世界旅2006:ささやかな治療(モンゴル)

こんにちは。お元気ですか?安希@ウランバートルのネットカフェから書いています。
日本は猛暑と洪水で大変なようですが、皆さんご無事でしょうか?

旅を始めて一ヶ月、モンゴル入りしてから3週間ほどになります。この3週間はモンゴル国内をかなりあちこち周りました。

イスラエル人の3人組&モンゴル人2人&私、の計6人で9日間のゴビ砂漠サバイバルキャンプをやったり、昨日までの3日間は(体調不良のため3日目でギブアップしましたが)リトアニア人の3人組&モンゴル人2人&カナダ人&私の計7人でジープを借りてナショナルパークへキャンプに行っていました。

自然の雄大さや、伝統的暮らしを守る人たちのテント生活に実際に触れると同時に、異なる文化的背景を持つ人たちと自然の中で何日間も寝食をともにするには、それなりの苦労もありました。
その中でも衛生感覚の違いは一番大きかったように思います。
お腹を何度も壊しながらの旅でした。

それでも、深夜に道に迷って、砂漠のど真ん中でテントを張って寝た時に見えた夜空の星の数や、ヤク(毛の長い牛)のうんこを燃やして暖を取り、うんこの着いた手でいとも平気にご飯を作り、みんなで分け合って食べたご飯(砂とカビの味がしました)のことは、結果としては良い思い出になりました。(旅の最中は余裕なんて無かったですけれど…)
また、東洋、西洋の価値観が一つのジープの中で何度もぶつかり合ったり、暑さや疲労や言葉の問題をきっかけに口論となったり、水や食料をめぐる争奪戦なんかもあり・・・。
砂漠をトラベルすると、水や緑の大切さを痛感させられますね。

イスラエル、モンゴル、リトアニアなど、今まで馴染みの薄かった国の人たちから興味深い話を聞かせてもらい、「それまで自分が抱いていた国のイメージと、実話を聞いた後のイメージのあまりの落差」に我ながら驚いています。
う~ん、世界っていうのはもしかすると、プロパガンダと個人の主観に極めて左右された「偏ったイメージ」のことを指すのかもしれません。

それで、キャンプの話はまだまだあるので、詳細はまたの機会にするとして、今日は一つ、私が発見した治療についてお話したいと思います。
(なんといっても医療改革フォーラムのMLですからね)(^^)

モンゴルの一般レベルでの衛生状態はお世辞にも良いとはいえません。
モンゴルのローカルのお友達と食事に行くと(外人用の特別レストラン以外)、ハエのたかった皿に盛られたご飯を、ハエのたかったフォークで食べることが普通です。(もう慣れました。)
またゲストハウスのキッチンもハエがおおく、食器に石鹸をつけて洗うなどということはまずあり得ないくらいです。

トイレ、シャワーも大変です。水がスムーズに流れるトイレが少なく、時に、タンクへ手をつっこんで弁をつまみあげて水を流したり、もう流さずに放っておいたり。
そして、トイレットペーパーは常に自分で持ち歩く気持ちが大切です。
また、市内の大気汚染も深刻です。真っ黒い煙、排気ガスのにおいに思わずむせ返ってしまいます。
そんなわけで、お腹を壊したり気管支を痛めたり、いろいろ経験しております。

そこで治療方法について。。。ですが、モンゴルというかなり特殊にヨーロッパ化された(ロシアの影響が強い)文化や社会構造のなかに、モンゴル人のアジア的気質、つまりは、「静かに穏やかに相手をもてなす文化」を自分の病気を通じて発見しました。
彼ら(彼女たち)は何か派手なことをするわけではないけれど、とても小さな親切をもって、ウランバートルの夜の冷えや食事に困っていた私を助けようと手を貸してくれました。

決して裕福とはいえないけれど、彼女たちの家に招きいれて、羊のミルクティーや栄養価の高い伝統的な料理を出してくれたり、ブランケットをあちらこちらから集めてきてくれたり、温かいシャワーが浴びられるように、給湯器にひしゃくの水を足して、ちょうどいい温度まで調節してくれたり。
そういったささやかな心遣いによって私の風邪は回復しつつあります。ハイテクではないけれど、これも一つの治療方法だと思いました。

ウランバート市内の急速な発展とそれに伴う混乱。詐欺、大気汚染、交通の混乱、まだまだ見るものがたくさんあります。
ちなみに先週は中国大使館にいた警察にお金を騙し取られました。(相手が警官だったのでガードが甘くなってしまった。やられた!くやしいです。)
誰が自分をだまそうとし、誰が助けようとしているのか、見極めも重要だな~と思う今日この頃です。

あと10日ほどはウランバートル市内でゆっくりして、そのあと北京へ向かいます。
スウェーデンで医学校に通う学生と遠隔医療の話も含め色んなシステムの違いなどを話したこともありました。
また、シンガポールで医療にたずさわっていたアメリカ人の友達がゴビ砂漠から帰ったら、いろいろとお話をする予定もあります。アメリカ人の彼女、国際医療にかなり関心があるようだったので楽しみです。

ゲルテントの横に椅子を並べて、夜空を見上げながらおしゃべりをする。そんな些細な事の積み重ねによって少しずつ旅の目的が達成されていくのかもしれませんね。

暑い暑い日本の夏、体調にはくれぐれも気をつけてくださいね。
それではまた、ごきげんよう。

安希

追伸:旅立つ直前の定例会で(注:6月頭に行われた医療改革フォーラムの定例会のことです)、ウランバートルの蓋のないマンホールの話を少ししたこと、覚えていらっしゃる方もいるかと思います。
確かに蓋がないものがたくさんあります。初めは不思議に思っていたのですが、先日キャンプに一緒に行ったカナダ人(世界60ヶ国をめぐり、世界の子供たちの生活などをリポート、講演、TVショーなどをしている面白いおじさんです!)と一緒に歩いていたところ、蓋なしマンホールの真相がわかりました。
壊れたマンホールのなか(地下)はストリートチルドレンの住みかなのです。よく見てみると、ぼろ布やペットボトルや食器が置いてありました。そして、恐ろしく骨のむき出した細い腕が、そのむこうで動いていました。ただ蓋がないだけではなかったのですね。理由がありました。物乞いの子供たち、本当に多いです。

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