一泊だけ『ウブカサ』に泊まり、翌朝出発。

となってくると、やはり『英語ができてビジネスのやり方を知っているカサ』の一人勝ち状態になってくるんですよ。良心的な『ウブカサ』は、なかなか客をとれない・・。言葉もしゃべれないし、ビジネスのノウハウがない。だから取り残されてかわいそうなんですけれど、でもそのおかげで金欲にまみれていなくて、なんだか一緒にいて豊かな気持ちにさせてくれる人たちでした。それにしても・・・・、この状態を競争と呼ばす、格差と呼ばす、なんと呼べばいいのでしょう?(笑)

『カサ』の数が増え、ますます激しくなる競争。勝者と敗者の行方については、次回『商売編2』で書いていきます。(ブログが長過ぎるとクレームがくるから。笑)

では今日はこの辺で、ごきげんよう。

安希

 

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1件のコメント

  1. 安希さん
    はじめまして。私は、アメリカ東海岸のノースカロライナに帰化している日系人の根本と申します。最近のアメリカがキューバと国交を再開しようとする動きの中で、たいへんキューバという国に興味を持っております。キューバの人たちの暮らし、インフラの状況なんてどんななのでしょうか。ちょっと教えていただければ幸いです。

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