世界旅2006:ささやかな治療3(モンゴル)

スタッフからのメール:

あきさん、

モンゴルからのレポート有難うございます。 大変な目に遭いましたね。 フォーラムの先生(医師)には遠隔相談したのかな?
モンゴルの健康保険制度はどうなっているのでしょうか?
もし医療費が高くて病院へ行けない人が多ければ、Netホスピタルは普及するかも知れませんね。

安希の返信:

モンゴルの医療費と保険制度について、少しだけ話を聞いてきました。
モンゴルの医療保険は日本の国民健康保険のような形で、行政が管理しているのだそうです。
子供や学生はとても安い保険料を毎年支払い、失業者は支払わず、所得の多い人はやや多めに支払っている様子です。

そして、国立の病院へ行けば「低コストで質が最悪の医療」が受けられます。モンゴル人の友人は生まれてから一度も病院にかかったことは無いと言っていました。
もう、よほど死ぬか生きるかの瀬戸際でも無い限り、むやみに病院へ行くのは危険なのだそうです。というのも、医療技術&質がとても低いからです。
国立の病院へは行かないほうがマシなので、お金持ちの人は自分で費用を払って、プライベートの病院を探すらしい。
SOSクリニックなんかはその一例かもしれません。

歯医者、外科、内科、どれをとっても、国立の病院のレベルは最悪だと、現地の人が言っているのだから、最悪なのでしょう。
それでも、死にかけたら政府の保険を受けて病院へ行くよりほかありません。
そんな場合にはまず、お医者さん、看護婦さん、ビルの管理者、清掃員にいたるまで、とにかく裏金をばら撒いて、最後の救いに望みを託すらしい。

友人のお父さんは、何年か前に一度だけ手術をしたそうです。
そのケースが、彼女の家族が病院にかかった唯一の例なのだそうで、その時の手術は簡単なものだったので命拾いをしたと言っていました。
よくある摘出手術で簡単なもの、で肝臓よりちょっと下あたりを指差してました…、ということは盲腸の摘出か何かでしょうか?
お互い英単語がわからず、「あ~、そのへんのね、カットしてテイクアウトねえ~、へえ~」って程度の会話でしたけれど、まあ、手術は成功したようです。(よかったよかった)

それから、モンゴルに遠隔医療が導入されたらどうだろうかというような話にもなり、例えば国外の質の高い診療などがモニターを通じて受けることができるとしたら、それはもちろん素晴らしい。
けれども最終的に現地の人は現地の病院へ行って、手術なり最終的な治療なりを受けなければいけないので、現地の病院がぼろぼろの廃墟みたいなところだったら、あまり意味はないねえ、という結論に達しました。
というか、国営病院がまずは充実して、充実した病院に医療保険が使われるようにならないと、どれだけハイテクの機器だけを持ってきてもそれを活用することは難しいでしょう。
そして、教育制度の問題もかなり深刻なため、国内では良い医者が育たないのが問題だと言っていました。
留学制度&留学への奨学金に対して、近年はかなり力を入れ始めているようですが、まだまだ教育制度は問題なのだそうです。

スタッフからのメール(抜粋):

安希さん、こんばんは。

日本では、行政に頼り切っていて、国レベルでは、それを見直すために小さな政府を目指そうという動きが進んでます。
地方レベルで例をあげると、今、地方の公立病院は9割が赤字経営だと言われています。

阪神大震災以降、ボランティアといった市民レベルの活動が盛んになってきたとは言われますが、欧米のようにNPO、NGOが行政を見守るといった動きには、まだまだ遅れているのではないでしょうか。

モンゴルの場合、国が何もしないのであれば市民がするしかない。それは企業でもコミュニティ(NPO、NGO)でも良いかと思いますけど、1人1人にしてみたら、「現状」が「普通」だ、という認識になってしまうのかもしれませんね。

安希からの返信(抜粋):

「現状」が「普通」の考え方については、うんうん、確かにそうでしょうね。

特にモンゴルよのうに、これまで欧米(西欧)との接点が少なかった国、また現在も情報の交換や教育制度が発達していない国では、相対比較できない分、良い例があることにも気が付きにくい。
つまり、現状に危機感を持つことも少なく、他の例を参考に改善策を考えようという動きも鈍く、彼らなりには普通に暮らしているだけなのだと思います。
(これは、どこの国にもある程度は言えることだと思います。ものの基準は、地域によって様々で、人それぞれ「自分達の基準」を基に生きています。)

生活面での例を挙げると、一般的なトイレ(穴を掘って、板を並べて、ためていくタイプ。)は、彼女たちにしてみたら普通のことで、特に遊牧生活が長かったという独自の民族性もあり、
「モンゴルは土地がいっぱいあって人が少ないので、穴がいっぱいになれば、また次の場所に穴を掘ればいいわけだし~」と言った感じで、それほど深刻では無いようです。
また、国営病院がボロボロなのも今に始まったことではなくて、「病院は危ないところ」、さらに「行政機関(警察なんかもそうです)はある程度腐敗しているもの」という現状が普通なのだと思います。

ただ、現在の急速な都市化や国際化の中で、政府も市民も、考え方やレベルの違いこそあれ、必死になって生活の向上と国の発展を急いでいる印象はあります。
ロシアの強い影響から離れて、今は、イギリス、フランス、アメリカ、韓国、日本を追いかけていくという姿勢ですね。

1995年ごろに日本から携帯の技術が紹介されて以来、携帯がものすごい勢いで普及してきたことも、「資本主義、経済大国から新しい技術を導入したい」という意欲の表れのような気がします。
現地のビジネスマンの男性(モンゴル人)は日本からのODAの事なども話していましたし、親戚が日本で勉強中で~、僕も将来は日本を視野に入れたビジネスがしたい、といったようなことも話していました。

日本のODAが歓迎されているのであれば、是非それらの費用を使って病院や教育機関の充実を図ってもらったり、モンゴルからの留学生受け入れに積極的になって、技術者や医療関係者を育ててあげてほしいものだと勝手ながらに思った次第です。

日本のODAの使われ方、いよいよ真剣に調べなくてはいけませんね。(^^)

(注:アジアパシフィック医療改革フォーラムでは、医療予算やODA予算の使われ方、またそれぞれのプロジェクトの成功例と失敗例を調べていく「調査プロジェクト」をやっていこうという動きがあります。)

ブラックマーケットの体験やその他、いろいろな事が身の回りで起こりすぎて、自分でも何が書きたいのかわからなくなってきました。
話が混乱してすみません。もう少し後になってから、整理してまとめた文章を流したほうが良さそうですね…。

今日はこの辺りで失礼します。みなさんごきげんよう。

安希

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