208.北朝鮮に行ってきました。 市内編1 
(平壌)

皆さま、こんにちは。
北朝鮮レポートがなかなか終わりません・・。(苦笑)
今日は、韓国大統領選の速報をチェックしつつブログを書いています。
北朝鮮も韓国のリーダーが誰になるかを注目していますからね。(ってガイドが言ってた)

車中編パート3では、平壌駅に到着し、無事ガイドと面会したところまで書きました。ここから先は、平壌のホテルや市内観光の様子をお伝えします。はっきり言って、市内では行動が全て監視、制限されていたので、読者にとっては、とくに新鮮な発見も、新しい情報もないだろうと思いますが、現地での体験を通じて記憶に刻まれた出来事を、一通り書き記しておこうと思います。

■ 専用ベンツに高級ホテル

駅で面会したのは、日本語が堪能な男性のガイド二人でした。二人に付き添われ、まずは専用車(古いベンツ)に乗り込みました。専用車には専用の運転手がつきますから、列車到着後から3日後の出発までは、常にこの三人と一緒に行動しました。車は、市内でも有数のホテル(っていうか2大高級ホテルのうちの一つ)へ向かいました。おばちゃんにとっての人生初のツアー旅行は、付き人3名のベンツ移動に高級ホテル!えらいことになってしまいました。普段はバックパックを背負って、ヒッチハイクに行き当りばったりの安宿で旅行しているおばちゃんとしては、違和感ありまくりでしたが、それはそれで興味深い体験でした。

ただ、平壌駅前とは言っても、やっぱり電灯が少ないためか、経済発展が遅れ気味の旧共産主義(社会主義)国家、例えばルーマニアなどの駅前の暗さと似ていて、雰囲気も良く似ていると感じました。ちなみに、ルーマニアのかつての独裁者チャウシェスクと、北朝鮮建国の父、金日成は、仲が良かったんですよね。チャウシェスクは逃亡しようとしたところをクリスマスの日に惨殺されて、金日成は英雄のまま死んだ。

■ 外国人隔離型ホテル

ホテルに到着するとすぐ、パスポートとツーリストカードを提出。これらの書類は、最終日までホテル(またはガイド?)が預かることになります。それから基本的に、ガイドの監視を離れて自由に歩き回ることができるのは、ホテルの内部だけです。ホテルのロビーまで一緒に入って「はい、では次は〇時に食事、〇時に出発です」という風に指示がでます。ガイドさんたちも全員同じホテルに滞在しているので、たまに電話がかかってきます。ホテルの部屋は盗聴されているという噂ですが、真相は不明です。ただ、たまに部屋に内線電話がかかってきます。(ちゃんと部屋にいるかどうかの確認?いますよ~、逃亡してないよ~、一人でテレビ観てますよ~~、笑。)

ホテルに到着後、部屋にチェックインする前に、荷物を持ったまますぐに食堂へ行って、準備されていた夕飯をいただきました。私たちが、韓国料理屋さんで食べるような、普通の朝鮮料理です。キムチやご飯やスープが出ます。食堂は清潔な洋風で、スタッフも美男美女が揃っていて、サービスもきちんとしていました。食堂の他のテーブルには、中国人の観光客の団体や、欧米人の小団体などがいましたが、そこは外国人専用の食堂らしく、いるのは観光客だけでした。しかも、料理の内容が、国籍ごとにちょっとずつ違う!!不公平じゃん? と思ったけれど、私は日本人向けに用意された食事を一人で黙々と食べたのでした。普通に美味しかったです。

一つ興味深かったのが、食堂内に設けられたバーに、インスタントコーヒーが、さも高級輸入食品であるかのごとく陳列されていたこと。たぶん、コーヒー(インスタントも含め)は、北朝鮮では希少価値の高い飲み物なのでしょう。ちなみに、朝食の時にホットミルクが出された(隣の欧米人はインスタントコーヒーをもらってるのに!)ので、おばちゃんは言いました。
「私もコーヒーが飲みたい」
そうしたら、ホットミルクにコーヒーパウダーを溶かしいれたミルクコーヒーがもらえました。
朝食は、おばちゃんはお粥やキムチなどのアジア食が中心でしたが、欧米人はトーストとクリームチーズとスライストマトなどの洋食でした。チーズとスライストマトも、おそらく高級食材だと思いますね。まあ、おばちゃんはお粥やキムチが大好きなので、自分の朝食には満足でしたけれど、洋食派の人は、文句を言えば変えてもらえるかもしれません。

■ 正直に書いてください。

夕食の後、部屋に荷物を置きに行きました。エレベーターで(何階か忘れたけど30階くらいだったかな・・)に上り、ひと気のない通路を通って部屋に入ろうと思ったら、まず一回目の停電。真っ暗なので、とりあえずじっとするしかなく・・・待つ・・・。電気が戻り次第、荷物を置いて、打ち合わせのために再びロビーへ。エレベーターの中での停電だけはやめてくれ~と思っていたら、ロビーに着いてから、再び停電。

停電自体は、発展途上国ではよくあることですが、高級ホテルの中で停電が起きるのは、途上国と言えども結構珍しいと思います。なぜかな・・・と考えてみたのですが、やはり国営であることが一番の原因かもしれませんね。北朝鮮以外の途上国の場合、高級ホテル(ハイアットとか、ヒルトンとか)は、民間企業です(加えて、外資系だったりもする)。だから絶対に停電を起こさせない、あるいは起きても瞬時に復旧できるように独自の電力源を確保しています。だから途上国に建っていても停電が起きない。反対に、北朝鮮の高級ホテルは、頑張っているな~!とは思うけれど、どうしても詰めが甘くなる国営らしさ、が電気やその他の細部に現れていたと思います。

(細部とは例えば、湯沸しポットのコンセントの差込口がないので床で湯を沸かした、とか、トイレの便座が開いたドアの真後ろにあるので、用を足している時に誰かがドアを間違って開けると、ドアが膝か顔面に激突する可能性がある、とか、ベッドの背もたれのところに、提灯型の電気が張り出しているので、もたれ掛けられない、とか。不便ではないけれど、民間があまりにも徹底しているから、相対的に『細部の作りの奇妙さ』が目についてしまう)

で、電気の話でした。ガイドによれば、『朝鮮は寒く、冬場は河川が凍結して水力発電が停止するので、原子力発電所(今は小規模のものですが・・・)を作りました』とのことです。私が訪れた11月半ばは、まだ大同江は凍ってなかったですが、電気はちょくちょく停まってしまうようでした。原発については、どこまでが事実かは分かりません。説明によれば、クリントン政権時代のアメリカが、北朝鮮に原発を作る約束(北朝鮮に代わって、安全なアメリカ製の原発を提供すると約束)をしていたにも関わらず、ブッシュがそれを反故にしたため、仕方がないので独自で作ることになった。そして、2000年代は核開発(原発建設)が進み、また無事完成させることができた、とのことでした。本当かどうかは不明。

さて、ロビーでガイドさん二人と一緒に、旅順について話し合いました。一応、日本の旅行代理店で出してもらったスケジュールはありましたが、変更は自由とのこと。つまり、KITC(朝鮮国際旅行社)が連れていける『ツアーコース』の範囲内であれば、希望を言えるわけです。
「どこでもいいですよ、ほかに行きたいところはありませんか?」と訊かれたおばちゃん、はい、行きたいところがあるんですよね、ということで、
「たとえば・・・、市場とか」
ガイド二人の監視つきであれば、富裕層がいく市場くらい見せてくれるんじゃないか?と思ったのですが、
「それは無理ですよ。外国人は入れません」と一蹴、苦笑されてしまった。

そして「他にはないですか?」となおも訊かれるので、おばちゃんは憮然として言いました。
「まあ、どこでもいいでよ。そちらで決められているコースに連れて行ってください。面白くなさそうですが、仕方がないです。銅像とか記念碑とか、もう世界中で見尽くしてきたので、見飽きたものばかりですけど、それしか見られないならそれでいいです」
するとガイドは、朝鮮旅行が気に入って何度もやってくるリピーターや、20回以上来ている人もいる(そんなん、オカシイやん!)ことを説明。ふむ・・・。まあいいでしょう。その代り、
ブログには、面白かったら面白いと書くし、そうでなかったら、『つまらない』と書きます」と言うと、ガイドは、「はい、正直に書いてください」と言いました。「面白くなかったら、面白くないと正直に書いてください。でも、面白かったら、面白かったと書いてください」と。

この会話、一件普通に見えると思いますが、私にとってはとても貴重な会話でした。
どこがかと言うと、私自身が、「面白くなかったら、その旨を正直にブログに書きます」と、北朝鮮のガイド(兼監視係)に正直に言っている点が。つまり、入国前の予想では、ガイドはもっとよそよそしくて形式的なことしか言わない人か、あるいはもう冷酷なロボットのように振る舞うか、そのどちらかをイメージしていました。それが、実際に話してみた印象では、普通の人間らしさがあって、予想以上に自由に物が言える雰囲気だったわけです。彼らとしては、別に何かを隠したいとか、旅行者を欺きたいとか、当たり前と言えば当たり前ですが、そんなことは全然考えていなくて、ただ自分たちにできる範囲で、旅行者にとってのベストを尽くそうとしているだけです。そのことは、実際に現地で、生身の人間どうしで向き合ったてみて、はっきりと実感することができました。普通の人たちであり、普通にいい人たちです。

それからガイドが、「つまらなかったら、もちろん正直にそう書いたらいいんだ」と言ってくれたことも、フェアだと感じたし、さらに最後の「でも、面白かったら、面白かったと書いてください」という言葉に、ガイドなりの様々な苦悩が込められていたことが、この旅行を通じてだんだんと分かっていきました。つまり、彼らが一生懸命準備して、旅行者も楽しそうにしていたのに、帰国するなり「あの国は最悪の国だった」というようなネガティブなことしか書かない旅行者(面白半分)、あるいは潜入ジャーナリスト(ネタにしたいから)が後を絶たない、という現状に彼らは苦しめられてきたからです。

おばちゃんは、この点については、何度かガイドにもコンファームしました。
「私は、自分が見たもの、感じたことを、そのまま正直にしか書かない。あなたのために、わざと良く書いたりもしない。その代り、日本の読者が喜ぶからと言って、わざとネガティブなことばかり並べたてることもしない。それは、私が常に心がけているポリシーですから。心配しなくていい代わり、期待もしないでください」

そんなことで始まった平壌の観光旅行。
続きは市内編パート2にて。
韓国大統領選、投票率がかなり上がってきているみたいです。
このままいくと、文氏が勝つかな?

ではまた、ごきげんよう。

安希

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1件のコメント

  1. 初ツアーは運転手付きベンツにガイド2人付き、そんな姿を想像して笑ってしまいました。(失礼)何故か高級ホテルの食事が気になりました。コーヒー飲みたい!!後選挙ですが私は原発反対ですが、今回は景気回復、雇用回復に重点を置きました。。。でも余り期待はしていません。悲しいよ。

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