世界旅2006:お腹ぶっ壊れキャンプ in ゴビ砂漠 (モンゴル)

皆さん、こんにちは。日本もいよいよ梅雨が明けて、恐怖の夏到来、と言ったところでしょうか?お元気ですか?

今日は、ゴビ砂漠&テレジ国立公園キャンプでの生活環境と健康状態をテーマに、「壊れに壊れていった私のお腹」の軌跡を辿ってみることにしました。

モンゴル到着後4日目の朝、ゲルテントの横にテーブルを出し、いつものようにコーヒーを飲んでいると、隣から面白そうな話が聞こえてきました。
イスラエル人のおじさんおばさんの3人組とモンゴル人の青年が、どうやらゴビ砂漠へのキャンプ旅行を企てているらしい。
地図を広げて、ここならテントが張れるとか、ここには遊牧民族がたくさん住んでいる、とか楽しそうに話しているではありませんの。

ふむふむ。私はコーヒーカップを握り締めて彼らにちょっとずつ接近。
そして、一緒になって地図を覗き込み盛り上がっていると、お昼頃には「ジープの後ろの席にアキも乗せていっちゃいましょうよ!」というノリになって、その翌朝、私はゴビ砂漠周辺キャンプに出発しました!
道なき道のデコボコ地帯をジープは走り、草原を抜け、ステップを抜け、石ころの平原を突っ切って、乾ききった大地へ。

さて、何の準備もなく、急遽ジープに飛び乗った私。一番の問題は夜の気温でした。
旅先でキャンプをする予定のなかった私は、「安宿のベッドが不衛生なときに備えて持ってきたシェラフ(プラス12度。超薄型、夏季限定使用)」しかなく、モンゴルの大陸性気候と高緯度による「日没後の急激な気温低下」に常に苦しむことになりました。

持っている服(五枚)を全て重ね着して、ズボンも二重、靴下も二重、フードをかぶり、シャラフの中に縮こまって、朝の光と一杯の熱いコーヒーをひたすら待つ毎日。
そして、7日目の夜が特に寒かった!

モンゴルの山岳地帯を訪れていた私達は雨に降られ、運に見放されていくのですが…、

アクシデント1:
ジープがぬかるみに落ちた。ズルっと滑って、そのままずるずると泥のなかにはまり込み、3時間以上の立ち往生。
敷石をして抜け出しても、今度は別のタイヤが落っこちて、足を取られて動けない。そして雨、霧、雨。

アクシデント2:
山頂付近でタイヤがパンク。スペアタイヤをつけている間、雪が舞っておりました。7月なのに・・・

アクシデント3:
日が暮れていくけれど、悪天候でテントが張れない。火がつかないのでご飯が食べられない。

天使のささやき1:
馬に乗った少年が現れ、私達を彼のゲルテントまで案内してくれた!(馬の後ろについて斜面を下り、小川を突っ切って、彼のお家へ到着。)

天使のささやき2:
羊のミルクティー、モンゴルの自家製ウォッカ、羊の干し肉をご馳走になり、ヤクの糞を燃やしたストーブも用意していただきました!

自然の厳しさ1:
ヤクの糞が燃え尽き、ゲルの隙間から冷風が吹き込む深夜は寒くて全く眠れない。ゲルの外は、7月にもかかわらず氷点下だったらしい。

キャンプ生活は、寒さによる睡眠不足が原因でかなり疲労蓄積でした。
しかし、質が低かったのは何も「睡眠」だけではないのです。食事も同じく質が低下…。時の流れとともに質が悪化していきました…。

イスラエル人の一人がベジタリアンだったため、自炊生活をしていた私達。
灼熱の砂漠地帯を冷蔵庫なして移動するわけですから、そりゃあ物だって腐ります。カビだって生えちゃいます。
水がもったいなくて食器もろくに洗えないし、砂だってたくさん食べちゃうわけです。
さらに、おじちゃんやおばちゃんは、もう歳なのであまり食べなくても良いのです。一日一食でも平気だったりするのです。(泣)
だけど私はまだ、公的におばちゃん、と呼ばれるほどの歳ではないのです。従って、基礎代謝も多い分、お腹だって普通に空くのです!あたりまえですけど。

親愛なる:イスラエルのおじちゃん、おばちゃんへ

車窓から降り注ぐ太陽の日差しを一杯に浴びて、ダンボール箱の中の生野菜は干からびていきましたね。覚えていますか?
キュウリもキャベツもトマトも、日に日に元気が無くなって、三日目ごろには真ん中のほうがぶよぶよしていましたね。
それでも、砂漠生活において食料は貴重品。サンドウィッチに挟んでみんなで食べたことを思い出します。

トマトは私の胃袋と腸を駆け足で抜けていって、顔面蒼白の私が額に脂汗を引っ付けて、砂漠のど真ん中でジープを止めてしまったこともありましたね。
だけど、おばちゃんだって、その前にジープを一回止めていますから、おあいこ様ですね。緊急事態でした。

辺り一面砂の世界。どこまでも広がる乾いた大地とその先に見える蜃気楼。物陰一つありませんでした。
唯一の物陰はジープの後ろくらいでした…、よね?(おばちゃんも同じ?)
用を足して車内に戻った私を、おじちゃんは笑いましたね。忘れもしません。
「賢い人は「行ける時」にトイレに行き、そうでない人は、「行かなければいけない事態」になってトイレにいく。わっはっは~!」
何が「わっはっは~!」だったのですか?私は極めて真剣でした。

それからおばちゃん。あの生卵。
おばちゃんは私に「車の揺れで卵が割れないように抱きかかえている係り」を任命しましたね。あれは重責でした。
おばちゃんは嬉しそうに「卵がハッチ(孵化)したら、明日のお夕飯はチキンよ!」と言っていましたね。
何が嬉しかったのですか?私は極めて真剣でした。
「卵がハッチする前に、はやくゆで卵にして食べてしまいましょうよ。」という私の警告にも、おばちゃんはいつも余裕でしたね。

そうです、パンでもチーズでもソーセージでも、おばちゃん達はいつも余裕でした。
キャンプ慣れしたおばちゃんたちは、特殊な免疫をもっておられるたのですね、きっと。
楽しい旅でした。あのカビの味、砂の食感はいつまでも忘れません。お元気で。

さて、ゴビ砂漠周辺9日間のキャンプ生活ですっかり「ゆるく」なった私のお腹。ウランバートルに帰り着いた私は、スタッフに健康状態を報告。

安希の遠隔医療相談:

こんにちは。
生活環境の悪化と疲れ?(防寒の不備、不衛生、旅の疲れ)により、ついに発熱しました。
う~ん、しんどいです。体、痛いです。
昨日はモンゴル人のお友達のご家庭で、お祭りの時に食べる伝統料理をご馳走になり、いろいろお話をしました。
のんびりと羊のミルクティーを飲みながら素敵な時間を過ごしました。
が、体の痛みと悪寒がいよいよ限界。16時間寝ましたけど、う~ん、しんどいですぅ。
解熱鎮痛と言ったら、やはりバファリンでしょうか。
モンゴルの寒さ以上に日本の暑さは体力を消耗させます。体調にはくれぐれも気をつけてくださいね。

安希

スタッフからの遠隔アドバイス:

とりあえずバファリンで症状は落ち着くと思います。何にかかったのでしょうね…?

さて数日後、熱もすっかり下がり、体調も回復した私は再び活動開始。ゲストハウスの表にテーブルを出してリンゴを食べていると、またも隣から興味深い話が。
彼女達は、リトアニア人の女性3人組が、ちょうどゴビ14日間の旅(その間にシャワーは湖での水浴び一回きりだったそうです!)から帰り、明日からまたどこかへキャンプに行こう、と話しているツワモノ達でした。

ロシア製のバン(鉄の塊のようなワゴン)の席はまだ2つほど空いているらしい。そこでカナダ人のおじさんも巻き込んで、翌朝にはみんなでナショナルパークへ出発!
人気のない丘の裾野にテントを張って、小川で水を汲み、火をおこしてキャンプが始まりました。今回は、寝袋とマットをレンタルしていったので防寒対策もバッチリ。
ですが、衛生状態はゴビ砂漠以上に悪化しまして…、

レベル1:
あたり一面、馬と牛の糞だらけ。つまり、自然の中にいるというよりは、ハエの養殖場の中にゴザを広げて座っている感じ。
食器や食品だけでなく、手の甲や首筋にまでハエがたかってくすぐったい!だけど追い払える程度の数ではありません!ううっ憎きハエ達よ…。

レベル2:
干し肉と米からお粥(スープに近い)を作って二回食べました。味は問題ないけれど、お鍋のなかの水がちょっと…。
小川というか、泥土の裂け目を流れる水には、明らかに泥と牛の糞がたくさん溶けていたように思われますが大丈夫でしょうか。
う~ん、明らかに水か濁っていますものねぇ…。

レベル3:
極めつけはやはり、リトアニア人命名の「モンゴル伝統クリーニング」
モンゴルの硬くて粗いトイレットペーパーの使い道を発見した!と騒ぐリトアニア人達。
食事が終わるとトイレットペーパーを颯爽と取り出し、使い終わった食器を紙で磨き始めました。スプーンもカップもフォークもトイレットペーパーでゴシゴシゴシゴシ。そして磨き終えた食器は一箇所に集めてシャッフルシャッフル。
次の食事には、誰が使ったものか分からないスプーンでいただき、食事が終われば再び磨いてシャッフルシャッフル。次の食事に備えます。
水が貴重なモンゴルとはいっても、水なし、石鹸なし、誰が使ったかは秘密の食器を使いまわし・・・となると、いよいよ体調に問題が…。

モンゴル人とリトアニア人は至って元気。カナダ人と私の体調はイマイチ。そして二日目には早くもお腹が壊れて、胃腸薬と正露丸のお世話になり始めました。
そして、雨に濡れそぼった夜のテントでついに発熱。今度は解熱鎮痛剤の出番となり、そして三日目朝、吐き気を覚えた私はリタイア宣言。
バス停まで送ってくれれば一人で街まで帰ります…と。

すると、待ってましたとばかりにカナダ人もリタイア宣言。リトアニア人も「この土砂降りではキャンプをやっても楽しくない」と言い始め、結局みんな仲良くキャンプを中断し、ゲストハウスに戻りました。ああ~助かった~。

それにしても、胃と腸はほぼノンストップ直通状態になり、今回は初めての吐き気まで体験して衰弱してしまった私の身体。
衛生大国からやって来た人間の免疫力のなさを、まさに身を持って体験したキャンプライフでした。
日本の衛生感覚と世界のそれとの間には大きな差があるのですね。生活環境、衛生状態ともに、日本は進んでいるのだな~きっと。

とは言え日本も厳しい夏です。アイスクリームの食べすぎなどでお腹を壊さないように気をつけてくださいね。

それではまた、ごきげんよう。

安希

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