213.北朝鮮に行ってきました。国家体制編3

皆さま、こんにちは。
とうとう大晦日を迎えてしまいました。
掃除と料理が終わって、あとは北朝鮮レポートが片付けば年が越せます。(汗)
ってなわけで、2013年最後のレポートです。

■ 金正恩について

実際に現地に行ってみることで、日本で「北朝鮮」と「金一族」を漠然と眺めていた時の印象は、変わりました。北朝鮮を、テレビの向こうの異世界ではなく、自分が身を置いている世界として全く違う形で認識することになりました。街があって、道があって、人が生活している、そういう場所として一つの国を体感するわけですから当然です。そして、特に平壌の市内にいる間に考えたこと(感じたのは)金正恩という若い指導者の存在でした。

現場とテレビは、私の中に異なる印象を刻み付けます。テレビは、労働党の幹部や軍の行進、マスゲームを「北朝鮮」として私に印象づけます。つまり、金正恩という人物もまた、独裁者の子孫、労働党のトップの座に就いた金正日の息子、恐怖政治と先軍政治を引き継いだ、血も涙もないような人物としてイメージの中に刻まれていました。

それが現場に来ると、幹部も軍もマスゲームもないわけです。地下鉄の中で本を読んでいる人や、ちょっと古びたアパートの窓際に干された洗濯物、サッカーに夢中になる少年の姿などを目にする。そういう光景は、ここでも人が生活していて、若い指導者は、ここにいる2500万人近い人たちの暮らしをどうにかしていかなくてはいけない、どういう形であれ、人々をある程度束ね、反逆の芽を摘み、どうにか満足させる(不満を減らす)策を考え、国家を維持しなくてはいけないわけです。大変なこっちゃ!と、思いますね。

私たちが、他国を見る時、その国の外向きの姿(マスコミ向けの姿)や、外交姿勢(政治的な面)を注視し、その国のイメージを作り上げる傾向がありますが、ひとたび国の中に入ってみると、もう、みんな自分たちの国内の問題、日々の暮らしで精いっぱいです。それは、北朝鮮でも同じだと感じました。そして、国の指導者は、そういった国内問題(不満)を解決していかなくてはいけないわけです。えらいこっちゃ!です。

平壌にいる間、この同じ町のどこかに、金正恩がいるんだよね・・・と何度も考えました。しかも彼は、私と同世代(むこうの方が4つくらい若いですが・・)の人間で、若い頃に海外(スイス)のボーディングスクールで学んでいるんですよね。そう考えると、金正恩という人物の存在が、遠い異国の謎ではなく、もう少し身近になってくる・・・。

彼は、北朝鮮の外の世界を知っています。いくら祖父と父が偉大であったと言われても、彼は若い頃から、自分の国と周りの国を比較してみてきたはずです。ネットや携帯が存在し、人々が飛行機で自由に飛び回っている、グローバル化している世界の中で、自分の国がどういう状況に置かれているか、29歳のこの人は、分かっているはずです。海外の音楽やゲームや映画やファッションやポップカルチャーや、それに食べ物が、どんなものかも知っているはずです。だから、あくまでも推測ですが、もしも身の安全が保障されるなら、彼もまた兄の正男と同じように、親の代から引き継いだやり方を変えていきたいと思っているはずです。たぶん・・ね。

■ これからは経済を。

新しい体制について、ガイドもこんな風に言っていました。
新しい指導者は、これからは経済に力を入れていきたいと言っています。これまでは、アメリカに対抗するための核保有を最優先事項にしてきましたが、もう核兵器は完成して、その点でアメリカに並びました。ですから、これからは経済重視でやっていきます」

それからやはり、金正恩が西欧で教育を受けたことも、方向性に影響を与えているようです。
「朝鮮は社会主義の国ですから、それは変わりませんが、中国(表面上は共産主義となっている)のように、市場を開いていきたいと思っています。それから新しい指導者は、文化の面でも、より西洋的なものを取り入れたいと言っています。音楽やエンターテイメントなど、これまでにはなかったものを積極的に取り入れていくことになるでしょう」

■ サブテキスト?

では、この新しい指導者への国民の期待は、どの程度なのでしょうか?当たり前のことですが、厳しく言論統制されている国で、「独裁者」の支持率を純粋に言い当てることは不可能です。だから、会話の中から、直接表現されない「何か」を掴みとってくるしかないわけですが・・、これが結構面白くてね。ふっふっふっ。(笑)

板門店に向かう車中、おばちゃんは訊きました。
「それで・・・金正恩第一書記の人気は、どうですか?」
「ああ、それはもう人気があります。大変、人気がありますよ」
「例えば、どんなところがですか?」
「昨日も言った通り、国民がもっと楽しくなるような、新しいプロジェクトをどんどんやっていきたいと、新しい指導者は言っています。例えば、スケートリンクや遊園地の建設など、人々が喜ぶことをしていくと言っています。ですから、国民も大変喜んでいます」

ほぉ・・・なるほどねぇ・・・。と思って聞いていたのですが、この会話って変じゃないですか?だって、国民が舗装されていない泥道を徒歩や自転車で移動して、リヤカーを引いている国、首都の最高級ホテルで停電が頻発する国で、スケートリンクや遊園地作るって・・。そのスケートリンクで遊べる人は、全国民の何パーセントなの?って、普通に考えたら思いますよね。例えば、新しい指導者が水道と食糧、暖房設備の強化のために新しいプロジェクトに着手しています、というような話だったら、それは喜ばれるでしょうね、と思うけれど。

すごく変な会話でした。最初は真剣に話を聴いていたのですが、途中からだんだんと、サブテキスト(言葉の裏にある意味)みたいなものを読み始めてしまって、一旦脳みそがサブテキストモードに切り替わると、どんんどん泥沼にはまり込んでいく。つまり、ガイドが金正恩を褒めれば褒めるほど、「うちの指導者、アホやで」と言っているように聞こえてくるのです。いや、もしかすると本当に、これはガイドからの隠されたメッセージなのかもしれない・・・、なんて思えてきたりして。(笑)
例えば、日本の首相の人気はどうですか?と訊かれて、「いや~、人気がありますよ。日本の総理大臣は遊園地を作ってくれるんですよ!」なんて言ったら、北朝鮮のガイドだって、「日本のトップは、その程度か」って、冷笑すると思います。

さらに会話は続く。
「みんな、感謝していますよ。ほら、昨日見た新築のマンション(高層マンション)があったでしょ。あのマンションに住人が入居する時に、金正恩第一書記は、お祝いにといって家具をプレゼントしてくださって、家族を訪問してくださいました。子供たちにも、プレゼントをくださったので、家族も子供たちも大変喜んで、感謝していましたよ。ですから、新しい指導者は、国民にも大変人気がありますよ」
う~ん、プレゼントかぁ。リーマンショック直後の定額給付金より、さらに意味不明。(笑)

ガイドは何を言いたかったんだろう・・。
おばちゃんが思うに、金正恩は、尊敬されていない

■ だから、そこが変なんだってば!

新しい指導者は、父親の金正日同様に、民衆からは尊敬されていないと思いますが、だからこそと言うか、父親とは違う方向へ国を引っ張って行かないといけない、という思いはあるはずです。それから、単なる推測ですが、金正恩には、金正日が持っていたような「コンプレックス」はないと思う。テレビなどで白い歯を見せて笑っている姿などを見ると、やっぱり父親よりは開放的な感じがしますからね。そういう意味でも、これまでの締め付け、例えば強制収容所のようなものや、文化や情報の徹底的な統制などは、緩くなると期待したいところです。

実際、北朝鮮に行ってみて、テレビで観ていたほども「異常な国」だとは思わなかったです。言論や行動の規制が厳しいという点を除けば、日本の昭和のような感じで、いい面もあると思いました。

それから、金正恩が西洋的な文化を取り入れようとしていることが見て取れるようなテレビ放送もありました。外人用のホテルでは、北朝鮮の国営放送に加え、それ以外の外人向けのニュースが見られます。BBC(イギリス)やCCTV(中国)の放送に加え、NHK WORLDとかいう、日本の番組もありました。こんな番組があるんだ!って驚きましたが、NHKが外国人向けに作っている番組なのでしょう。それらを見ることができます。ちなみに、国内の人たちは、北朝鮮の国営放送以外は、一切見られませんから、国外のニュースは、ごく一部の人を除いて誰も見ることができません。(ガイドは、特別な地位にいるので、日本のニュースも日々チェックしています)。新聞の場合は少し違っていて、海外のニュースも一応載るそうです。

PCに関しては、「一家に一台くらいはありますよ」とガイドは言っていたが、それはウソかもしれませんね。そこでおばちゃんは訊きました、
「パソコンがあるということですが、電気はどうするんですか?農村にも電気はあるんですか?(列車の中のおじさんは、ノーエレクトリシティーって言ってたものね。実際に辺りは真っ暗だったし)」
「ありますよ、電気ぐらい。農村では脱穀機を使いますから、電気がなくては困りますよ」
脱穀機を動かす電気はあるのかもしれないけれど、外灯や家の中で使う電気は足りていないと思います。で、パソコンに話を戻す。
「パソコンが普及しているとのことですが、パソコンで一体何をしているんですか?情報がブロックされていたら、パソコンを持っている意味がないと思います」
「確かに、外の情報は見られませんよ」
「メールは?」
「国内だけです。でも国内では、みんなメールしてますよ」
国内オンリーのインターネットなのだそうです。どんなサイトがあるのか、見ていたいです!

それで、テレビと西洋化に話を戻しますが、おばちゃんが国営放送を見ていると、あるコンサートの様子が流れていました。巨大なホールには、チョゴリで着飾った女性たちがたくさんいて、ステージの上では、西洋風のオーケストラが演奏している。音楽も微妙に西洋的で、いわゆる北朝鮮の革命ソングや軍歌のようなものではありませんでした。しかも、終盤になると、女性たちは(自由に?)立ち上がり、手を取り合って、通路やステージの下で踊っていました。その中に、一人西洋人の女性(なぜ彼女はあそこにいたのだろう?)が交ざっていて、その女性が、現地の人たちと楽しそうに踊る様子が、クロースアップで何度も何度も映しだされていました。

それを見ていて、西洋化というか、国を開いていくという思いが表れているのかな~なんて思っていると、最後に、ステージ上の巨大スクリーンに金正恩の姿が写し出されました。満面の笑みを浮かべた若き指導者が、民衆と手と手を取り合い、慕われている姿を映した動画です。このプロパガンダ映像を見て、あ~、惜しいなあ~、と。コンサートの最後に指導者の映像が出てくるなんて、「そこが変なんです!」。それ以外の部分は、別に変じゃないのに・・もったいない、と思いました。

■ マスコミとストレスと勘違い

北朝鮮は「変な国」なのか「普通」なのか。どちらも「YES」で「NO」であり、多かれ少なかれ、どの国も、ちょっと変です。ところが、海外で報道される「北朝鮮」は、ひたすら「変な国」です。そのことについて、私はガイドさんとこんな話をしました。地下鉄の前でのことです。

「この国に来てみて思ったんですけれど、服装や街の雰囲気は、普通でした。もちろん、私はガイドさんといつも一緒でなくちゃならないし、自由が全然ないのは異常です。ガイドさんが許可したところしか見ていないから、この国の本当の姿は分かりません。ただ、観光客としての自分が体験したことを率直に書くとしたら、北朝鮮に関して、それほど酷い話は書けないと思います。実際に、酷い経験をしていないし、観光ツアーでは、安全に、いい部分を見せて見らっているわけですから。だから、他のジャーナリストが北朝鮮観光ツアーを使って入国しても、酷い記事は書けないと思います。それなのに、どうしてジャーナリストの観光目的の入国まで規制したりするんですか?酷い記事って、どうやって書けばいいんですか?この状況で」

「そこが問題なんですよ!」とガイドは言いました。今回の北朝鮮入国までにかかった準備(準備編)を読んでもらえば分かりますが、北朝鮮はジャーナリストの入国を拒んでいます。国家的な情報統制があるのは確かですが、それ以外にも、ジャーナリスト側がウソをつくから、たとえ観光であっても入国させないことになったそうです。ガイドさんは25年間、ガイドをしていますが、最初の頃は、もっと規制は甘かったのだそうです。

「私たちのところで、新聞記者やテレビ局の人をお世話したこともありました。昔はもっと自由だったんです。NHKも来ていましたし、民家の訪問なども、昔はできたんですよ。でも、その人たちが事実を捻じ曲げて報道するから、信用できなくなった。私たちの仕事は、北朝鮮を訪問する日本の人に楽しんでもらって、安全に旅行をして帰ってもらうことですから、一生懸命やっていました。でも、そうやっているのに、日本に帰ってから、事実と全然違うことを書いたり流したりする。それで最初の頃は、日本の人は一体どうなってるんだって、もう裏切られた気分でした」
「でも、例えばNHKの人をこの地下鉄に案内したところで、人がのたれ死んでいるわけでもないし、問題の現場は抑えられないと思いす。それで、どうやって事実を捻じ曲げて報道するんですか?」
「同じものを見せても、それをどう切り取って伝えるかによって、印象は全然違ってきますから。そういうことを、いっぱいやられた。それでこっちも困って、それだったらもうジャーナリストは観光もさせられない、となったわけです」

ガイドさんのストレスは、分かります。現場ではな~んでもないただの光景が、テレビや新聞で編集された途端に、大事件になっているようなケースを、たくさん見てきましたから。たぶん、そういうストレスがあったんだろうな、と。

「フリーのライターも、酷い人がいましたよ。彼は、朝鮮にいる間は、旅行は楽しいと言っていました。食事もおいしい、おいしいと言って食べて、冷麺はおかわりもしたんですよ。それで日本に帰って本を書いて、中身を見たら、北朝鮮は貧しくて、食事は最低だったと書いているんです」
「そういう人に、事実と違うでしょって、抗議しましたか?」
「ええ、しましたよ。あの時は喜んで、ありがとうと言ってくれたのに、後になって、どうしてそんなウソを書いたんですか?と」
「で、何て言っていました?」
「申し訳ないと言っていました。でも、悪く書かないと売れないから、と。酷い国だったと書かないと、記事にできないと言っていました」

おばちゃんは、さらに訊きました。
「何年か前に、日本人の観光客が北朝鮮で捕まって、2年間拘束されたそうですが、それは本当ですか?」
ネットの書き込みには、「北朝鮮は危険なので、絶対に行ってはいけないとい」という警告とともに、その事件のことが書き込まれていて、おばちゃんはもう、めちゃめちゃナーバスになっていたわけです。
「そういう事件はありましたが、捕まった人は観光客ではありません。貿易関連の人です。朝鮮の港から大量のカメラを持って入ってきて、入ってはいけない場所へいって、あちこちで写真を撮ろうとしたので捕まりました。違法行為ですから」
「なるほど、そういうことでしたか」

コミュニケーション不足、誤ったイメージ、行動規制があるからこその疑いと憶測、悪循環に陥っていく関係。どうしてこんなにも誤解し合わなきゃいけないんでしょうねぇ・・。

■ どうして、そんなことをするだよぉ!

北朝鮮が、日本との対話(経済制裁の解除を含む)を望んでいることや、韓国との関係改善を望んでいることは分かりました。旅行が11月中旬という、韓国大統領選と、日本の衆議院選挙の前だったこともあって、次期政権がどうなるかということを北朝鮮も気にしているようでした。韓国に関しては、北朝鮮との関係改善を目指していた安教授に大統領になってほしかった様ですが、私が北朝鮮を出た直後に安教授が立候補を断念。あとは、同じ左派系(金大中や盧武鉉と同じく、南北統一に前向きとされる)の文氏と、保守系のパク氏の戦いになりました。「パククネ」が大統領になれば、李明博政権と同様に、南北関係は冷え切ったままになるだろうから、どうか「パク陣営」が負けますように、と北朝鮮は思っていたようです。(そう説明を受けました)

が、おかしかったのは、その韓国大統領選の直前に、また衛生(ミサイル)を飛ばしてしまったこと!!あんなことをしたら「パク陣営」が優位になるじゃんか・・・、どうしてそんなことするんでしょうねぇ。言っていること(目指していること)と、やっていることがバラバラです。

北朝鮮が、「敵意むき出しの変な国」でないことを知ってもらいたいなら、どうしてああいうことをするんでしょうか。韓国の企業を誘致したり(開城周辺に、韓国系の工業団地があり、盧武鉉政権時代には、韓国側からの投資もあったそうです)、南北の鉄道を再開したり、そういうことをやっていきたいなら、どうしてああいう挑発的なことをやるんだろう。国内が、外から見ているほど「異常」でなかった分、もう少し普通にしていればいいのに、と哀しくなります。

南北国境の板門店に向かう途中、盧武鉉時代に一度だけ列車を走らせたという線路が見えました。それは、平壌とソウルを結ぶ線路です。実際、平壌とソウルって、300キロしか離れてないんですよね。300キロっていうと、東京―名古屋間366キロ(のぞみで1時間40分)より短かい距離です。それが今は、ソウルへ行くために、平壌から11時間かけて中国へ行き、そこからでないとソウルに行けない。こんなことやって、何が楽しいんだろうか、と。

北朝鮮側が、イメージUPと関係改善を望んでいるなら、遊園地や高層マンションを作る前に、変な物体を飛ばすのを止めればいいだけなのに・・・、残念です。

■ 旅行を総括すると

北朝鮮旅行について、思ったことを正直に書いてきました。ご飯は不味くなかったけれど、特筆すべきほど美味しいわけでもなかったから、普通においしかった、と書きました。特にキムチとチヂミが良かった!また、人々の服装や街の様子が、思ったほども異常な感じでなかったのも確かです。観光に関しては、やっぱり銅像や石碑めぐりは面白くない。自由行動がとれないのは、(慣れていないのもあって)、つまらないと感じました。ガイドさんの話は、とっても面白かったし、もしまた機会があればお話ししたいです(ブログも書いてしまったし、たぶんもう来るなと言われると思います。苦笑)

列車と、戦時中のような駅の風景だけが、ある種の強烈なインパクトを自分の中に残しました。あと、サーカスは素晴らしかったです!
私の安全と安心の確保のために、全力を尽くしてくれたガイドと運転手さんには、心から感謝しています。

だから、北朝鮮旅行は、全然悪い旅行ではありませんでした。危険でもなく、勉強にもなったし、そこそこ楽しめたと思います。悪くない。でも、もう一点だけ正直に、ガイドさんに(読者にも)伝えておきたいのは、悪くないんだけど、周辺の国々があまりにも良くなり過ぎた、ということ。食事も、全然悪くないですよ。でも、日本も中国も韓国も、あまりにも美味しいものが溢れている。あまりにも豊かに暮らしているので、北朝鮮の一流レストランの食事に、感動を覚えることができないのです。そして、ツアー代金が、例えば韓国や中国旅行などの5倍くらいする一方で、韓国や中国の旅行であれば、おそらくもっと良いホテルに、自由に滞在して、もっと安いけれどとびきり美味しい食べ物をあれこれ発見できると思うのです。

ガイドさんが見落としているのは、そのことだと思います。周辺国が、あまりにも豊かになりすぎたせいで、北朝鮮が尽くしているベストに、観光客は気づきにくくなっているのだと思います。

■ すべては中国とアメリカ次第

最後に、北朝鮮の今後についてですが、いづれにせよ国を開いていくことになるでしょう。金一族の独裁体制を、正恩の銅像が建つ日まで維持するのは、経済的にも、一族の求心力という点でも、無理だと思います。うまくいけば、中国の開放政策のように少しずつ開いていくことになるでしょうし、あるいは、北朝鮮の経済と外交バランスのほとんど全てを握っている中国のさじ加減次第では、体制がどかーんと崩壊することも、あるかもしれませんね。そして、中国がどう動くかは、アメリカ次第でもありますから、やはり北朝鮮の命運は、主に中国、そしてアメリカが握っていると思います。

だけど、どうなんだろうと思いますね・・・アメリカがアジアにいることって、アジアの国々にとって本当に幸福なんだろうか?と。韓国にアメリカがいなかったら?北朝鮮とアメリカが戦っていなかったら?アメリカが冷戦をやらなかったら?対中包囲網に関心がなかったとしたら?
北朝鮮、韓国、中国、日本、台湾の軍事費は、増えるのだろうか、減るのだろうか・・。まあ、この話はまた今度にしよう。

今、ちょうど新体制になって、北朝鮮の内政も外交も、変わるならチャンスのはずです。新しい指導者が、「親父にも間違いがあった。改めましょう!」と今言えば、変えることができますが、このまま古い体制を維持して、ずるずるやってから変わろうとした場合、金正恩の身はもっと危険にさらされる気がします。だから手を染める前に、変わっていく姿勢を見せた方がいいよ~~~って、おばちゃんは思いますし、たぶん多かれ少なかれ、早かれ遅かれ、彼も変えていこうとは思っているはずだけど、取り巻き(旧体制からの幹部や軍や、命運を握る中国)のしがらみの中で、そうそう簡単に変えることもできず・・・、というところなのかなと思いました。

以上!

はい、もういいです、北朝鮮の話は。(笑)北朝鮮レポートが終わって、超うれしいです!!! もうすぐ年が変わります!当分は、ブログも書かなくていいやって気分です!はっはっは~!

だらだらと長いだけで、これといって結論もないブログを、よくぞ我慢して読んでくださいました。ありがとうございました。来年もまた、要領を得ないブログをだらだら書きながら、一方で、書籍の執筆に励んでいきたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ではでは皆さま、よいお年を!

安希

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4件のコメント

  1. 終わってしまった。寂しい気がします!!本当に楽しく読み続け知らない国が、
    自分のイメージから離れていく事が面白かったです。新しい年が来てから読んでいます。今年もあなた様にとってよいとしでありますように!!

  2. あけましておめでとうございます。
    北朝鮮レポート、お疲れ様でした。大変楽しく拝読いたしました。確かに、銅像が立つまで正恩さんが統治する、というのは難しいでしょうね。いくらなんでも、あと何十年も独裁体制が続くとも思えない。問題は、いつ、どういう形で体制の変化が起きるのか。願わくば正恩さんが賢明な人で、穏やかな形で民主化が進めばと思います。リビアのような形では最悪です(あれもアメリカが裏で糸を引いていました。アラブの春は、そういうことでしょう。シリアも)。東アジアの緊張が解けることを祈ります。
    北朝鮮のガイドさん、いい方のようですね。彼(ら)が今後も無事で、いい仕事をされることを願います。
    安希さんの新作、楽しみにしています。

  3. お疲れさまでした。昨年暮れ、テレビのニュース映像で北朝鮮のことが採り上げられていたので、併せてちょっとした旅行気分に浸れました。在日韓国人のサッカー選手を取材したルポルタージュを通して、彼の地の人々の様子が間接的に描かれていたのを思い出しました。なんとなくガイドの方と通じるところがある気がします。
    おそらく状況が変われば、いちいち誰かを礼賛することはなくなると思いますが(四半世紀前の某国の選手たちがそうだった)、かなりの混乱が生じるのではないかと危惧します。とばっちりが来なけりゃいいなぁ。
    しかし「この町のどこかに誰某がいるんだ」片思いの相手を想っているみたいで萌、いや面白かったです(笑。

  4. 衛星だと言っているのをミサイルとみなす周辺国の敵視政策こそが
    誤っているのではないでしょうか。周辺国は確かに文明的には豊かに
    なりましたが中国韓国共に人間の内面は大きく退化しているように
    思います。むこう千年謝罪を要求し続ける意味不明な南より北主導で
    国家統一してもらった方がまだマシなのではないか、と思う時があります。

    高麗ホテル1Fの冷麺はさすが特級ホテルの超一流の味で、これは
    日本にも南朝鮮にも真似できない味です。次回があれば是非。

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