233. アメリカに近い島国 (ジャマイカ)

明けましておめでとうございます。
安希@キングストンの空港で思わぬ足止め5時間半をくらい、暇つぶしがてらブログを書いています。

ジャマイカ最後の3日間は、ブルーマウンテン(コーヒーの産地)の山中で過ごしました。ハイキングの山道が急勾配でへたりましたが、ジャマイカの田舎ならではの穏やかな雰囲気を楽しむことができました。宿から近い山頂(キャサリン頂)は、ジャマイカ軍の基地内。最初はそんなことも知らず、道行く人に「あの山のてっぺん、どうやって行ったらいいのかな?」と訊きながら歩いていたら、基地の中に紛れ込んだだけなんですけどね。でも、兵隊さんに相談したところ、登録手続きをすれば一般の人も頂まで登れるとのこと。
「僕は走って10分で登るけど、君が歩いたらどうかな45分くらいかな」
と迷彩服姿のお兄さんに笑われましたが、あの急勾配をトレーニングで登っているお兄さん、すごいわ〜、と後になってから思いました。そりゃ、ウサイン・ボルトも生まれるわな(男子陸上短距離走の世界記録保持者)などと、山道トレーニングとジャマイカ産の金メダリストを勝手にくっつけて想像したりしたのでした。

兵隊さんに案内されて受付に行くと、今度は迷彩服をきたお姉さんが銃を担いで出てきまして、なのに彼女、全然言葉をしゃべらないんですよ。何かなと思ったら、声が枯れているらしく・・・
「あれ、お姉さん、風邪ですか?」
 兵隊のお姉さん、声がでないから「はい」とささやいてくださいまして、それならと、私もささやき声で話しかけると、照れ笑いで見送ってくれました。ゆるい軍隊やの〜と思いましたが、いいんじゃないでしょうか?愛嬌があって。(笑)そもそも、登山道が基地内にあるって・・・。

ジャマイカって、他の国よりも穏やかだと思います。あまりギラギラ、ガツガツした感じがなくて、ガンジャやってぽわ〜んとしてるんだけど、結構礼儀正しい。場所にもよりますが(キングストンのダウンタウンは危険です)、例えば他のアフリカ諸国に比べたら、あまり戦闘的でないというか、のんびりしてると思いますね。でも、こういう国から、世界的ミュージシャンや世界的アスリートが生まれるってところが面白いな、と。こんな小さな、人口たった300万人の島国なのに・・・。

ただ、ジャマイカという国にきて気づいたのが、ジャマイカ人のほとんどが実はジャマイカに住んでいないということ。いろんな人と話してみて分かってきたのですが、やたらとアメリカ(カナダ、イギリスも)との繋がりが深いんですよね。行きの飛行機で同じだったおばちゃんも、アメリカ在住のジャマイカ人だったし。他の人も、アメリカに住んでいた人、親戚や家族がアメリカに居る人、そういう人がすごく多いです。

そこで、ブルーマウンテンの宿でお世話になった「ラスタのおじさん(おじさんの家族も全員アメリカにいる)」に訊いてみました。
「ジャマイカ人って、アメリカから特別にビザがもらえるんですか?」

おじさん曰く、昔、バナナボートでアメリカへ渡った移民が大量にいるため、現在もアメリカ(フロリダ、ニューメキシコ、ニューヨーク等)に住みながら国籍はジャマイカという人がたくさんいるとのことでした。今は時代も変わって、アメリカの入国審査も厳しくなりましたが、やはり近い国ですから、往来はかなりあるそうです。ラスタおじさんも、母親がまず看護師としてアメリカへ渡り、彼自身は13歳のときに母親を追ってアメリカへ渡ったそうです。そこで結婚もして、大工として働いて、子どもも育てて、要するに、普通のアメリカ社会で生きてきたということですね。ただ、子どもが成長したあとにジャマイカに帰りたくなって、今はブルーマウンテンで第二の人生をスタートさせたとのこと。(たぶん50歳手前だと思う)

他にも知り合った女性は、息子が今、アメリカの軍隊で仕事をしていると言っていました。でも国籍はジャマイカ。
途上国っぽいガツガツ感がないのは、この国の経済や人の流れが、かなりアメリカ(実際にはイギリス連邦加盟国ということですが)に組み込まれているからなのかなと思いました。言葉も英語ですし、近いから出稼ぎにも行きやすいでしょうし、物価もアメリカ並みに高いですから。見た目には、街の喧噪や田舎の雰囲気、建物など、アフリカに似たところが多いのですが、そこにいる人たちにもう少し余裕がある・・・というのが、おばちゃんにとってのジャマイカの印象です。

さらにラスタのおじさん曰く、
「ジャマイカ国籍の人間の80%が、この島の外で暮らしている。その多くはアメリカにいる」と。
以前、韓国の友人が、
「韓国籍の人の50%が、半島の外にいる」と言っていたのを思い出しましたが、国土が小さい国の処世術というか、実際の世界はそんな風に回っているのかなと思いますね。国土と国籍の一致もなければ、人種や民族と国籍の一致もなくなってきているんじゃないでしょうか。ところで、日本国籍保有者の何パーセントの人が、国外に住んでいるんでしょうね? 結構いるのかな?

ただしジャマイカが誇るべき点は、ウサイン・ボルトを含む、ジャマイカの一流アスリートはの多くは、ジャマイカ生まれだということ。ジャマイカ国内で芽をだして、やがて才能を買われてアメリカなどへ渡り、英才教育を受けるケースが多い、と。これは、例えばブラジルやアルゼンチンのサッカー選手が英才教育を受けるために欧米のジュニアクラブに入るのと似てますよね。

「アメリカのスポンサー契約、育成システム、用具の供給について言えば、もう桁違いの世界だから、トップアスリートはみんなアメリカへ行く。ミュージシャンも」
「それを言うなら、日本のトップサイエンティスト、トップエンジニアもそうですよ」
なんて話を、同じ島国出身者として語り合ったのでした。

と言いつつも、ジャマイカにはやっぱりジャマイカにしかないものがあります。音楽も食べ物も、時間の流れも、やっぱりアメリカとは少し違う。ということで次は、「アキ」というジャマイカ特有の食べ物の話をレポートしますね!

そろそろ飛行機が飛びそうなので〜、ではまた〜、ごきげんよう!(急ぎ足でごめんなさい)

安希

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1件のコメント

  1. ああ〜ガンジャxxx〜!

    こんばんわ。ブルーマウンテンの様子を伝えてくださり、ありがとうございます。ブルマンと来るとカフェゼリーを思い起こす昭和世代としては、産地がどうなっているのか気になっていました。銘柄はもちろん見かけるのですが、かつての存在感からすると見かける頻度が減っていましたし、たまに見かけると思い切って(値段が張るので)喫茶店で飲んだり、豆買って自分で淹れてみるのですが「昔嗅いだ香りとなんか違う」となってしまうことがあったので。もしかして廃れてしまったのか?と思っていたのですが、ホッとしました。

    ジャマイカと聞くとボブマレーとかボルトよりもベンジョンソンを思い出す不束者ですが、引き続きレポートを楽しみにしています。

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