212.北朝鮮に行ってきました。国家体制編2

皆さま、こんばんは。今夜もまた、北朝鮮ブログ書いてます・・。昨晩の続きです。

ガイドさんとの会話は形式ばったものではなかったし、何かを隠そうとしている感じもなく、彼の立場からの考えを、ストレートに話してくれたという印象でした。ただし、脱北者の証言や、国際社会のスタンダードなどと照らし合わせながら話を聴いていると、時々、不思議な感覚にとらわれることもありました。考えようによっては、ものすごく謎めいた会話であったな・・・と。面白い会話だったと思いますね。何を信じるかは、読者本人に委ねますが、聞いてきたことを一通り書き残しておきます。

■ 経済制裁は、かなり堪えている模様。

拉致問題や核兵器の話が出た時に、何度かガイドが言った言葉が印象的でした。
「日本側に、友好関係を築いていこうという態度が全然ないですよ。経済制裁をやったり、そういう嫌がらせばかりするでしょ。こんな状況で、拉致問題だけ解決しましょうって言っても、それは無理ですよ。こんな、今のような冷えた関係では絶対に解決しません」

日朝問題がトピックになると、必ず「経済制裁なんかをして、国家関係が冷え切っている」という点をガイドは指摘するんですよね。それを聞いていて思ったのは、経済制裁は、そうとう堪えてるんじゃないか、ということ。話をする前は、「うちは中国もバックについているし、立派な独立国家ですから、日本の経済制裁なんて痛くもかゆくもないです」みたいなことを言いだすかと思っていたら、経済制裁のことをえらく気にしている様子だったのが意外でした。

北朝鮮の一般市民が困窮したり、飢え死にしているかと思うと、国家(政府)の間のいざこざを理由に経済制裁をして、市民生活をさらに圧迫するようなことは、できるだけ避けた方がいい、という思いはあります。(以前、同じように経済制裁を受けていたミャンマーで、そんなことを思いました)。ただ、政府にとってもかなり痛手になっている印象だったので、経済制裁というのは、想像していたよりも有効な外交カードなのかな、と思いました。

■ なぜ、核兵器にこだわるのか。

今回話を聴いていて印象的だったこと、その2。北朝鮮は、韓国と停戦しているのではなく、アメリカと停戦しているそうです。私はてっきり、38度線を境に、北と南で睨みあっているものと思っていましたが、少なくとも北朝鮮の意識の中では、韓国は敵ではありませんでした。韓国と闘っている、あるいは韓国を敵視するような発言は全くと言っていいくらいなかったですね。彼らの敵は、アメリカです。そして、敵国アメリカが核兵器を持っている以上、それに対抗するには、自分たちも核兵器を持つ以外に選択肢などない!ということで、核兵器を作ったのだそうです。

核兵器というのは、北朝鮮がアメリカと敵対している(してきた歴史の)上での、一種のトラウマのようなものでもあるらしい。というのも、北朝鮮がアメリカ(韓国)と闘った朝鮮戦争の終わりに、ある噂が流れたそうです。
「アメリカは引き揚げる前に、北朝鮮に原爆を落としていく」と。

朝鮮戦争の少し前には、太平洋戦争があって、日本はアメリカに負けたわけですが、アメリカは、降伏寸前だった日本に対して、引き揚げる前に2発の原発を落としていきました。だから、朝鮮の人たちは、同じことが起きると信じたらしいんですね。

そこで何が起きたかというと、朝鮮族の人たちは、一族の血を絶やさず残すために、親戚を北と南に分散させた。関ヶ原の戦いで、東西両軍に一族を分散させることで、血筋を守ろうとした歴史と似ています。朝鮮族も、血脈を重視する伝統を持っていますからね。けれどアメリカが原爆を落とすことはなく、結局38度で軍事境界線が引かれることになり、結果として、北と南に別れた一族は、離散家族となった。という話です。だから、北朝鮮にとって、アメリカ=核兵器=敵、なのだそうです。

そして、アメリカが北朝鮮に原爆を落とそうものなら、必ず原爆をもってアメリカに復讐する、とのこと。じゃあ、韓国はどうなるのかというと、「南(韓国)に、落とすわけがないじゃないですか。同じ民族ですよ!!落とせるわけがないですよ」と、この点に関しては、はっきりと言い切っていましたね。

国際社会では、北朝鮮やイランの核保有は大問題とされていますが、北朝鮮国内でいろいろ話を聴いていると、国際社会の論調のほうが、本当はむちゃくちゃな気がしてくるんですよね。北朝鮮の核保有で大騒ぎしているアメリカは、いったいどれだけの核兵器を保有してるんだい?って話です。北朝鮮側の「なんで、ウチばっかり糾弾されなきゃならないの?」という主張は、筋が通っていると思います。

でも国際社会は言うんですよね、「いや、アメリカは信用できるけど、北朝鮮のような信用できない国に核を持たせたらどんなことになるか!」って。でも、過去の歴史において、核兵器を実戦で使用したのはアメリカであって、北朝鮮ではない。それでも、アメリカは信用できるけど、北朝鮮が核を持つと危ない、と言える決定的な根拠がどこにあるのでしょうか。

もちろん、北朝鮮の現国家体制が国際基準からズレていること、独裁主義の閉鎖的な国であることは確かだし、国際社会が北朝鮮に対して持っている「危機感」、抱いている「不信感」も理解できます。でも、それは感覚でしかない。事実を直視したら、ガイドさんの言っていることの方が論理的に筋が通っていると思いました。ただ個人的には、北朝鮮にせよ、アメリカにせよ、核兵器の保有に正当性なんてないと思います。そんなものに費やされる莫大な費用と知力を、もっと別のことに使えないものかしら、と呆れるばかりです。人類はアホです。

■ ミサイル飛すなよぉ。

北朝鮮がアメリカと闘っている以上、北朝鮮にはミサイルが必要となります。太平洋を横切って、アメリカ本土までびゅーーんと飛んでいくミサイルです。そして、その太平洋には日本列島があるわけでして、その上空をびゅーーんと飛んでいくわけです。
「日本に向けて撃っているわけではありません。あくまでもアメリカに向けて撃っているだけです」
「でも、アメリカに向けて撃ったら、日本の上空も通過するじゃないですか!やめてくださいよ、そんなの。テポドンとか撃つのやめてくださいよ」
「いや、大丈夫ですよ。日本の上に落ちたりは絶対しませんから。そのくらいはちゃんと計算しています。あの時もそうでしょ?日本の上に落ちましたか?落ちませんでした。アメリカに向けて撃っているからです。それで、アメリカが『北朝鮮が日本にミサイルを撃った』と日本にわざわざ言っていったから問題になっただけです」

話は衛星の打ち上げの件になり、前回の打ち上げは、発射台が傾いていて失敗したとのこと。衛星は三段階ロケットで打ち上げということで、また議論勃発。
「やめてくださいよ、そんな危ない衛星を打ち上げるのは!その三段ロケットの破片がウチの上に落ちたら、どうしてくれるんですか?」
「いや、落ちたりしませんよ。それぐらいは計算してますから」
「でも、傾いていたし、失敗したんでしょ?」
「だから、日本の方へ打つのはもうやめにしましたよ。今度は南の方へ向かって打ってますから、安全です」
あのねぇ・・・、それでまた傾いて計算が狂って、韓国にロケットの破片が落ちたら、どうするの?間違って九州に落ちたりしたら、どうするの???!!!(怒)

ともかく、アメリカと北朝鮮の戦いを何とかして欲しい・・・。日本と韓国を巻き込むな・・と言いたい。

まだ、もう一回分くらいストーリーが残っています。
続きはまた明日か、明後日か、とにかく年内に!
(かなり焦っています!^^;)

ごきげんよう。

安希

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2件のコメント

  1. そうなんだよね!原子爆弾を落としたのはアメリカなんだよね。。。でも北朝鮮を信用できない私がいます。でもアメリカも信用していませんけどね。申し越しで年が明けてしまいますね。北朝鮮の最後のお話楽しみです!!

  2. 謎の国・北朝鮮のレポート、毎回楽しみに拝読しております。年末のお忙しい時期に更新してくださってありがとうございます。

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