210.北朝鮮に行ってきました。市内編3
(平壌―開城―板門店)

皆さま、こんばんは。
北朝鮮レポート、市内編のパート3です。

前回UPした金親子の銅像は、笑うセールスマン!ですね。マイキーも近いですが、金親子よりももっと素敵です。(笑)
さて、レポートの続きです。

■ 凍えるチュチェ思想塔と、地下シェルターのトイレ?

市内観光一日目のこの日は、かなり風が吹いていて、マイナス5度の平壌は厳寒でした。金日成が考え出したチュチェ思想(主体思想)を記念した塔に上ると、平壌市内が一望できました。歴史上、中国、ロシア、日本などに翻弄されてきた北朝鮮の自主性、自立性を呼びかける思想なのだそうです。でも、国際協調と対外貿易が国の存亡を左右する21世紀に、自立を目指すあまりに孤立していたのでは・・・ねぇ・・・と思いますが、とにかく主体性を持ってやっていきたいのだそうです。でも、国際社会からの経済制裁は困る・・・らしい。

思想塔から眺める平壌の街には、高層ビルが立ち並んでいました。できたばかりの高級マンションや、もうすぐ完成予定の105階建てのピラミッドみたいなホテルなど。バブリーです。でも、経済制裁は困る・・・らしい。ちなみに、高級マンションも国営住宅ですから、スター俳優や、輝かしい功績を残したスポーツ選手などが優先的に入居権を得るとのことです。

平壌市内。大同江とビルが見えます。
高層マンションと105階建てのホテル。

とにかく寒かったので、トイレに行きたくなり、塔の地下にあるトイレに行くことになったのですが、地下には長ーい廊下と等間隔に配置された部屋がずーっと続いていて、なんとも奇妙・・・。中央アジアなどの旧社会主義の国では、地下鉄の駅などを利用した軍事シェルターが存在しますが、もしかして、ここもシェルター?って思いました。会議などに使う部屋なのかもしれませんが、それにしては数が多すぎるし・・・、何なんでしょうね。不思議な場所でした。

それからエレベーターで、チュチェ思想塔の屋外展望台へ。景色云々というより、突風が吹いてきて、もう、寒くて寒くて・・・。ガイドと一緒に一回りして写真を撮り、さあ下へ降りて温まりましょう!って思ったら、
「あ、中村さん、もう少し時間ありますから、もう一度見てきてください」と促され、
「あ、でももう十分見せてもらいましたし、寒いのでそろそろ下へ」
「いや、せっかくだからもう一周してきてください」
そこで従順なおばちゃんは、凍える手でカメラを握りしめ、一人寒風に吹かれ(というか、突風に撃たれ)ながら、塔の周りをもう一周。体・・・冷えました。鼻水・・・出ました。熱・・・出そう。(この後、夕方から夜にかけて、冷えと疲労のため、発熱、おう吐、悪寒、そして激しい震えが止まらず・・・、もうびっくりでした)

■ それでも冷麺を食べるのか?!

お昼ご飯は、有名店での平壌冷麺。まずはキムチやチヂミ、ナムルなどの前菜と朝鮮の焼酎で乾杯。純粋に美味しかったです。特にチヂミがいい頃合いに焼けていて、う~ん、幸せ。ただ、この後の冷麺が結構体に堪えたようです。もちろん味はよかったですよ。夏だったら美味しく食べられたと思いますが、さすがに冬場の冷麺は冷えます。体が外からも内からもガンガンに冷えました。極め付けはデザートのアイスクリームでしたが、これは途中まで食べてパスしました。

北朝鮮旅行中の食事ですが、味は普通でした。キムチは美味しかったし、食器も清潔だったし、良かったと思います。ただ、全体的に冷たいものが多いので、おばちゃんのように普段から「体を温める食事」を中心にしている人は、冷たさが気になるかもしれません。自由旅行の屋台とは違い、行く先々で、外国人専用食堂に通され、そこには、あらかじめ食事が用意されていたりして、スープやご飯も、到着する頃には微妙に冷えていたりするのがちょっと残念でした。

大好きだったチヂミ、キムチ、茶碗蒸し、ナムル、の前菜。味も見た目もGOODです!お昼ご飯はこれだけで良かったんだけど、この後、冷麺が出てきてちょっと胃の調子が乱れました。
平壌冷麺。いいダシが出ていました。でも、わざわざ冬に食べなくてもいいと思う。
開城クッパ。 美味しそうです。平壌冷麺の後、激しく体調を崩し、その後の食事はほとんどノドを通らず・・でした。辛かった~。ツアーは、どれだけ気分が悪くても、食事をキャンセルしたり別の物(お粥とか)を頼んだりできないので、けっこう辛いですね。
夕飯。これプラス、ビビンバが付きます。ビビンバは大方食べましたが、あとは・・・脂っこいものがノドを通らず。体調不良が悔やまれます。(泣)

■ 地下鉄です。

地下鉄は、旧ソ連のタイプとよく似ていました。まあ、普通ですね。電車にも乗らせてもらいましたが、通勤風景やラッシュアワーがあまりにも普通だったので、あれ、私って今、北朝鮮にいるんだよね?と、自分の置かれた状況を忘れる瞬間がありました。もちろん、平壌で電車通勤しているような人は、トップレベルの市民だけだと思いますが、服装も普通だし、あの有名な「北朝鮮!」にいるという実感がなかったです。

地下鉄の入り口。右の丸い看板がハングルの『地』で、地下鉄のマーク。でも、左側のプロパガンダポスター(?)のほうがずっと気になる・・・。(笑) 気合はいってますね~。
平壌の地下鉄の駅。構造も内装も、旧ソ連の国や中欧、東欧の地下鉄の駅とそっくりです。
駅で公共新聞を読む人たち。
駅の壁のモザイクが、いかにも革命同志的で興味深い。いつか体制が崩壊したりしたら、この壁はどうなるのでしょう?個人的には、貴重なので残して欲しい。
車両はドイツ製。中は木造で、ちょっとレトロな感じが素敵でした。

■ 歌う、奏でる、踊る子供たち。

市内の学校を訪問し、音楽部の子供たちの歌や演奏、それに踊りを鑑賞しました。子供とは思えない大人っぽい歌や演奏に驚きました。この学校は芸術学校ではないので、子供たちは部活動として演奏練習をしているそうですが、それにしては上手いな~と感心しました。ただ、踊りは微妙でしたね。めちゃめちゃ頑張って踊ってくれて、最初は感心して見ていたのですが、子供なのに〝あまりに顔がキマッている″から、時々ふっと笑いそうになるのです。いや、こんなことではいかん、一生懸命踊ってくれてるんだから、と思うのですが、逆に本気になって見ようとすると、何か、その、まあ、くすぐったいと言いますか、おばちゃんの心はすさんでいて物事をまっすぐ純粋に見ることができないから、本当に失礼だな自分と思いつつ、いや、でもこれはコメディーでもいいのかな?とか、やっぱりシリアスだよね?とか思いつつ、でも、いずれにせよ、一生懸命踊ってくれてありがとう!最後には、おばちゃんも子供たちと一緒になって、手と手を取り合って踊りましたよ~。(それも観光プログラムの一部ですから)。みんな、ありがとう!もうちょっと、普通の顔で踊ろう。

平壌の学生さんたち。頑張って踊ってくれたみんなに拍手!シリアスかコメディーか、どっちなのか分からなくなる瞬間が、ちょいちょいありました。

■ 大サーカスと、見えない世界

新設された劇場へサーカスを観に行きました。サーカスと演劇をミックスした舞台で、ラブロマンスあり、コメディックモーメントありの、なかなか楽しいエンターテイメントでした。たぶん、国の威信をかけてやっていると思います。劇場も立派だったし、舞台装置がすごかった!屋内プールやらスケートリンクやらが途中で出てきて(俳優が泳いだり、スケートしたりする大スペクタクル!)、鳩も演技に合わせて飛んで来るし!というのでゴージャスでした。すご~い!と思う半面、これだけのことをやるお金があるんだったら、飢えた国民を助けてやったらどうなんだろう?社会主義なんだし・・・と思ってしまう。

立派なものや豪華なものを見せてもらい、美味しいものを食べさせてもらっても、どうしても心の底から感動できない・・・、それが北朝鮮旅行の辛いところだと思います。例えば自由旅行をしていて、たとえ質素なものが出てきても、平凡な風景しか目に映らなかったとしても、その国の市民の多くが、そこそこ安定した幸福な暮らしをしている、と感じられた時のほうが、旅はずっと楽しいものになる、ということを今回学びました。観光コースだけが素晴らしいだけじゃ、やっぱり心からは楽しめないんだよね・・・。人は、その裏にある世界を想像してしまうから。豪華な舞台装置の前に座っていながら、前日に列車の窓から見えた農村の、荷車を押す老婆の姿を思い出してしまうから。準備をしてくれたガイドさん、素晴らしいステージを見せてくれたサーカス団員の人たちには、何の罪もないし、もちろん感謝しているけれど。なんとも複雑な気持ちになる旅行でした。

ではでは、続きは次のパートで。
あとは北朝鮮の言論統制や、若き指導者のことを少し書いて、終わりにしたいと思います。
どうぞよろしく。

ではまたごきげんよう。
安希

Be the first to like.


1件のコメント

  1. 北朝鮮の貧しい人たちには絶対に会えない事になっていることに驚いています。それと根っこが同じでも政党が複数あったこと。民主主義と唱えているところ。本当に驚きです。北朝鮮の人たちで電車に乗ったことがない人がたくさん居るんだろうなーと思いました。忙しい中で書き続けるって大変だろうなと思いながら楽しく読んでいます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。