241.キューバのお金『賃金編2』
〜お医者さんの月給は4000円〜

皆さま、こんばんは。

キューバのお金『賃金編』の続きです。月給が1000円というのは、なにも葉巻工場だけではありません。固定給で働く人、つまり自分でビジネスをやっていない人の給料は、どこも似たり寄ったりです。なんたって『共に貧しく、共に豊かに』がモットーの社会主義国ですから。

例えば、国の芸術機関で働く男性の給料は月1200円。科学系の研究者や学校の先生も似たり寄ったり。医者になると、3000円から4500円くらいはもらえるそうですが、それは安売りの炊飯器(3700円)が一台買えるかどうか、というレベルの額でしかありません。

ではキューバでは、どんな仕事に就けば儲かるのでしょう?一番いいのは、外国人を相手にビジネスをすることでしょう。外から入っていく我々外国人にとって、医者の月給4000円なんていうのは、一晩の飲み会で使ってしまう額です。例えば私は、3週間のキューバ滞在に備えて10万円のキャッシュを持って行きましたが、それは葉巻工場の男性の月収の100倍、彼が8年以上かけて稼ぐお給料ということになってしまいます。まさに我々は”歩く大金!”です。さらに私たち外国人が持ち歩くクレジットカードの向こうには、大金を貯め込んだ外貨預金があるわけですから、これをカネズルと言わずして、何と言えばいいんですか?(笑)

一番いいのは外国人を相手に商売をすることですが、外国人相手でなくても商売をしている人のほうが、固定給(だって1000円ポッキリなんだもん!)を貰っている人よりは、稼ぎはいいと思います。

社会主義国キューバにおいて、今一番ホットな職業は『お商売』です。

キューバは、2008年にフィデル・カストロが議長の座を退き、弟のラウル・カストロの体制となりました。その後、2011年のラウル・カストロの党第一書記就任と前後して、これまでの社会主義一辺倒から、市場経済への移行を始めました。だからキューバはもう、純社会主義国ではないんですよね。つまり国民は今、”お商売”に目覚めつつあるんです。自由に稼ぐ味を覚えつつあるわけです。社会主義から市場経済への移行を目指してきた様々な国(例えばルーマニアやベトナム)の状況と照らし合わせても、現在のキューバは典型的な『移行初期』の状態にあると思います(この点については、またあとで詳しく説明します)。この国の経済はあと10年くらいで、すっかり変わってしまうでしょう。そして、『世界一市場経済が進んだ共産主義国』と言われる中国の状況にどんどん近づいていくことは、まず間違いないと思います。もう既に、そうなりつつありますから。

固定給が当てにできないキューバ。儲かる仕事はズバリ、民宿、タクシードライバー、バーテン、土産物屋、ツアーガイド、などなどです。例えば、首都ハバナの空港から街中までの30分弱のタクシー代が1500円。これで、葉巻工場の月収を軽く超えてしまうことになります。バーテンもそうです。外人客がくるバーなら、チップだけで一晩数千円稼ぎだすことも可能です。もちろん、厳密には政府認定のライセンスが必要ですから、売り上げがすべて利益になるわけではないですが、当たればぼろ儲けですし、水面下では違法ビジネスもたくさんあります。

ちなみに、私が最初の4日間を過ごした『カサ』は、政府の認定を受けていない、違法民宿であることが後に判明しました。なぜなら、その後宿泊した全ての『カサ』では、パスポートの提示と個人情報の登録が義務づけられていたのに、最初のカサだけ何もなかったから。やっぱり闇宿でしたね。(笑)4泊分で支払った額は4000円。医者の月給と同じ額が、彼らのポケットに収まったということです。めでたしめでたし。

パイロットより、バーテンのほうが遥かに儲かるキューバ。「パイロットかわいそうだね・・」と言うと、いやいや『ここのバーテンは、昼間はパイロットだから』という冗談かどうか判断しかねる話まで飛び出してくるあたりが、この国の一番の面白さかもしれません。

てなわけで、次は『商売編』を。
ごきげんよう!

安希

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